コロナの影響による変則的シーズン
2020-21シーズン(以下、今季)はコロナの影響もあって例年よりシーズン開幕が遅れています。
今季開幕は12月22日(日本時間23日)、レギュラーシーズンは普段の82試合から72試合と10試合減らされることがきまりましたが、この日程は様々な側面から見てみると、「これしかない!」というくらいベストな日程だと思います。
■クリスマスに開催するクリスマスゲームは非常に重要。
NBAは近年、試合を中継する放送局と莫大な金額で契約を締結しており、そのことがリーグの右肩上がりの収益増大をもたらしているので、放送局のことを考えて日程を組む必要がありました。
クリスマスゲームというのはシーズンの1試合でしかないのですが、アメリカではクリスマスは家族で家にいることが多いのでクリスマスゲームは視聴率が良いこともあって、注目されるチーム同士の対戦や人気チームの対戦など、重要な意味のあるゲームが組まれているのです。
今季は開幕直後になりますが、興味深い5試合が組まれています。
◎ロサンゼルス・レイカーズVSダラス・マーベリクス
積極的で効果的な補強を続け、レブロン・ジェームス、アンソニー・デイビスという大物2人と無事契約延長して連覇を目指すのに隙がないレイカーズ。
対するマブスは『欧州の至宝』ルカ・ドンチッチ率いるチームで相棒のクリスタル・ポルジンギスと共に魅力的なヤングコアで要注目のチームです。
シーズンMVP候補者同士の対決がクリスマスゲームで実現するので非常に注目したい試合です。
◎ニューオリオンズ・ペリカンズVSマイアミ・ヒート
ザイオン・ウィリアムソン、ブランドン・イングラムなどの若手有望株が揃う将来が楽しみなチームが昨季ファイナル進出したヒートにどこまで戦えるか、今季は勢いに乗りたいペリカンズにとって大事なゲームとなるでしょう。
◎ミルウォーキー・バックスVSゴールデンステイト・ウォリアーズ
2シーズン連続最高勝率のバックスはエースのヤニス・アデトクンボの契約延長問題が現時点で解決していませんが、優勝目指す大切なシーズンになります。
ウォリアーズは主力のクレイ・トンプソンが怪我でシーズン絶望なったダメージをどこまで軽減出来るかの試金石となるゲームになるでしょうし、ドラフト2位指名のジェームズ・ワイズマンが本物かどうか、2シーズン連続MVPのアデトクンボ相手にどこまで通用するかで判明するかもしれません。
◎ブルックリン・ネッツVSボストン・セルティックス
同じイースタンカンファレンスの直接のライバル対決です。
ネッツは昨季怪我で全休した元得点王のケビン・デュラントの出来がチームの浮沈を左右します。
もう1人ポイントになる人物が指導経験のない新任HCのスティーブ・ナッシュです。
現役時代のナッシュは名司令塔でしたが、指導者としては全くの未知数です。
お互いに絶対に負けたくない試合ですね。
◎デンバー・ナゲッツVSロサンゼルス・クリッパーズ
昨季プレイオフの再戦となります。
若く勢いのあるナゲッツとベテランの大物2人が率いるリベンジに燃えるチームの戦いになります。
クリッパーズはこの試合に負けてしまうと、チームに不協和音が生じて空中分解する可能性すらあります。
ナゲッツはクリッパーズのリベンジを跳ね返せれば、勢いだけでなく実力のある真の強豪チームへと自信を深めることができる大事な試合になるでしょう。
もしクリスマスゲームを開催しなかった場合、リーグの収益は5億ドルくらい減ることになったのではないかとの試算がありました。
■試合数を減らしたのは来年の東京オリンピックに間に合わせるため
発表された来季の日程ではファイナルが終わって優勝が決まるのが東京オリンピックの直前となっています。
もう1つの候補の日程だと開幕は来年1月中旬、東京オリンピックには間に合わない予定でした。
放送局の意向としても、NBA人気を世界に広げたいリーグの意向としても、東京オリンピックのアメリカ代表にNBA選手を派遣したかったので、試合数を減らしてでもオリンピックには間に合わせたかったのでしょう。
■コロナ陽性者が出ても、クラスターにならない限り試合中止などはしないつもりのようですが、先日リーグ全体で陽性者が48人出たという報道もありました。
先行き不安なシーズンが上手くいくことを期待しています。