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すまん。おくれた。
ア『分かった。すぐいく。』
ア「ということでみんな転移するよ。いや、私とエルとアルファだけで行こう。他の人達はここを死守して。というよりももうここ連合ホームとして設定したから内装いじったりは私しかできないらしい。じゃ取り敢えず保守だけでいっか。お願いね。それじゃあ。」
エルとアルファと一緒にヴァイオレットさんの下へ転移する。メタトロンサンダルフォンハスタードヴォルザークヴァイオレットがいた。
ヴ「早かったわね。あれよ。囚われた人造臣機ミリア。」
ア「ふーん。確かに、周囲に魔弾を放ち続けて近づけないようにして必中系攻撃を放ってくるから厄介だけど貴方のスキルを使えば近づけるんじゃない?」
ヴ「ええ。一回近づいたわ。でもドヴォルザークが一撃でそれも無造作に振るった左手で弾かれてほぼ瀕死状態。お手上げよ。それともう一つ厄介なのがあってね。」
ア「アストラ…
ミ「『虚ロナル瞳』」
その呟きが耳に届いた瞬間体が一気に後方に弾き飛ばされ壁に激突した。
ア「今のは、フォースエクスプロージョン?【地雷】?どれも違うな。面白い全力で相手をしようじゃないか。エル飛んで。私が合わせる。」
エ「了解。」
ア「ライトニングスピア.インプロージョン.ヘルフレイム.グラヴィティノア」
ミ「ダークヴェール」
エ「『能力向上』『能力開放』『吸収』『一撃必殺』特技【エンドゲーム】【リミットブレイク】【全力全開】」
ア「死ぬきか。特技【魂ノ先導】『死ノ宣告』『死神ノ鎌』フルポテンシャル.フル・ブラスト.召喚:ナイト・エンジェル」
エルが上空からミリアに強襲を仕掛ける。自身の命を投げ出す特技を使って。本来ならば使う必要がない。しかし、私も今気づいた。私が保持している魔力の数十倍の魔力を持っていて回復速度も圧倒的。
ミ「『檻』」
その呟きとともに、ミリアを囲うように檻ができた。そしてエルの攻撃が防がれる。しかし、目に見えるレベルでミリアの魔力が減る。
エ「さて、どうしようか?」
死ぬはずだったエルが話しかけてくる。
ア「私がナイト・エンジェルを呼び出さなかったら死んでるぞ。」
エ「即死無効系のアイテムは死んでも生き返ってHPと状態異常が完全回復するけどあの特技はスキルや魔法装備品による蘇生効果を打ち消すからな。だから何かを生贄にして復活できる方法しかない。君が知らないわけがない。そう信じて行動したんだよ。」
ア「まあいいや。魔力が減ったとはいえまだ私の数倍はある。仕方がない。魔力封ノ結界」
私を中心にドーム状の結界ができ全ての魔法と魔力効果を消した。これによりミリアの攻撃方法が変わるはず。まあこっちも使えないんだけど。
ア「『闘気開放』『能力向上』『限界突破』『疾風疾走』『剛腕轟撃』特技【再輪】」
エ「『真気開放』『心琴跳躍』『限界開放』『疾風走破』『一撃必殺』特技【片鱗】」
一気にミリアの元まで急接近し斬りつける。エルは一気に跳躍し距離を詰め頭上から攻撃を仕掛ける。私の剣をミリアが素手で掴む。もう一つの剣カリバーンで腕を切り落とすと同時に私の腹に足が刺さった。肺から一気に空気が抜け、弾かれる。
ア「ゴフッ。」
そしてミリアは残った右手でエルの攻撃を防いだ。そしてエルを蹴り飛ばした。
エ「くっはっ。」
ア「エル、大丈夫?」
エ「なんとかね。アザゼルも大丈夫?」
ア「当然。さてどうする。HPとしては残り半分。かなり低いみたいだけど?」
エ「使うしかないでしょう。僕達プレイヤーだけが使えるものを。」
ア「奥義か。」
エ「そう。それも普通の奥義じゃない。」
二人「複合奥義。」
ア「しかし、発動まで時間がかかるぞ。」
サ「なら時間だけは稼いであげる。ね、お姉ちゃん。」
メ「そうだね。ちゃんと仕留めるんだよ。」
ア「分かっているさ。」
メタトロンとサンダルフォンがミリアに攻撃を仕掛けた。それに対しミリアは一本の杖を取り出した。ミリアとその周囲がほんのり緑色を帯びる。
ア「無敵化か。」
ア「全魔具識別。真性ノ杖、創世級アイテム。真性ノ杖の能力。攻撃力と防御力を一緒にする。高い方に合わせるらしい。弱体化効果無効、強化効果1,3倍。そして、一定時間無敵化。無敵終了後、一定時間蘇生状態になる。蘇生状態終了後、一定時間奮起状態になる。奮起状態終了後自身のHPを全回復、攻撃力、防御力、HPを2倍にする。奮起状態とは一定時間自身のHPが1以下にならない代わりにすべての攻撃をくらう。」
そして地面をいきなり蹴った。その衝撃でサンダルフォンとメタトロンを弾き飛ばす。
ア「無敵化から始まり奮気状態で終わる一定時間の無敵状態その間に突撃されたら全員死ぬぞ。どうするのが正解だ?あの状態に入られちゃったらアルファを連れてきた意味がないっつーの。」
