表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/41

1-1 明美

小説を書くのは初めてで、読みにくいところ、表現のつたないところが多々あるかと思います。

初心者マーク付きだと思って、どうか温かい目で見てください。

 小高い丘から緩やかに伸びる下り坂を、やや足早に歩を進める一人の女性。

 やや細身の身体には、白色のワンピース。

 遠くから運ばれてくる浜風が、彼女の身体の側を通り抜け、そのワンピースとロングヘアをなびかせる。

 日が昇っていくにつれ、視界が徐々に明るくなっていく。

 三叉路に差し掛かったところで左に折れ、左手にあった朝日が正面に。

 まるで、明るい場所を求めるかのように、彼女は更に歩調を早めて歩く。

 少し背の高い木々に挟まれた小道を進むと、小さな白い鳥居が見えてくる。

 その前で立ち止まり、ひと呼吸おいて深くお辞儀をし、歩調を緩めて再び歩き出す。

 そこから数百段ある石段を一歩一歩、足元を確かめながら上っていく。

 途中で休憩を挟みたくなるような勾配の、幅の狭い石段を、無心に、一度も立ち止まることなく上りきる。

 そこは小高い丘になっており、ここで彼女は呼吸を整えるべく、ベンチに座って休憩を取る。

 足を守ってくれている、ヒールの低い靴。

 その中で熱を持った足を、靴を脱いでクールダウンしながら、水筒に入れた冷えた水を口に含む。

 呼吸が整い、再び歩を進める先には、逆に数百段続く下りの石段。

 上りの石段で筋肉が少し疲れたのだろう、力を籠めにくくなった脚は意思に反して歩調を早めてくる。

 途中から群青色の水平線が見えるようになり、耳には潮騒が届いてくる。

 階段を下りきったところで、道は左に折れ、大きな朱色の門が現れる。

 先ほどよりも一層丁寧に頭を下げ、彼女は心を引き締める。

 まるで、ここからが本番であるかのように。

 平坦な参道を進み、二つの橋を渡ると、急な下りの石段に差し掛かる。

 それを降りた先、岩窟の中に彼女の目指してきた本殿が鎮座しており、彼女は心静かに手を合わせる。



 海に面した、断崖の上にあるこの神社を、来る日も来る日もお参りするのが、彼女の日課になっている。

 日が昇ると同時に目を覚まし、身支度を整えて、今朝もここまで通ってきた。

 思えば、暑い日も寒い日も、雨の降る日も風の吹く日も……まるで、ここへ通うことが、彼女の心の拠り所になっているかのように。

 (そういえば、今朝は一度も他人(ひと)とすれ違わなかったなぁ) 彼女がそう感じるくらい、珍しい事のようだ。

 「今日も無事にお参りができたことに感謝です。良い一日になりますように」 いつものように、声に出して神様に感謝の意を述べ、本殿を後にしようとしたその時、 「おはようございます」 と声をかけてくる初老の男性。

 「はい! おはようございます!」 今朝、一度も他人とすれ違わなかったのを少し寂しく思っていたのか、彼女はついつい語気のこもった声で挨拶を返す。

 「初めまして、ですよね」 と彼女に尋ねられた男性は、「私は幾度となくお姿を拝見していたのですが、お声がけするのは初めてです」 と丁寧に答えたうえで、 「私はこの神社で宮司をしております、()()()と申します。 突然お声がけしてしまい、申し訳ありません。 来る日も来る日も、貴女がこの神社をお参りする姿を拝見しておりました。 お百度参り、でしょうか」 と尋ね返す。

 「お百度参り、みたいなものかも。 って言っても、もう百度どころじゃなく通ってるけど」

 (あっ、何か意味深な事を口走ってしまったかな) と彼女は少しどぎまぎする。

 「ここは子育て、子宝についてご利益がある神社ですので、何かその関係で心に願い続けていることがおありなのでしょうか」

 (割と深入りしてくるな、この人……) そう思いながらも、尋ねるあづちの表情は柔和ながらも真顔で、その誠実さが伝わってくるように感じ、 (神職に就いてる人になら、私の心の内を話してみてもいいかも……神様の思し召しかもしれないし) と思い始める。

 「そうですねーー。それは当たらずも遠からず、ってところかな」 ひと呼吸おいて、意を決したかのように彼女は自己紹介を始める。

 「私は、ここから私の足で1時間ほど歩いた、丘の上に住んでる()()です」

今回は状況描写の練習を課題に挙げて書きました。

もっと表現力を磨いていきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