第3話 烏城崎京助登場!
みんなで職員室にある鍵置き場に向かった。
鍵置き場は職員室の奥の方に位置しており、壁に付いているフックにかける形で鍵を保管している。鍵置き場で保管されている鍵には私たちが普段過ごしているクラス教室の鍵のほか、部室や音楽室や美術室などの特別教室の鍵も保管されている。
「ちょっと刑事さん!犯人は誰なんですの?」
職員室で待機していた先生の1人、校長の金崎先生が猫又警部に向かって言った。
「まだ、分かりません。今から職員室の鍵置き場を調べます。邪魔しないでくださいね」
「私の学校でまさか殺人事件が起きるなんて、困ったものですわ。早く解決してくださいね。警部さん」
「努力します」
めんどくさそうに猫又警部が言った。
「では鍵置き場について教えてください」
代表して、外森先生が答える。
「うちの学校ではほとんどの鍵をここで保管しています。事件のあった生徒会室などを含めた部室の鍵や各クラスの教室の鍵、音楽室などの特別教室の鍵もここで保管しています。また、いつもなら使用中の鍵はその教室に置いていますが、今回は事件の捜査のため、ここに戻しています。」
「鍵は誰でも取れるのですか?」
「はい。ただ、鍵置き場の横にある鍵の管理表に、誰が何時にどこの教室の鍵を借りたかを記入し、返す時も同じように記入しないといけないルールですので、勝手に持ち出すことはできないと思います」
「それは先生も生徒もですか?」
「はい。それに鍵が無くなっていたらすぐに分かりますし、普段から職員室にいる先生の監視の目がありますから、簡単に盗むことはできないと思います」
「では、今回の事件で勝手に盗み出すことはできないと…最後まで学校に残っていた園原先生以外は」
「そんな、私が犯人だと仰るんですか?」
猫又警部の言葉に園原先生がすかさず反応した。
「状況的に鍵を勝手に持ち出せるのがあなただけということですよ。ちなみに、鍵に付いているタグは何ですか?」
「あれは教室の名前が書いてあるタグキーホルダーですよ。鍵はどこも同じ形をしていますからね。それで判別しているんです。」
園原先生が少し怒りっぽく言った。
「あの鍵だけタグの色が白色ですね」
犬飼刑事が言った。
「そうだな。あれはどこの教室ですか?」
「あれは私のクラス、3年2組の鍵です」
生徒会長の姫川先輩が答える。
「うちのクラスは数週間前に鍵の紛失事件がありまして。だから、他の鍵は赤色のネームタグですが、私達のクラスだけ白色のネームタグなんです」
「なるほど、そのため白色なのですね。しかし困ったなぁ、事件の真相が全く掴めん」
「本当にそんなこと言ってるのか?今時の警察はダメだな」
ここにいた全員が驚き、声の方向に振り向いた。そこにはうちの学校の制服を着用した男子がおり…
「こら!烏城崎!関係のない生徒は各クラスで自習の指示でしょうが!教室に戻りなさい!」
園原先生が言った。
「と言っても園原先生。今一番疑われているのはあなただ。このままだとあなたが捕まるかもしれませんよ?」
烏城崎と呼ばれた生徒は、先生からの注意を軽く受け流し、自己紹介を始めた。
「申し遅れました、猫又警部、犬飼刑事。私2年1組の烏城崎京助と申します。この事件、興味深く最初からじっくり観察させてもらっていました。」
思い出した、烏城崎京助。確か彼はちょっと変わった人で、学校で起こる落とし物事件などを解決している探偵みたいな人だ。一応探偵部と称して、空いている教室を勝手に部室にして活動しているようだが、依頼はそこまで来ないらしい…。まぁ、ただの生徒がこの事件の解決なんて無理だし、おとなしく帰らされるだろう…
「とにかく教室に戻りなさい」
猫又警部が言った。
「しかし警部、私がこの事件の謎を解いたと言っても、私を追い出しますか?」
「何言ってるの?ただの高校生が事件の謎を解くなんて…。この事件は密室で凶器のペイティングナイフからも指紋が出てないんだよ?それに、園原先生は確かに疑われているけど、それは最後まで学校に残っていたからで。決定的な証拠ではないし…」
つい驚いて、反論してしまった。
「ほう。お前、そこの警察よりはやるじゃないか。そこまで分かっているのなら及第点だ。お前、俺の助手になれ。名前は?」
「古狼透花。あなたと同じ2年で3組よ。私だってミステリ小説読んでて、多少の推理には自身あるんだから//…」
褒められたことに少し嬉しくなって、つい答えてしまった。
「古狼。狼か…ますますいいコンビになりそうだな。私の烏に相性が良い」
「とにかく、関係ない人は出て行ってくれ。私たちの捜査の邪魔になるから…」
「いや!そんなこと言わず聞きましょうよ!彼の推理を!」
猫又警部が烏城崎くんを追い出そうとした時、その部下の犬飼刑事が言った。
「俺思い出したんです。この前起きた、高校生が解決したっていう商店街万引き事件。その時事件を解決した高校生っていうのが彼。烏城崎京助君ですよ!」
「しかしなぁ、そうは言っても高校生。それに今回は殺人事件だ。事件の規模が違う」
「でも、話ぐらい聞いてもいいんじゃないでしょか。何かヒントになるかもしれないしですし」
「では、1つ私の推理の証拠を1つ提示しましょう。」
烏城崎くんが言った。
「古狼。3年2組と生徒会室の鍵を確認してくれ。きっとその二つの鍵番号は同じだから」
私は言われた通り、置き場に置いてある鍵を取り、番号を確認した。
「うん。一緒だよ烏城崎くん。どっちも同じ番号だよ」
「何⁉︎…なぜそんなことが分かる?」
「分かっていただけましたか警部?私の推理力」
「あぁ、悔しいが一旦、君の話を聞いた方が良さそうだな…」
「では、みなさん生徒会室まで戻りましょう。事件の真相をお話しします。烏城崎京助の密室推理を。」
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