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閑話 地獄温泉にて鬼姉と出会う 〜悶える鬼姉〜
「あいたたた…」
わしは、頭を押さえながら布団から出た。
何やら、頭が痛い。
殴られたか?
「う〜む、記憶がない…」
コツン、オールドパーの空ビンが触れる。
「なんじゃ、これは?」
ぼーっと見つめるうちに思い出した。
「うあああああ!?わしはなんと、なんという事を…」
酔いに任せて迫った事。
今、思う出すだけでも恥ずかしい…
そんな時、部屋の前から声をかけられた。
「お客様、どうなされましたか?」
「お、女将なんでも…そうじゃ、わしはどうやって帰ってきたのかや?」
「えっと…迷い人さんが連れてこられましたけど…」
迷い人じゃと?
そんな気は全くしなかったが…酔いでボケとったか?
「女将、わしはすぐに出る」
「あら、追いかけるので」
「うむ、少々面倒くさいがの」
迷い人が迷い込む条件は分かっていない神の気まぐれと言ったところだろうか。
そう言って、ワシは、宿を出た。
「もう一度、会わねばの…礼も言っとらん氏の。」
空瓶を胸に抱きしめ再び再開する事を決めて…