オディール様からの提案
晩餐は終盤にさしかかりデザートを残すのみとなったころオディール様がなんの脈絡もなく
「ファビアン、私が必要ならば此度の戦にはワルローの代表として参戦するよう王より言われてきたのだが。マシリトのシドの怪我の様子からいって開戦まではまだ猶予がありそうだな?」
ファビアン王子はやれやれといった様子でため息を一つつくと
「王に言われたのではなく言わせてきたのでしょう。もちもちろんあの怪我では2ヶ月は反撃は難しいでしょう。姉上には騎士団の訓練でもお願いできればとい思ってますがいかがですか?」
「うん、わかった。実戦の方が楽だと思うくらいに鍛えてやろう。それともう一つ、リアが何か武術をたしなみたがっていると小耳にはさんだが私が教えるのはどうかな?」
オディール様が私にウインクしながら赤ワインの入ったグラスを一気に飲み干した。
「誰がそんなこと姉上に吹き込んだんですか。リアは俺が守ります。そんな物騒なことさせるつもりはありません」
「気持ちはわかるがそんなこと言い切ってよいのか?開戦となれば表立って指揮をとるのは誰になる?ファビアンお前が前線で指揮をとるしかないだろ?国と国との正式な戦いだ、今までのように小隊で私がとりあえず指揮をとり、お前が裏で始末つけたりできる段階じゃない。お前はリアに張り付いてばかりはいられない。そんなとき護身術も
身につけない姫はどんな危険にさらされると思う?自らを守れて損することはない、そのための武術やその他を学ぶことは必須だよ」
うーんオディール様さすが。
私の足手まといになりたくないっていう小さな考えとは違う大きな視野での正論に納得だわ。
あら、ファビアン王子は、唇を噛んで手を握りしめ、うつむきながら何か唸ってるぅ?!
わっこっち見た!
「リア!いつでも俺が守るっていうのは嘘じゃないっ!嘘じゃないんだけど……っ……あぁ……」
また下向いて、
だ、大丈夫でしょうか?
ものすっごく逡巡してますけど
「リア、俺がリアに護身術を教える」
そんなに決意に満ちたお顔で見つめられてもですね。
困ります。
「駄目だファビアン。お前は駄目だ。自分がリアを守ればいいという意識が強すぎて厳しくリアに教えこめないと思うぞ」
「姉上けっしてそのようなことはございません!それにリアには他の誰も近づけたくないんだ。俺以外の男が教えるなんて耐えられないっ」
「落ち着けファビアン。本当にお前じゃ冷静に厳しくリアに教えられそうもないな、一応ドリーが教えることも選択肢の一つだがそれすらも見えなくなってる。ドリーもお前同様リアに厳しくはできないだろうし。他の男がリアに近づくのも嫌なんだろ?
だから女でありながら一流の護身術を教えられる私が名乗りをあげているんだ。私以上の適任はいない、なぜなら私はまさしく姫であったからな。王族の姫がどんな場面でどんな護身術が必要かがわかる。これは決まりだ、リア、明日から私が護身に必要な色々を教えるからね」
「はい、承知いたしました。よろしくお願いいたします」
オディール様が甘やかににっこりされて思わず元気よくお返事してしまった。
翌朝から私はお城の騎士団の訓練所の一角で麗しいリアルオ○カルさながらのオディール様と訓練を始めることになった。




