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オンラインRPG「ファンタシースペースオンライン2」略してPSO2。 無料で始められる、と聞いて自分のキャラを作って始めてみた。  作者: 阿月
第三章 職場の先輩が、一緒にボランティアやオンラインゲームを始めてくれるお話。2023-2024
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第16話 退団。

「姉さん、ちょっと相談いいかな」

 ログインしていた姉さんにウィスパーチャット。

「なあにー」

「『おれんじぺこ』って、枠空いてる?」


 会話しながら移動。

 リテム撮影推奨002ブロック。


 撮影推奨のブロックは、配信者の人がいない限り、あまり賑わっていない場所だ。

 姉さんのキャラクターは、マイショップの前に座っていた。


「何? うちに来たいの?」

「いや、まあ、そういうことだけど」

「中ちゃん?」


 え!


「わかりやすいよねー、二郎は」

 アバターの向こうでニヤニヤ笑っている顔が見える。

「告白したの?」


 おい! ちょっと待てよ!


「いや、それは……まだだけど」

「ええい、我が弟ながら情けない」

 散々な言いよう。

 反撃してやれ。


「いや、姉さんだって。あかつきホームの広瀬さんって、どうなの?」


 あ、固まった。


「入れてあげない」


 あ、マジで怒った。


「いやいやいや、ちょっと、その」

「余計なこと言わない?」

「はい」


 平身低頭。

 チムマスを怒らせてはいけない。


「ちょっと条件がいくつか」

「条件?」


「ころねさんに迷惑かけちゃダメ。ちゃんと自分から抜けますって話すこと」

 こういうところは、姉さんもちゃんとチムマスだ。

「それと、中ちゃんと、きちんと話すこと。今日、この後ログインしたらすぐに」

「え? 告白しろってこと?」

「告白するかしないかは自由よ。好きでもないのに告白されても迷惑だからね」


 ぐさり。

 何かが何かに刺さった。

 それは。

 僕のことが……。


「後ろ向きにならない! 一歩踏み出す気になったんでしょう?」


 う。

 姉さんの言葉がちょっと痛い。

 そう。

 だけど、やるしかない。


「チームを抜けさせてもらうというご連絡!」

 チムチャでその叫ぶことにした。

 躊躇すると、いつまでもズルズルしてしまう。

 ここのところの経験上、間違いなく、そうなる。

 フレンドリストにはパグさんもいた。

 大丈夫だ。


「以前、お世話になってたチームに戻ることにしました。新規メンバーさんがいて、サポートしてあげたいのです」

「寂しくなっちゃうね」

 と、来栖さん。

「会えなくなってしまうわけてはないので」

 パグさんがフォローを入れてくれた。

 ありがたい。

「ころねが嫌とかの、ネガティブな理由ではないとなあ」

 そう。ころねの人たちのせいじゃない。

 これだけはきちんと言っておかないと。


「いつでも遊びに来ていいのよ」

 と、SELICAさん。

「スライド移動で近づいていくなあ」


 気づくと後ろにパグさんとロレさんが来ていた。

 僕は後ろを向いて、礼をする。土下座に使える「和服挨拶」のロビアクは、残念ながら年末のリリースだ。


 そして、チームコマンドで退団を選ぶ。

 そのまま、「おれんじぺこ」に入団希望。


 僕のアバター、ホワイトハウスのアイコンが「おれんじぺこ」のものになる。


 するとチームチャットで、姉さんから。

「ぺんた、ログインしたわよ」

「え?」


「ステージの真ん中で待ってるって」

「え?」


 どういうこと?


「ちゃんと話がしたいんでしょ」


 リテムシティは、その中心に円形ステージがある。

 ゲーム内ライブ用の施設だ。

 よし。行こう。

 待たせちゃいけない。

 僕はジャンプしてグライドでステージに向かった。


 近づいていくと、キャラクターの姿が鮮明になってくる。


 そこにぺんたが、中原先生がいた。


勇気を出して。

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