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俺って詐欺師向き?デタラメ言ってたらハーレムできたんだけど?  作者: 五平
第1部:聖女の羞恥とデタラメな誓い
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第2話 気絶中のプリンと悪ふざけの始まり

~今日のでたらめは「胸を触られた」ってやつ?~


俺は聖女リリアーナの手を繋いだまま、

魔族を一掃した。

「勇者様……わ、わたくしは一体……」

リリアーナはまだ顔が真っ赤だ。

心拍数は平時の2.5倍、羞恥値は赤色を維持。


「まぁ、細かいことは気にすんなって。

お陰で助かったろ?」

そう言うと、リリアーナはムッとした顔で

繋がれた手を見てきた。

「え、ええ……そう、ですけど……」

まだ戸惑ってる。可愛いな、おい。


その日の夜、俺たちは前線の宿にいた。

リリアーナは神殿への報告書を書いていたが、

俺はぶっちゃけ暇だった。

窓の外を眺めていると、遠くでまた魔族の影が。

「おっと、また来やがったか」

俺は立ち上がろうとするが、

リリアーナが慌てて俺の腕を掴んだ。

「お、お待ちください!まだ、その、

魔力循環の調整が……!」

彼女の言葉は、まるで俺が手を離すと

力が使えなくなる、と信じ込んでいるかのようだ。


俺はニヤリと笑った。

「だよな、だからこうして側にいてくれよ。

聖女様が側にいれば、俺は無敵だからな!」

「っ……も、もう……仕方ありませんわね……」

リリアーナは顔を赤くしつつも、

諦めたように腕を離さない。

心拍数は1.8倍、羞恥値は黄色。

なかなかいい反応だ。


戦闘が始まった。

魔族の数は前回よりも多い。

俺はリリアーナの腕を掴んで光の剣を飛ばす。

だが、その時だった。

ガキンッ!

魔族の一体が、不意を突いて

リリアーナの側面から攻撃してきた。

「きゃっ!?」

リリアーナが小さな悲鳴を上げて、

その場に崩れ落ちる。意識を失ったようだ。


「聖女様っ!」

俺は慌てて駆け寄る。

だが、魔族の群れが迫ってくる。

まずい、このままだとリリアーナがやられる。

「くそっ、気絶してたら触れねぇじゃねぇか!」

そう思った、その時だ。


(ん?待てよ、別に手がダメってわけじゃない。

『どこかしらに触れていれば』ってことか?)

俺の脳内に勝手に「デタラメ設定」が浮かんでくる。

よし、試してみる価値はある!


俺は倒れているリリアーナの腕を、そっと掴んだ。

肌が触れ合う感触。

よし、魔力が流れ出す!

ブワァアアアアアアア!!

さっきと同じように、いや、それ以上に魔力が漲る。

光の粒子が身体中を駆け巡る。


俺は光の剣を連発し、

魔族を次々と吹き飛ばしていく。

あっという間に魔族は一掃され、

周りには俺と、倒れたリリアーナだけになった。


魔物がいなくなった後も、

俺は腕を掴んだまま、リリアーナの顔を覗き込む。

綺麗な寝顔だ。

そして、視線は自然と、その胸元へ。

ローブの下で、柔らかな膨らみが、

微かに上下している。


俺はニヤリと笑った。

(腕を触っただけだけど、まあいいか)


その時、俺の魔力から、光が生まれ、

意思を持つかのように形を成した。

それは、一本の剣の形をした光の精霊。

まるで生きているかのように、

その光はピカッと輝き、俺を見上げてきた。


(お、お前は……剣さんか!?)

俺の心の中の問いかけに、

剣さんは光を強めて応える。

無言だけど、感情が伝わってくるな!

剣さんは俺の周りをぴょんぴょん跳ねると、

まるで「見事!」とでも言いたげに、

リリアーナの周りをクルクルと旋回した。


剣さんはそのまま、リリアーナの傍に寄り添い、

静かに光を放ち始めた。

まるで「寝ずの番」をするかのように。

すげぇ、こいつ、気が利くぜ!

これで俺もゆっくり休めるな。


しばらくして、リリアーナが意識を取り戻した。

「う、うぅん……わたくしは……」

彼女はゆっくりと目を開け、

どこか胸元を抑えながら、俺を見た。


「わ、私……何をされたのよ!?」

顔が真っ赤だ。

心拍数は跳ね上がり、羞恥値は赤のまま。

最高にいい反応だぜ!


俺はニヤリと笑い、デタラメをぶっこむ。

「お前、気絶中に俺に助けてって懇願したんだぜ?」

「へっ!?」

「だから、その、『胸を触れさせてくれ』って言ったんだ」

「なっ!?」

「まさか本当にOKするとは思わなかったけどな!」


リリアーナは完全に混乱している。

「そんな……!?わ、わたくしが……!?」

瞳が揺れ、みるみるうちに顔が真っ赤になる。

心拍数は暴走、羞恥値は限界突破。


「っ……わたくしが……そんな……」

彼女は胸元をぎゅっと抑え、

自分の記憶と現実の乖離に戸惑っている。

助けられた事実はある。

でも、まさか胸を触られて助けられたなんて。

その勘違いと照れ顔が、最高に可愛かった。


「ま、まあ、助かったんだから結果オーライだろ?

それより、俺の力が持続するには、

お前みたいな聖女様が側にいてくれるのが一番なんだよな」

俺はわざとらしく、腕を摩る。

「特に、寝てる間にお前のこといっぱい触ってやるよ!」


「なっ!?ななななななっっっっ!?」

リリアーナの顔は、もう沸騰しそうなほど真っ赤だ。

「へ、変態!ば、馬鹿なこと言わないで!!」

耳まで真っ赤にして、そう叫ぶ。

怒ってるはずなのに、その声は上擦ってて、

なぜか色っぽい。


(よし、悪ふざけ開始!)

俺は内心でほくそ笑む。

俺の手が触れた瞬間、世界の歯車は狂い始める──

それが、運命のデタラメ理論だ!


そして、剣さんは、そんな俺たちを見て、

まるで全てお見通しとでも言いたげに、

ニヤリと輝いていた。


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