進まぬ開発
さてそんな訳で、現在真空管ラジオを制作中なのだが、
なにせ最新の技術なので真空管ラジオも高い。
買うのに500円ぐらいする。鉱石ラジオは4000円ぐらいだからそれよりは安いけど、せめて100は切ってほしい。回路等の簡略化で50円は三ヶ月たって安くしたけど、真空管はどうしよう、、、調達難しいよぉ。
「うむ、、、社長は革新をかかげてるけど、これは高すぎて庶民には手が届かないよ。それにそろそろ景気もまずくなる。既存製品の改良から行くしかないんじゃないかな」
部長がいう。
僕もそう思った。
どうしよう。家に帰っておじさんに愚痴を言った。
「それなら安く真空管買えるところあるから教えるよ」
え?それは有り難い!
「ありがとう!ぜひ明日にでもつれてって!」
「勿論。そんでさ。実の服ボロボロだったから買ってきた。安いけどどうかな」
え?嫌それ女物じゃん。なんならスカートじゃん。
「これが一番安かったんだよ。来てみて」
、、なんか嫌だな。はじめておじさんに不信感を感じた。
一応試着してみる。
、、、かわいい。普通に可愛い。
「おーー可愛い。ありがとうおじさん!これ毎日着るね!」
、、、何言ってるんだろ俺。お袋、親父、ごめんね。
「ははは。実がそう言ってくれて俺も嬉しいよ。でも金が溜まったら男物買うからな」
、、、金がないのにありがとう。絶対真空管ラジオ成功させるよ。