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NBAマニアによるNBA 底なし沼講座~知識編~  作者: 十六夜亰也
用語解説&知識入門編
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専門用語解説


専門用語解説


■シーズントリプルダブル


ラッセル・ウエストブルック(ウィザーズ)はシーズントリプルダブルというシーズン平均で3部門2桁というとんでもない記録を3シーズン連続というNBA史に輝く記録を達成しています。

ちなみにウエストブルック以外にシーズントリプルダブルをマークしたのは1960年代に活躍したオスカー・ロバートソンが1度だけ記録してます。


1試合4部門2桁でクァテドラルダブルと言い、NBA史上4人しか達成していません。

トリプルダブルなどに用いられる成績は得点、リバウンド、アシスト、ブロック、スティールの主要5部門です。


◎ちなみに

・1試合平均で20点以上ならチームのエースといえますね。

30点オーバーなら得点王を争うレベルです。


・1試合平均で10リバウンドなら、一流リバウンダーで15リバウンドマークすればリバウンド王確実なレベルです。


・1試合平均で7アシストなら一流司令塔で10アシスト以上ならアシスト王を争うレベルとなるでしょう。


・1試合平均で2ブロックならチームの守備の要で4ブロックならブロック王を争うレベルとなるでしょう。


・1試合平均で3スティールでスティール王を争うレベルですね。


トリプルダブルがいかに大変な記録か理解出来ましたでしょうか。


◎トリプルダブルには関係ありませんが、ついでに紹介しておきます。

・フィールドゴール(FG)成功率はガードで50%越えれば一流といえますし、ビッグマンでは60%越えれば一流(確率の高いゴール付近でプレー機会が多い為)となります。


・3ポイントシュート成功率は、40%越えれば一流シューター、45%越えれば超一流でタイトル争うレベルでシーズンで数人いるくらいです。


・フリースロー成功率は90%で一流ですね。

下手なビッグマンだと50%台の選手もいます。

フリースローは時間が止まった状況で得点が出来るので、スコアラーは重要視しなければいけないスキルです。



■FAについて


◎完全FA


制限無しFAとも言います。

所属チームとの契約が無くなり、どのチームとも契約交渉が可能となります。

FAになった時に所属しているチームと契約延長する場合は移籍するより金銭的にも契約年数も良い条件で契約できます。



◎制限付きFA


ドラフト指名されたルーキーが契約する時に1巡目で指名された選手だとリーグの規定で4年契約を締結しますが、3年目と4年目はチームオプション(TO)となっています。

これを『ルーキー契約』と言います。


1年目終了時に3年目の契約のチームオプション権利が発生するので、所属チームが行使すれば3年目の契約が発生します。

同じように2年目終了時に4年目の契約のチームオプション権利が発生するので、所属チームが行使すれば4年目の契約が発生します。

3年目終了後に所属チームとだけルーキー契約終了後の契約延長交渉の権利が発生します。

この交渉の期限は4年目開幕の前日までとなります。


4年目終了時に制限付きFAになりますが、他チームが契約オファーしてきた場合に所属チームが他チームの提示した契約と同額かそれ以上の金額で契約延長することが可能となります。

制限付きFAは所属チームに優しい規則です。


◎チームオプション(TO)


複数年契約の最終年をチームが契約破棄するか契約継続するかの決断が出来る権利のことで、主力よりは年俸1000万ドルクラスのロールプレイヤーの契約に付帯される場合がたまにあります。

しかし一番付帯されているのはルーキー契約で、3年目と4年目には規則で必ずチームオプションが付帯している。



◎プレイヤーオプション(PO)


複数年契約の最終年を、選手側が契約継続か契約破棄して完全FAになるかを選択することが出来る権利で、近年はルーキー契約以外のベテラン選手が締結する複数年契約では必ずと言って言いほど付帯されています。


近年では完全FAで移籍する場合に2年契約を締結して、2年目の契約をPOで破棄してからより高額での複数年契約を結ぶスタイルが主流になりつつありますね。

これが出来るのはチームのエースやオールスタークラスなどのトップクラスのみで、レブロンが流行の発信元となっています。


◎プレイヤーオプションで契約を破棄する理由、行使する理由として


・FAになっても自分で移籍するチームを選べるほど好成績を残している、又は自信がある場合は破棄します。

このオフもPOを破棄した選手は多くいますが、代表的な例を挙げるならゴードン・ヘイワードですね。

ヘイワードはセルティックスに移籍してきてからは怪我に悩まされて以前のような輝きは見られなくなっており、権利行使しての残留が当然とみられていました。

しかし予想に反してヘイワードは権利を破棄して完全FAとなってホーネッツと4年1億2000万ドルという高額契約を締結して世間を驚かせました。


・怪我でシーズンを棒にふったり、不調で契約に見合った成績が残せなかったりしたときには権利を行使して残留します。

このオフだとアンドレ・ドラモント(キャブス)は、自分が現在流行(はや)りの3ポイントを打てるセンターではないことを理解しており、FAになっても高額契約は見込めないと判断したからでしょうが、権利を行使してキャブスに残留しました。


