エピローグ――受け継がれる殺意――
完結! 一作目より先……
今まで読んでいたただいた方々には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
一作目の「絶滅」、かなり力入れて書いているので、読んで頂けたら嬉しいです。
なんで体育館で銃がぶっ放されているんだ? そういえばさっきからマスターと連絡が取れない。まさかあいつが……? いやでも居場所は教えてないしここまでたどり着けるはずがない。一体どうやって? 暫く俺の体は動かなかった――
屋上で雲を見ていたら、妙にリアルな銃声に近い音が聞こえた。思い過ごしだとは思ったが体は勝手に動いていた。俺の思いに反して銃声はいつまでも止むことはなく、悲鳴まで聞こえる。
まさか……まさか、そんなはずない。
ふと思い出した。昨日喧嘩した彼女は体育館にいる。リサ、生きててくれよ。
ついに玄関が見えた時、これが現実であることが実感できた。
逃げようとして玄関から出ていこうとするが、誰一人として成功したものはいない様子だった。背中に無数の穴が開いている者。頭のない死体で、かろうじて制服から性別が判断できる者。死体の上に死体が重なる。不思議と吐き気は感じ無かった。
ドサッ。また増えた。数ある死体の中の一つ。だが俺は叫ばずにはいられなかった。
「リサ!」
頭はこちらを向いているが体はうつ伏せになっている。まだ光が残っている目だった。こちらの姿が見えているかは分からない。だが不思議と笑ったように見えた。やがて光は消え、新しい犠牲者に消えていった――
発砲音が止まった時男と目があった。不気味な笑みを投げかけて、こちらに銃口を向けてきた。逃げなくちゃ。どこをどう走ったかも覚えていない。
やがて警察が来て説得しているが、俺には聞こえない。いや聞こうとしなかった。ドアが開くのではないかとハラハラしていたからだ。だがショットガンの音とは異なる音が聞こえた。しばらくたってから警察に保護された――
疲れた。検査だの、事情聴取だの。帰った時には19時30ごろで、テレビではニュースをやっていた。警察署をバックに立っていて、神妙な面持ちで原稿を読み上げた。
――今日8時30ごろ、都内の高校で生徒が全員殺されるという残忍で、痛ましい事件が起きました。犯人はスズキタク、22歳。ゲーム会社に勤めていて、今話題の<戦国謳歌>やその他多数のゲームを手掛けていました。詳しい動機については分かっていません。
自分がみんなを殺してしまった。そんな後悔が俺を支配した。だがどこかで小さな闇が産まれた。
もっと、もっとコロシタイ――
その闇は次第に大きくなっていき、後悔を押しのけ真っ黒に染めた。
ピロン。フレンド申請が来たことを告げる音が鳴り響いた。
『この人を承認しますか? 如月さま
リア満喫中』
そうだ、俺が死神になるんだ。その男の目はすでに人間のそれではなかった――
後書き 「宿題から生まれた物語」
楽しい娯楽であるはずの、ゲームを使って人を殺す――そう宣言する一人の男がいた。自らが嫌いなやつを殺すためだけに作ったはずのゲーム。しかしその思いは暴走していき――
宿題で本を一冊読むことになりました。何を読もうか迷っていた時、目についた「インターネット依存症」の文字。読んでみると恐ろしい事実が。
その時アイデアがはじけて、あれよあれよといううちに、一作できてしまいました。
インターネット依存症は調べて頂けたでしょう? もしまだなら調べてみてください。そしてもう一度読み返してみると(特に「最後の晩餐」あたり)、また新たなことに気付けるのではないかなという、仕掛けも用意したつもりです。
最後になりますが、禁則や基礎的なルールも調べず、書いたことをお詫びするとともに、協力して頂いた方々、読者のみなさまに感謝致しまして、完結とさせて頂きます。
ありがとうございました。
P.S. 勿論これはフィクションであり、幾つかの事実をもとに作者の妄想によって作られたもので、実際に存在するものとは全く関係ありません。
誤字、禁則、感想、ポイントなどもお待ちしてます。