サラリーキャップと贅沢税
金額が日本スポーツとは桁違いですよ。
サラリーキャップと贅沢税
■サラリーキャップ制度【年俸総額上限】
1チームのロースターは12人となっており、12人の年俸を全て足したものにリーグの規定で上限が決まっており、その上限をサラリーキャップと言う。
サラリーキャップの上限金額は毎年のリーグの収入や各チームへの分配金で変動します。
2019-20シーズンのサラリーキャップは1億900万ドルでした。
2020-21シーズンのサラリーキャップはコロナの影響もあって前年割れになる見込みだったのですが、前年と同じく1億900万ドルに決まりました。
リーグの収入は試合の入場料やグッズ売上の一部や、放映権料がある。近年は放映権料が相当高騰しており、ここ数年はリーグの収益が右肩上がりで増加していたので、サラリーキャップも、ここ3年くらいは1000万ドルくらいずつ増えていました。
2019-20シーズンはコロナの影響でシーズンの中断や短縮、無観客試合があったので、リーグも各チームも減収となったでしょう。
リーグの収入から全チームに一定額が分配金として支払われますし、その金額も勿論変動します。
ドラフト指名された新人はルーキー契約が締結されますが、リーグの規定で年俸や期間が細かく決められており、ドラフト指名新人の年俸はサラリーキャップに含まれません。
ドラフト外入団はサラリーキャップに含まれます。
これはサラリーキャップをオーバーしている場合でもルーキーと契約出来るようにするための措置ですね。
サラリーキャップには下限もあって、これも上限と同じで毎年変動します。
2019-20シーズンの下限は約8800万ドルで、サラリーキャップの80~85%となるようです。
サラリーキャップを越えてしまうと、基本的にFAで選手を獲得出来ません。
しかしNBAでは例外条項が数多くあるので、抜け道が枝葉のように絡みまくるようにFA制度を非常に難解でややこしいものにしているのです。
※ラリー・バード例外条項、アーリーバード例外条項、ノンバード例外条項、トレードエクセプション例外条項、ミッドレベル例外条項、ベテランミニマム例外条項、デリック・ローズルール、ケビン・デュラントルール(スーパーMax契約の1つ)etc
私の知らない例外条項もあると思います。
最近出来たのが2way契約、エクシビット10契約などです。
NBAのサラリーキャップ制度は例外条項だらけで抜け道だらけの非常に緩い制度です。
ちなみにNFLでもサラリーキャップ制度があります。NFLではサラリーキャップを越えることは一切認められない非常に厳格な制度となっています。
■贅沢税【金満球団制裁制度】
ラグジュアリータックス(以下タックス)と言われる、サラリーキャップを一定以上越えた場合に課される罰金のことを指します。
金満オーナーや球団が、金にモノを言わせて選手を集めるのを防ぐ為の制度で、日本プロ野球の巨人や阪神、福岡のチームが過去(今も?)にやってたことを防止する策です。
サラリーキャップが毎年変動するので、贅沢税の設定額も毎年かわるが、設定金額は公表されていない。だが大体の予想はできます。
2019-20シーズンの設定金額は約1億3200万ドルだったと思います。
設定金額を越えた場合は、越えた金額と追徴課税分をリーグに支払わないといけないのです。
リーグに支払われた贅沢税はラグジュアリータックスに達していないチームに均等分配されたり、リーグが運用資金として利用したりしています。
◎簡単に説明するなら、タックスを越えたチームが新たな選手を場合は選手年俸の倍額に追徴課税分が必要経費となります。
【例】贅沢税設定額ぴったりのチームが年俸2000万ドルのFA選手を獲得したとします。
その場合、リーグにタックス基準額を越えた分の2000万ドルだけでなく、越えた金額に追徴課税分を足した額をリーグに支払わなければならないのです。
この場合、この選手獲得に必要な費用は年俸+タックス基準額を越えたことの追徴課税=7500万ドル程度になると思います。
※追徴課税は最大1ドルにつき4.5ドルになると言われています。
噂ですが、サラリーキャップと贅沢税を足して約2億ドル近く支払っているチームがあるようです。
ちなみにMLBではサラリーキャップは決められていませんが、贅沢税制度はあります。
MLBでもサラリーキャップ制度導入の流れになりつつありますね。