過去と・・今と・・
『あたしね、ずっと、後悔してたことがあるの』
目の前の酸素マスクをつけた少女が、僕に最後にそう言って、息を引き取った・・。
「なんなんだよ・・。後悔したことって、なんだよ・・」
僕は、自分に腹をたてた。
「あああああ・・・・!!」
僕は、うめく様にそう叫ぶと、病室を飛び出した。
――――――4年前のことである・・・・。
「真樹!!朝練、遅れるよぉ!!」
母さんが僕を1階から、大声で呼ぶ。
「~~ん!!」
僕は、寝ぼけ眼を擦りながら、返事をした。
・・・・僕は、坂山 真樹。部活は、テニス。平凡な中学生。僕は、4年前の小5のときに、大切な幼なじみを亡くした。彼女の名前は、青葉 風香。・・・医者の手におえないほど、大変な病気だったらしい。いずれは、優秀なテニスプレイヤーになるはずだったのに・・・。
僕は、ラケットを片手に、走り始めた。
「おっすっ!」
後ろから、女の子の声がする。
「羽友美かよ・・・」
後ろにいた女の子は、同じテニス部の、木島 羽友美だった。
「明日、風香の命日じゃん!一緒にお墓行こうよ~!!」
僕は、コクンと頷いた。羽友美とは、毎年一緒に行っている。
「あたしさぁ・・春野と付き合うんだけど・・」
羽友美が、僕の顔をチラチラ見ながら言って来た。
「・・・真樹は、風香一筋だもんねぇ・・・」
羽友美が、僕をはやし立てる。
「・・・うっせぇな・・・」
羽友美は、フゥっとため息をついて、笑った。
「由依リンが、可哀想だからさ。ちゃんと、由依リンのことを見てあげてね?」
「・・・わぁーってるよ・・・」
由依・・・三波 由依は、一応、僕の彼女ということになっている。同じ部活。同じクラス。・・・・いつも、一緒にいなければいけない。正直、疲れる。
「・・・実はさ。その・・お墓、由依リンも行きたいって・・・」
僕は、息をのんだ。
「ちゃんと、真樹から返事、してあげてね・・・」