エ「こちらに近づけさせない方法ならいくらでもあるだろう。」
ア「いつの時代の戦争だよ。まあ他に手立てがないのも事実か。土壁と塹壕を幾重にも重ねて作ってミリアの接近を許すな。飛んでくることに備えて数名は見張りをしていろ。せいっ。」
こんな感じで地面を切れば簡易的な塹壕になる。後は舞い上がった土で壁を作る。ほんと、いつの時代の戦争だよ。
土壁が壊され塹壕が突破されるたびに後退を続けていたらもう後退できなくなってしまった。しかし、相手も丁度奮起状態が終わったようだ。
ア「ここから攻勢に出るぞ。割合攻撃が与えられるスキルや特技、奥義を主体にして攻撃していけ。」
ヴ「特技【ルミナスヴェール】」
敵全体に合計最大HPの20%割合ダメージを与える。
ハ「奥義«イ・ラ»」
敵単体に通常ダメージの600%分ダメージ。そこまで強化していないからあまり強くない。割合じゃないが、一でも火力が入れば良い。
ド「特技【簸撃】」
ミリアに向かって白い気弾が飛んでいく。これは敵にあたった時敵の残りHPの10%〜100%削ることのできるスキルだ。ミリアに当たる直前、弾け飛んだ。
ア「バリアを貼りやがった。だが、バリアは貫通させちゃえばいいし、もう良いかな。なかなか楽しめたよミリア。行こうか、エル。」
エ「オーケーアザゼル。特技【奥義活性化】」
ア「特技【フルポテンシャル】【フルブレイク】【空間指定】」
エ「奥義«暗殺王ノ一撃»」
ア「奥義«堕天ノ破滅(真)»」
二人「複合奥義«堕暗ノ贖罪»」
白い一つの針がミリアに向かって勢いよく飛んでいく。複数の色が折り重なり、混ざり合い黒い球体を作り上げ一瞬で真っ白に染まりミリアに向かって行った。この二つが合わさり世界を白く染めた。そしてミリアのHPは0になった。
ア「勝った、かな?」
エ「いや、まだ消滅してないよ。」
ミリアは、HPが0になったのにも関わらずまだそこに居た。そして宙に浮き光った。
ア「眩しい。下手すりゃ失明するぞ。」
光が収まった時ミリアはおらず代わりに刀身が折れた刀が落ちていた。
ア「全魔具識別.おお、『焔霊臣刀ミリア』。等級は創世級。能力は、『超越化』『猛攻真化』『業火ノ意思』『神焔』を付与してくれるらしい。詳しい説明はあとだね。まずはあの奥にある宝箱を開けようか。」
エ「罠じゃない?」
ア「これだけ戦わせておいてここからさらに罠とかそんなこと、あった。」
宝箱を開けた途端和装メイド服を着た仮面の少女が飛び出してきた。そして勢いよくクナイを投げてきた。
ア「あっぶないなー。まさかの連戦だよ。まあ一応やっておくか。全魔具識別.はぁ、これも創世級だよ。いかれてるって。それに防御特化。生半可な攻撃じゃ『攻撃吸収』に飲まれて終わりだし、突破したとしても圧倒的な防御力により防がれる。さっきミリアが使っていた無敵化とかは一応封印することができるが純粋な防御能力は『貫通攻撃』を用いないとダメ。その『貫通攻撃』に対する耐性がとんでもなくて999%の確率で防ぐようになってる。どないせいっちゅうんじゃい。と思ったけど、行けるな。アルファを連れて来て正解だったよ。」
ア「確かに私の奥義は防御能力を完全に消すことができるけど、『奥義吸収状態』などで対策しているのでは?」
ア「ああ、そうみたいだね。丁度今、奥義吸収状態を被ったよ。特技で防御力突破できるものはないからな。奥義吸収状態は解除できるのか。」
エ「どのみち奥義は殆ど使っちゃったし、打てる手はもう残ってないんじゃないかい?」
ア「そうだね。あのメイド服をはがせる算段はないからね。この手だけは使いたくないからな。」
エ「じゃあどうするんだい?」
ア「多分宝箱にあるのは創世級最強のワールドの一つだと思うんだよ。じゃなきゃこれほど固くする必要がないと思うから。それはなんとしてでも手に入れたいだろう。」
エ「まああったらハイリスク・ハイリターンが見込めるが絶対にあるなんて保証はないだろう。」
ア「なかったとしても創世級アイテムが2つ手に入るから決して損をしたというわけではない。それにここの防衛機構は1個私達が壊してしまっただろう。後から来た攻略者によって取られるのは嫌だ。」
エ「僕も君も痛覚遮断機能を切っていないじゃないか。君が痛い思いをするのは嫌なんだ。」
ア「それはずるだろう。私だって君が痛い思いをするのは嫌だよ。」
エ「なら、じゃんけんで決めようか。」
ア「良いよ。じゃーんけんっ...
おもむろにエルが口付けをしてきた。舌を入れて口腔内をかき混ぜて放した。
エ「ぽん。相変わらずキスをすると手を握りしめるよね。」
ア「ばっか。でもありがと。」
私はグーでエルはチョキ。私の勝ちだ。
ア「相変わらずすごい優しいよね。」
エ「君が笑っていてくれるのが僕の一番の望みだからね。」
ア「変わらないね。出会った頃から。」
エ「じゃあ頑張ろうか。」
ア「ああ。」




