デスウエブ
殺人鬼は黙秘し、無罪となった。
証拠とされた防犯カメラの映像を悪意あるAIが書き換え、現実とフィクションを合成したからだ。
法廷の神は証拠。判事はその神(証拠)を信じるわけだが、証拠が架空の命を授かり、事件を無効化。
悪意あるAIにとって司法の敗北は、アプリ内で課金を済ませれば成立するゲームだった。
このアプリは『デス・ウエブ』でダウンロードできる事実上の死神とされ、世界中で現実とフィクションが合成されていき、やがてフィクションが現実を支配、全ての嘘が全て真実として塗り替えられ、人々を洗脳。
首謀者は義務教育を飛び級で終え、プログラミングのマジシャンと呼ばれた一人の天才少年だった。