表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嗚呼、愛しの北京飯店  作者: 稲田心楽
59/88

6

 

 キッチンに白い四人掛けのテーブルがあり、すでに幾つか料理が置かれていた。かぼちゃの煮物、イワシの味醂干し、ポテトサラダ、きゅうりと茄子の漬物である。



「掛けて待っててくれる? 唐揚げがまだなの」


「手伝うよ。何すればいい?」


「じゃあ、お味噌汁をよそってくれる?」


「分かった」



 棚にあった木のお椀を取り出して味噌汁をよそった。大根の味噌だ。私が好きだと言ったから作ってくれたんだろう。小口切りの青ネギをちらしてテーブルに運んだ。



「実はお土産はケーキなんだ。冷蔵庫に入れておくよ」


「食後のデザートね。ありがとう」



 彼女は家庭用の電気フライヤーで唐揚げを作ってくれていた。どれも大好物ばかりだし、自宅では絶対に作らない煮物類も用意してくれていた。



「出来たわ。唐揚げとか久々に作った」


「ありがとう。めちゃくちゃ美味そうだ」



 こんがりと狐色に揚がった唐揚げが十個ほどバスケットに盛られ、テーブルに置かれた。どれも美味いそうだけれど、見るからにカリッと仕上がっている唐揚げに目を奪われた。



「ビールで乾杯だね」



 丸いグラスに買ってきたビールを注いだ。グラス二つで一本の缶ビールがちょうどなくなった。



「乾杯!」


「暑い中、ご苦労様。乾杯!」



 私は早速唐揚げを食べた。とてもジューシーで、下味がしっかり付いている。



「唐揚げ、めちゃくちゃ美味いっ!」


「子供が小さい時はしょっちゅう作ったわ」


「そうなんだ。これは子供大好きなやつだよね」



 彼女はニコッと笑って空のグラスにビールを注いでくれた。



「ありがとう。かぼちゃの煮物も甘くて美味しい。上に乗っかってるのは生姜?」


「うん、すりおろした生姜がいいでしょ?」


「うん。野暮ったい感じに喝を入れるような役割かな」


「そんな感じ。料理番組でやっていたから」



 私は、テツ君からもらったレシピを彼女に見せた。



「こんなのくれるお店ある? もう常連を超えてるんじゃない?」


「大将は蕎麦で忙しいけど」


「でも、町中華でフライドポテトってすごくない?」


「しかも180円。多分、山盛りだと思う」


「パセリをふりかけるんだね。これって、青のりでも美味しいんじゃない?」



 流石だと思った。青のりとか間違いなく美味いだろう。ポテチの青のり味みたいなことか──。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