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俺って詐欺師向き?デタラメ言ってたらハーレムできたんだけど?  作者: 五平
第1部:聖女の羞恥とデタラメな誓い
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第7話 隠せない本音と聖女の嫉妬、そして剣さんの煽り?

~今日のでたらめは「嫉妬は魔力になる」ってやつ?~


聖女リリアーナとの絆は、日ごとに深まっていた。

俺のデタラメ理論にも、

もうほとんど文句を言わなくなったどころか、

むしろ俺の言葉を信じ、

積極的に触れてくれるようになった。

顔を赤くしながらも、

その瞳には俺への信頼が宿っている。

心拍数は平時とあまり変わらないが、

その分、触れ合った時の魔力の流れは、

以前よりも格段に強くなっていた。

羞恥の先に、確かな快感と信頼が生まれた証拠だ。


俺たちは次の拠点となる街に到着した。

ここでは、多くの冒険者たちが集まり、

魔族討伐の依頼を受けていた。

俺も情報収集のため、冒険者ギルドへ向かう。


ギルドの中は、活気に満ち溢れていた。

鎧に身を包んだ戦士、

杖を携えた魔法使い、

様々な種族の冒険者たちがひしめき合っている。

俺は受付で情報をもらおうと列に並ぶ。

その時、隣にいた女性冒険者が

俺に話しかけてきた。


「ねぇ、あなた、新顔?

もしかして、勇者様って人?」

快活な声で話しかけてきたのは、

剣を背負った、快活そうな女戦士だった。

小麦色の肌が健康的で、

豊満な胸元が鎧の上からでもわかる。

うん、これもなかなか良いタイプだな。


「まあ、そんな感じっすね。

君は?強いの?」

俺はにこやかに答えた。


女戦士は「ふふん!」と胸を張る。

「当たり前でしょ!あたしは

このギルドでも指折りの戦士だよ!」

そう言って、屈託のない笑顔を見せる。

俺と女戦士は、すぐに意気投合し、

他愛のない会話を始めた。

互いの冒険談を語り合い、

笑い声がギルドに響く。


その間、リリアーナは俺のすぐ後ろにいた。

彼女は俺と女戦士の会話を、

静かに聞いていたようだ。

最初は何も言わなかった。

だが、俺と女戦士が笑い合ったその時、

彼女の表情が、微かに凍り付いたのが見えた。


「あ、あんた、何ヘラヘラしてんのよ!」

突如、リリアーナが声を荒らげた。

その声は、ギルドの喧騒を掻き消すほどだった。

女戦士も、俺も、思わず振り向く。


リリアーナの顔は、真っ赤に染まっている。

頬はもちろん、耳まで湯気を出すほど赤く、

その瞳には、隠しきれない感情が宿っていた。

心拍数は平時の2.5倍、羞恥値は赤色。

だが、その羞恥に混じって、

見たこともないほどの嫉妬が、

その瞳の奥で燃え上がっているのが見て取れた。


「べ、別に私の知ったことじゃないけど、

そんなヘラヘラしてる暇があったら、

神託の進行に支障が出るでしょうが!」

リリアーナは必死にそう叫ぶ。

だが、その言葉は完全に支離滅裂だ。

彼女は嫉妬を隠そうと必死だったが、

その声と表情は、それを雄弁に物語っていた。


女戦士はポカンと口を開けて、

俺とリリアーナを交互に見ている。

俺はニヤリと笑った。

(よし、嫉妬の炎、燃え上がってるな!)


「おっと、聖女様、そんなに怒るなよ。

俺の魔力が暴走しちまうだろ?」

俺はわざとらしく、リリアーナに近づく。

「もしかして、嫉妬してるのか?

俺が他の女と話してるのが、そんなに嫌か?」

さらに追い打ちをかける。


「なっ!?だ、誰が嫉妬なんて!?」

リリアーナは激しく動揺し、

視線をそらそうと必死にもがく。

だが、その視線は、女戦士をチラリと見て、

またすぐに逸らされた。

(気づかれたくなくて息を潜める……)

その体が、わずかに硬直している。

(指先がぎゅっと服を掴む……)

その仕草が、彼女の隠しきれない本音を晒していた。


その様子を、剣さんが俺の肩の傍で

小刻みに揺れる光で表現していた。

まるで俺の悪ふざけに加担するかのように、

リリアーナの嫉妬を煽るかのように、

剣さんの光が楽しそうに揺らめく。


リリアーナは剣さんの反応に気づき、

「剣さんまで……!?」

とさらに顔を赤くした。

剣さん、最高の煽り役だぜ!


「はははっ!見てみろよ聖女様!

お前の嫉妬が、俺の魔力になっていくぜ!

まさに、嫉妬は魔力増強剤ってやつだな!」

俺は高らかに宣言する。

もちろん、これもデタラメだ。

だが、リリアーナの嫉妬の炎は、

確実に俺の力を増幅させているように感じられた。

心拍数は平時の3倍、魔力循環指数は+200%。

羞恥値は限界を示す赤色。

嫉妬の感情は、こんなにも美しいのだと、

俺は初めて知った。


これが、運命のデタラメ理論だ。

聖女の嫉妬は、俺のチートの新たな扉を開いた。


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