ちなみにスポーツによってFAやサラリーキャップの扱いは全然違います。

メジャー(MLB)では契約途中での延長交渉は一切認めていないので、契約を終了してから契約延長しての残留か移籍かの交渉が行われています。

ヤンキースの田中投手が7年契約が終わってFAの状態ですね。

シーズン中に主力選手が若手数人とトレードされるのもメジャーではよくあることですが、これにも理由があります。

チームオプションやプレイヤーオプションはないのですが、トレード拒否権というものがあって名指しで行きたくないチームを契約時に契約書に明記できます。


プレイオフ進出の望みが断たれたチームが軽く再建モードに入り、下部組織(3Aや2Aのチーム)で育てているトッププロスペクト(若手有望株)をプレイオフを勝ち抜きたいチームから主力と交換で獲得し未来の主軸として育てていくというのが簡単な再建策です。

毎年1チームで数十人ドラフトするMLBでしか出来ないシステム。



余談ですが、サッカー界では年俸以外に移籍金があります。

年俸は選手に支払われるものですが、移籍金は契約解除金や優先交換権とも呼ばれ、所属チームが選手との契約時に設定できます。

これは移籍先が元所属チームに対して払う金で選手には一切支払われません。

ちなみにバルセロナのメッシ(年俸約40億円?)の契約解除金は約800億円ともいわれています。

欧州サッカー界では契約途中での延長交渉は認められています。

代理人に支払われるのは移籍金からであり、数%となっています。



◎ドラフト指名選手の契約(ルーキー契約)


ドラフト指名された選手の契約期間や契約金額は指名順位で細かく規定があり、規定から20%の増減が認められています。

金額はリーグの収入などによって毎年変わりますが、ルーキー契約はサラリーキャップに含まれない。


・1巡目指名は本契約4年(完全保証は2年目まで、3年目と4年目はTO )で4年目終了時に制限付きFAとなって、もう1年契約することも可能で最大5年契約となります。



契約金額は1巡目指名選手は順位毎に金額が決まっていますが1位指名と30位指名では年俸に約5倍くらいの格差があります。


※ちなみに2019-20シーズンでは9位指名の八村塁は年俸約430万ドルで、1位指名のザイオン・ウィリアムソンの年俸は約850万ドルです。

コロナの影響でシーズンが中断されたので試合数によって年俸も削減されていますので上記は満額の場合です。


ちなみに日本だとBリーグでは1億円プレイヤーさ富樫だけですね。

野球ではトリプルスリー達成者のヤクルトスワローズの山田哲人内野手が年俸5億円(推定)といわれている。

塁はルーキーですよ!アメリカと日本の格差です。



■サイン&トレード


自チームを完全FAになった選手から見返りを得る最後の手段ですね。

完全FAとなった選手が納得して受け入れる必要がありますが、完全FA選手が所属チームと契約延長にサインしてから、選手の意中のチームとトレードを行う方法です。

1990年代後半から2015年くらいまでは、それなりに使われていた手法ですが、近年ではあまり使われていません。

理由としてはサイン&トレードをするとサラリーキャップの例外条項に制限が入って、柔軟な使い方が難しくなってしまうからです。


完全FAになった選手に移籍されてしまうと、所属チームには何ものこらないので、少しでも見返りを貰うためのシステムです。

規則変更で事前話し合いなどに対する罰則が厳しくなっているので、(すた)れてしまっていますが完全に無くなっている訳ではなく、サラリーキャップに余裕がないチームには貴重な補強手段となっています。

このオフは新型コロナの影響で財政難のチームが多いからか、サイン&トレードが以前に比べて活発に行われた印象がありました。


裏では選手と他チームは事前に話し合いはしていると思いますが、公の場で露見すると結構な罰金が課されます。

2000年代に10年間ドラフト指名権剥奪という罰則が課されたことがあります。



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