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夜会前 その2

ドリーの訝しげな顔をかわしながら、

コルセットをゆるめにしめてもらいデイドレスを着る、どうせ後から結い上げるからと、

髪をふんわりと編み込んでもらった。


「リアお嬢様のお髪はめったにない銀色の上に光輝くほどの艶でございます。お肌も陶器のように白くきめ細かくなめらかで、思わず触れたくなりますわ。それになんと言ってもお嬢様のひとみに見つめられましたらすいこまれそうですわ」


ドリーはいつも私を誉め殺す。

よくも飽きずに毎朝称賛できるものだわ…と感心。

髪の毛は銀色に近く、目は菫色がかったブルー。

このパーツはまぁ正直ありがたいわ。

髪の毛もお肌も、日焼けに気をつけ、しっかり保湿しているからつやつやよ♪


こちらの方々が必死になってやってらっしゃるとんちんかん美容にくらべれば、前世の記憶のおかげで的を得たお手入れができてます(笑)

女の人は艶があればなんとかなるっ!


さぁごはん、ごはん。

食べることが大好きなのは今も昔もかわらない~


階下におりてダイニングルームに入ると、

お父様、お母様は既にテーブルについてらっしゃる。


「おはようございます、お父様、お母様」


「おはよう、リア」

「おはようリア、今夜の夜会はドレスコードが決められているらしいじゃない?準備できてるの?」


普段はわりと自由にさせてくれる両親だけど、

社交界にデビューしてからは集まりに出掛ける時だけは目を光らせてくる。


「ドレスコードが女性がピンクだなんて、こだわりやのガストン公爵婦人の考えそうなことね」

お母様が言葉を重ねる。


「大丈夫よ、お母様」


可もなく不可もなくうまくやりますからぁ


「やっぱり新しいドレスを作ればよかったんじゃない?」


華やかで美しく何かと負けず嫌いのお母様、

装いが完璧じゃなければ夜会にいくなと言わんばかりに私を見る。

私もお母様のみごとな銀髪と透き通るような肌、すっと通った鼻筋に深いブルーの大きな目を、

この人のエッセンスは受け継いだかもしれないけどなんて華やかオーラ全開なんだろと思いつつ見る。


「今夜はちょっとした工夫で素敵なコーディネートにして見せますわ。お母様楽しみになさって」


「リアがそう言うならいいわ。あなたの装いと美容のセンスはいまでは私も頼りにしてますもの。

こんどの夜会のコーディネートもまたよろしくね。今夜がお若い方々の集まりで残念ね、まだ袖を通してないぴったりドレスがあったのに」


うーん、お母様、あなたは生粋の女王様キャラ&自分スキー、生涯現役、頭がさがりますっ


軽い目眩を覚えながら、お茶を飲みはじめると

これまた華やかオーラ大全開でお兄様が入ってきた。

「おはようございます。お父様、お母様。リア、おはよう。今夜は僕がしっかりエスコートするよ。」


お兄様は、お父様譲りの金髪にグリーンがかったブルーの目、整った顔立ちで、若い令嬢に人気がある。背も高く、グリーンブルーの瞳を涼やかに煌めかせながらのキラースマイルは妹の私だってくらくらする。


「あ、ありがとうお兄様。会場にいけばお友達もいるわ。お兄様も私のお守りばかりじゃなくて楽しんでね?」


お兄様、あなたといると目立つ!目立ちすぎる!

おまけに他のご令嬢から一人占めするなとクレームの嵐だっ!


「何を言うんだ、可愛い妹を守るのは兄である僕の使命だよ。」


「カイル、リアに悪い虫がつかぬよう頼むぞ」

お父様がいらない念押しをする。


わ~ん、お父様、リアは中身が枯れたおじさんですっ大丈夫です。変な監視下に置かないでぇ


「もちろん、おまかせください。父上」

お兄様がお得意のキラースマイルで答えた。


さらにくらくらしながら、手早くフルーツとパンを押し込み席を立つ、この人達はかなり華やかで、無駄に過保護だ。


私の癒し空間の温室に向かう。

今夜のコーディネートの秘策はフレッシュな薔薇を

飾ることだ。


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