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敵を欺くなら味方から

み、短い


は、早すぎない?!

ファビアン王子のお見立てではあの傷が治るのに2ヶ月はかかるっていってたよね!!


オディール様が無言でその豊かなお髪を一つに纏めると従者の耳許に何かささやいてからこちらを向く


「カイル、はじめの計画ではワルローから援軍を呼び援軍がキプロスに到着するまでは私がキプロスを守り後で合流する予定だったが変更しよう。

私とドリー、リアそしてアレグラの

四人で特別チームを組みたいんだ。

アレグラには参謀役を頼みたい。あなたの情報網や人脈ほど得難いものはない。

この一ヶ月一緒に訓練することが自然と私達のチームとしての訓練につながっていた。

お茶の時間はさながら作戦会議のようだったしな。

リアが受けたカリキュラムはどんどんレベルアップしてただ守られる令嬢の護身術じゃないんだ。

令嬢然としているよりも私達四人のチームで動いたほうが実際襲われた際の対応が取りやすい。

リア、アレグラ、きっとその辺で着飾って立ってるよりも標的になりにくいと思うがどうだ?」


「は、はいオディール様!私でお役に立つなら頑張ります!……っえ?」


「オディール様、のぞむところですわ」


わーんっ私のバカバカぁ!

オディール様の教官モードに思わずいいお返事してしまったわ!


アレグラ様!正気?

お茶の時間は普通のお茶会だったよ!

っていうかアレグラ様は慣れてるの?



ドリー何喜んでるのーっ

カイルお兄様まともに受けとめないでよっ

私が望んでるのはあくまでも皆様が命をかけている時にお荷物になりたくないから護身術をお勉強させてもらったんであって

まさか積極的に攻撃に参加するのとは大違いだわ



「よし私達四人はここから別行動で皆をサポートする連絡は随時鳥でも飛ばそう。このまま出発だ」


は?出発!?嘘でしょ!?


艶然と微笑むオディール様に手を取られ王宮の外へ連れだされ都合よく止まっている馬車に乗せられあっという間に馬車はスタートしちゃった!


五分くらい走っただろうか、

驚きすぎて固まっている私の耳にファビアン王子の叫び声が聞こえる。


「リアは俺が守るーーっ!」


あわてて窓を開けて顔を出せば単騎で血相かえて追いすがるファビアン王子が見える。


なんだかわからないけど

とりあえず助けてファビアン!


有事の際に皆様に迷惑かけずに自分のことは自分で守るというコンセプトのはずが特殊任務のチームに選抜されちゃったみたいなんですっ


「ドリーここは仕方がない一発お見舞いしておこう。愚弟にはきちんと隊を率いて出陣してもらわねばならぬ」


ドリーがオレンジくらいの大きさの玉を取り出し導火線らしき線に火をつけファビアン王子に

向かって投げた!


玉は見事にファビアン王子の乗る馬の足下に命中し、とたんに派手に爆発したのっ


暴れる馬を御すのに精一杯でファビアン王子と私達の馬車はまたたくまに距離を広げてゆく。


「大丈夫なんですかっ?

ば、爆発しましたっ」


「リア、心配無用だ。あの程度でどうかなるならそもそも国王など土台無理な話。

今までは何が起きても冷静だったんだがリアと共にいられるようになったとたんに功を焦っているように見えてしかたがない上にリアに気をとられすぎだからな。

いいお灸だ。

リアがいくら自分で自分を守るたとしてもリアが横にいたんじゃあいつはその身を盾にしかしない、それが最大の弱点になりかねんからな。

それにな私達はおそらく動きようによってはあいつらの大軍より働けるかもしれないのは事実だ」


「私、色んな国の間諜や騎士を知ってるけど、皆ファビアン王子には一目置いてるわよ。

おまけに女間諜はみーんな自分に落ちなかったのはファビアン王子くらいだって有名よ。

色んな意味で彼は強いけどリアの前では形無しみたいね。

オディール様の判断に賛成だわ。

それに私も役立ちたいしね」


アレグラ様相変わらず男前ですわ。


「ここからは私達はなんでもこなせる優秀な精鋭部隊だ。とりあえず全員町娘にでもなろう」


オディール様の言葉でまってましたとばかりにドリーがいかにも町娘といった簡素なドレスを馬車の中に広げる。


「こちらの深いグリーンがオディール様、えんじ色がアレグラ様、こちらのグレーがリアお嬢様です。お髪も皆様派手にならないようお願いいたします」


揺れる馬車の中各々町娘に扮するべく着替えた。






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