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ハート

タイムス・ハート(心)

作者: 彩煙

お久しぶりです!!

ハートシリーズとしての第2弾!!

おやおや、またお会いしましたね…。こんばんは、名の無い「世界の管理人」です。今夜は「痛み」ではなく人の「心」を覗いてみましょう。大丈夫ですよ。たかだか一人の人間の心を覗くだけですから…

さて、皆さんはこんな事をしっているだろうか?『この世には自分の人生を一日として描く人がいる』という事を…

これは、そんな人間代表として私が選んだ女性「黒木凛」の夜明けまでを描く物語

それでは Let's show time!

…指を弾く音が辺りに響いた…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私の名前は黒木凛。クラスの中でも地味すぎてむしろ浮いている感じで「友達=本」みたいな女子だ。勿論、恋愛の「れ」の字を経験したことも無い。

こんな私に話しかけてくる様な変人はいる筈もなく、仮にいたとしても私はかなりの話ベタ故すぐに関係は途切れてしまう…人と話すのは好きなんだけどなぁ…

おっと、私の話はここまでとしよう。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

どんな学校にも「モテる男」というのは存在するものらしい。この学校もその例外ではなかった。

ー川内渚:この学校一モテる男で(文字通り全学年一である)イケメンかつ文武両道を完璧に成し遂げているという超絶パーフェクト・ヒューマンだ。

しかし、彼の浮ついた話を聞いたこと一切ない。どころか嫌われてすらいないのだ。

うん、私の独断と偏見によってこの学校の七不思議に認定しよう…まぁ、恋愛がメンドイとか、そんなところだろうけど…後者に関しては…後ろにいる女子達の会話から考えられる。

『見て見て川内君、今日もカッコいいなぁ』

『私なんてもう振られてるけどなんか、全然嫌いになれな~い。何でかなぁ??』

『あぁそれは、彼がイケメンだからじゃない??イケメンは全てが許される的な』

き…聞いた?今の??イケメンは何でも許してもらえるだって!!いいなぁ私もあんな事やこんな事を許してもらいたいよぅ

『おはよう渚~』

「あぁおはよう~」

『昨日のテレビ見た?』

「見た~、あの…」

空気が変わったな…彼がここに来るとその場の雰囲気がガラッと変わる。

…誰にも気にかけてもらえない私とは全然違う。

私はきっと「人間」ではなく「人」なんだろうな…昔、何処かの誰かが言っていた気がする。他人と関係を持っているのが「人間」で、そうじゃないのが「人」だって。だから、私は、「人」だ。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・


その日の放課後、私はすることもなく教室で本を読んだりしたりしていた。外では運動部の掛け声が響いている。本当にこの暑い中よくやるよ…私にゃ無理だね!そんなことする位だったら、人間観察でもしてる方が100倍楽しいに決まってる。そもそも私は何の部活にも所属してないけどね~。部活で創る友情なんて分かりっこないですよ、ど~せ…

「はぁ~~」

自分で考えて自分で嫌になるなんて我ながらアホここに極まりって感じだ。

自己嫌悪をしていると…

『バンッッッッ!!!!』(扉が勢いよく開く音)

「ひっ…!!な…何事っ!!」

私は反射的に身をすくめた。ビビりながら扉の方を見ると

「はぁはぁ…あぁ、黒木さんか…や、やぁ」

滅茶苦茶、疲れた様子の川内君がいた。

「どうか、したんですか?」

「いやぁ、ちょっとね…」

「あ、もしかして…ムグゥ!!」

「ちょっと、静かにっ!!」

口を抑えられた…意外とグイグイくるのね…。ってか何で黙ってないといけないn…

『おらぁ!!川内~!隠れとらんと、出てこいやっ!!』

な…なるほどね…先輩に追いかけられてたんですか…

「あ、ごめんね。息、大丈夫?」

「ぷはぁ…あ、はい。大、丈夫です」

正直言うと、かなり苦しかったです。

「ていうか、なんで追い駆けられてたんですか?何か、イケメンは全て許されるそうですよ」

「いやぁ、なんか先輩の彼女が俺に惚れたとかで近づいて来たところを先輩が目撃。そこからは、あっちの勘違いで…。ところで黒木さんこそこんな時間まで何してるの?」

あ…イケメンの件、完全にスルーされてる。本人も認めてるって事でいいんでしょうか?

「私は別に…何もすることがなかっただけですけど」

「ふぅん…てか、な~に読んでんの?……『ストーカー・ラブ』これ、面白いの?」

「それは勿論です!!これはもうsitisさんの処女作ながら結構人気があるんですよ!是非読んでみてください!私のお勧めです!!」(以上、CMでした)

閑話休題。

「ハハ…黒木さんってやっぱり面白い人だよね」

「え…?」

「いやぁだって、何時もこっち見て色んな事考えてる風じゃん?それ見ていっつも俺も考えるんだよね。何を考えてるんだろう?って。それがいつの間にか楽しくなっちゃって」

「あぁ、そうですか…」

そんな感じに見えてるんだ。今度から改めよう…かな

「で、実際には何を考えてるの?」

「いや…何をって、特には…」

実際大した事考えてないし…なんて答えたらいいのだろうか…私が必死こいて考えていると

「まぁいいや。答え 知っちゃったら楽しく無くなっちゃうもんね」

何それ?自己中過ぎない??まぁ嫌な気はしないけど…

すると彼は突然真剣な顔をして

「あのさ…黒木さんってキスって興味ある?したことある??」

「え~と…経験は無いです。そしてキスに対して興味はありますけど…そもそも私には不可能な話なんで…」

「あ、そう。じゃあ、試してみる??」

「ふぇ!?な…何を!」

何言ってんの?この人?

「え?何って?キスだけど??」

「ですよねぇ…。でもなんで私なんですか?好きでもない人にキスとかって私的にはあり得ないんですけど」

どうせ遊びなんでしょ??そうでしょ??だったら…

「好きでもないって…。俺もそんな趣味は持ってないよ」

「つまり?どういうことですか」

「つまり、黒木さんが好きだって事。もう一回聞くよ?キス、試してみる??」

どうする??私も川内君の事は嫌いじゃない。だったら、いいんじゃない??でも、やっぱり…

「あ…あの」

「ん?」

「それじゃあ…」

私が意を決して答えようとしたタイミングで

『キ~ン コ~ン …』

『お前らまだ居たのか、早く帰れよ~~』

教師に見つかってしまった。

「は~い。じゃあ、また明日。また今度聞かせて?」

「…はい…」

私は帰宅の準備をしながら、自分の鼓動が速くなってる事に気付いた。理由は分かっている。


~~私の耳には夜明け鐘が響いていた~~


第一弾のヤンキーズ・ハーツも読んでみてください!!sitisさんのカバーもよろしくお願いします

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