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詩集

扇風機は真夏のドン・キホーテ

作者: ぷらうまん


扇風機は真夏のドン・キホーテ

クーラーの室外機が吐く南の風


かき氷が封じた刹那の冬の魅力

体重計の上空に潜む残酷な真実


鏡が見せる理想の顔のイメージ

ディスプレイが教える現実の顔


パソコンで学ぶ人生の消費方法

スマホが繋ぐ罵りと嘲りと癒し


履歴で辿る思索の跡の無意味さ

会話が語る無駄な時間の大切さ


本棚に並んだ知識の外付けHDD

鉛筆の芯にあるのは未来の言葉


定規で描く線が消す不確定要素

消しゴムで消せない若気の至り


妄想ノートに綴る恥と喜びの幻

執筆画面に宿った将来の小説家


マイページに残る小説家の熱意

閲覧者が共有する真夏の夜の夢


月間ランキングの外に広がる夜

熱帯夜に浮かぶ作者の夢の輝き


なろうに渦巻く幾千幾万もの光

銀河の街に生きる夢想家の一芸


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― 新着の感想 ―
[良い点] 夏を表すアイテム、思っていたより沢山あるものですね。 その1つひとつに、文章の短さに込められたドラマを感じました。 対になっている選ばれた単語に、どきりとさせられたり、ハッとしたりしまし…
[良い点] 企画より拝読いたしました。 奇麗に揃っていますね。 読みの長さはバラバラなのに…… お見事です。
[良い点] 情景が無秩序に移り変わっていくのではなく、「南の風」から「冬の魅力」のように関連性のあるものに変化していく構造がなるほどなと思いました。何回も読み直している内に、最後の「銀河の街に生きる夢…
感想一覧
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