用語解説 ドラフトについて
NBAマニアによるNBA 底なし沼講座へようこそ。
初連載になります。
知識編では基礎知識からマニアック知識まで詰め込んでいきたいと思っています。
拙い文章ではありますが、お付き合い下さい。
不定期更新になりますが、よろしくお願いします。
■NBAは北米にある世界最高峰のプロバスケットボールリーグです。
かつて日本でもマイケル・ジョーダンや漫画『スラムダンク』の影響で1990年代にNBAブームがありましたが、ジョーダンの引退とともに、NBA人気も衰退していきました。
しかし去年あたりからNBAが日本で再び脚光を浴び始めています。
その大きな要因は『八村塁』の存在でしょう。
日本人とベナン人のハーフである八村は、その日本人離れの身長(203㎝)と身体能力で高校時代には強豪である明成高校で活躍した後、NBAプレイヤーになる夢を叶えるために、確かな育成で有名な強豪【ゴンザガ大学】に入学しました。
苦労はしましたが、アメリカで大きく成長した八村塁は3年生終了時にアーリーエントリーしてドラフト候補となり、2019年のドラフトで1巡目9位でワシントン・ウィザーズに指名されました。
これは日本バスケット界にとって歴史的快挙ですし、ましてや日本人がロッタリーピックで指名される日が来るとは、NBAマニア歴30年以上の作者も思ってもいませんでした。
八村塁はスポーツニュースだけでなく、CMなどでも露出が多くなっているので、NBAをよく知らない人でも八村の名前は知ってる人は多いのではないでしょうか。
この作品はNBAマニアの私がNBAのことを知りたい人のために、入門編としても使ってもらってもいいですし、専門用語解説やマニアックな知識、報道や記事の内容の検証などをしていきたいと思っています。
現在NBAはシーズンオフですが、例年なら既に開幕しています。
しかし、コロナの影響で2019-20シーズンは選手に陽性者が出て中断したりと、変則的なシーズンになってしまいました。
2020-21シーズンは12月22日(日本時間23日)に開幕することになっています。
まずは初回として八村塁でも話にある『ドラフト制度』について書きます。
■ドラフトについて
NBAは全部で30チームあって、ドラフトでは1巡目(1位~30位)、2巡目(31位~60位)があります。全チームが2回指名出来ることになります。
ドラフト指名権はトレードの対象にもなっているので、頻繁にトレードされています。
場合によっては数チームを経由することもあります。
また指名権をトレードする場合に条件付きがあることもあります。
特にドアマット(リーグ底辺にいること、踏みつけられることから由来)チームのドラフト指名権の場合は「1位指名権を引き当て場合のみ指名権を取り戻せる」など特殊な条件があったりします。
その場合、この作品では『条件付き』と書きます。
■指名順位の決定方法
まずドラフト指名順位の上位は、プレイオフに進出出来なかった14チームから決めていきます。
ドラフト指名順位1位~14位をロッタリーピックと言います。
※プレイオフはイースタンカンファレンスとウウエスタンカンファレンスから各8チーム、計16チームで行うトーナメントシリーズのこと。
日本のプロ野球で例えるならプレイオフはクライマックスシリーズ、ファイナルは日本シリーズです。
指名順位はくじ(ボール)を引いて決めるシステムで、シーズン成績の悪いチームほど高順位を高確率で引ける仕様になっています。
まず最初にシーズン成績の下位4チームだけでくじを引いて、指名権1位~4位をきめます。
この時1番成績の悪いチームが1位指名権を引き当てる確率は約25%と言われています。
上位4位までが決まったら、ロッタリーピックの残り14位までをくじ引きで決めていきます。
15位~30位はプレイオフ進出チームの中からシーズン成績の下から決められていきます。30位はシーズン最高成績のチームとなります。
2巡目指名権は31位をシーズン最高成績のチームから決まっていくので、60位指名権はシーズン最低成績のチームに渡ります。
2巡目指名順位はくじ引きは無くて自動的に決まります。
NBAでは毎年60人しかドラフトされない超狭き門ですが、1巡目と2巡目では扱いに契約年数や年俸で雲泥の差があります。
1巡目指名された新人が契約しないことは、まずありません。(記憶にありません)契約は年俸が保証されますし、規則で指名順位毎に年俸が決められています。
2巡目指名された新人は交渉権が与えられただけのようなもので、契約も保証されたものではなく、FAと違って契約を打ち切った時点で、チームに給料の支払い義務は無くなります。
ドラフトで指名されてもプレシーズンやキャンプの出来次第で契約されないこともあります。
最近出来た契約システムが『2way契約』で、もう1人の日本人である渡辺雄太がメンフィス・グリズリーズとこの契約をしていました。
更に、ドラフト指名されなかったドラフト候補がプレシーズンで活躍して契約を勝ち取る場合もあります。
この場合はドラフト外での入団扱いとなり、FA扱いで契約しますが、NBAでの試合出場経験がない場合は保証なしの契約になりますし、NBAではリーグ在籍年数によって年俸は最低保証金額が規則で決められています。
いかがでしたでしょうか。
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