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この作品は1話4000字を目安に相変わらず改行は入れない方向です。
ク「早かったな李氏。」
李「クライン、元気にしてたか?それよりもお前借金してねえよなあ。」
ク「ちゃんと自力で貯めたさ。1100万円。1年間貯金に給料の大半を使うとは思わなかったぜ。」
ヒ「ログインとイベント周回だけの日々がようやく終わるわね。もう少し早く集めたかったのだけれど、ごめんなさいね。」
フ「そんな事ないさ。十分早いよ。早すぎるぐらいだ。だが奴らも受験終わってそうそう呼ばれるとは思わなかったろうぜ。」
カ「そうだね。僕みたいに宝くじで十億円あたった、なんて奇跡が起こらなければそうそう集められる金額じゃない。」
ク「おいおい、待ち合わせまで後30分あるぞ。ヒラリーにフェル。それにカインまでちと早すぎやしないか。」
東「それだけ楽しみなんですよ。みんな、あの二人、ギルド長と大元帥殿に会えるのが。」
レ「我々があそこまでの戦績を収められたのはあの二人のおかげですからね。」
ア「ええ。息のあった二人の連携や、指揮能力が高く、危なくなったら様々なアイテム、課金アイテムを大量投入し前線にでる万能支援型の皮を被った聖魔道士の大元帥。完全遊撃.指揮の補助から戦況の維持をたった一人で行う速度特化で暗殺が得意なギルド長。」
ク「このギルドの副ギルド長にしてあの二人の同級生であるこのわたくしを、一人でギルドの経営を行っていたこのクラミーをお忘れではないですか?」
ブ「お久しぶりだね。勿論忘れていないさ。ただあの二人に比べればインパクトが少ない。ギルド経営って言ってもギルド武器、ギルド施設を綺麗に保つ位、あまり目立たない仕事なんだよね。見た目と違って。」
ク「ええ。そもそも皆様進んで掃除や整理整頓をするので溢れかえった倉庫の整理しかやることがありませんでしたわ。何故かドロップ品が大量に溢れかえっているのでしょう?」
デ「そりゃクラミー、おめぇが作る武器が優秀すぎるからだろ。」
ク「あの二人は使いませんがね。」
紅「あの二人の武器は誰にも作れないさ。あの二人自身が凶器だからね。」
マ「それは失礼に当たるのでは。」
ユ「そうでもねえだろ。他ギルドが一番恐れているのがあの二人の内どっちか一人だけが来ることだろうからな。」
ブ「さあ?どうだろう。警戒するにしても人数の差で押し切れると考えそうだけど。」
ハ「各陣営の強者はそんな事考えないだろうぜ。」
メ「ギルドが大きくなれば大きくなるほどまとめるのが難しくなるから下っ端が勝手に動く可能性があると思う。サンちゃんはどう思う?」
サ「でも各ギルドの幹部以上の人達が手を出さないように厳命してると思うよ、お姉ちゃん。」
ア「サンダルフォンの言う通り間違いなくそういう命令は出てる。でもメタトロンの言う通り命令に逆らって勝手に動いてくるかもしれない。」
ヴ「あら、そんなのがいくら集まりようが私達に勝てるわけがないじゃない。」
ド「他ギルドとの同盟だ。大規模ギルドが大規模ギルドと手を組んだら人数は尋常じゃない程に膨れ上がるぞ。」
全員が会話しているようでそれぞれやっていることは違う。一人は本を読み、一人は爪を手入れし、一人は運動をしていて、一人は未解決問題を解いていたり、二人はスマホを見ていたり、またある一人は漫画を読んでいたり、とにかくまとまりがない。まとまりが無いどころではなく、全員で戦うと必ず誰かと誰かがぶつかり地形を壊すような大きな喧嘩へと発展してしまう。それを見かねた一人の少年「アザゼル」が、指示を出した。そうすると前のように喧嘩が起こることはなくなり徐々にまとまり始めた。しかし全員が水と油なようで決して近づきもせずくっつかない。もう少し時間を置かなければならないように見えるが、その実戦闘になれば全員がまとまるのである。相手が強ければ強いほど戦いにいきたがる戦闘狂の集まりでランキングは10位以内を収めていたが最近はランキングに入ることがなくなった、、、
理由は単純。噂を実践するためだ。〝VRMMORPG『十一の世界と十一振りの剣』というゲームで一度に1000万課金した後に出てくる100万の特別パスを購入すると一週間で現実世界でも魔法が使えるようになる。〟という噂を。全員が金集めに走るも、大半のメンツはすぐに集まってしまった。理由は純粋、実はこのギルドのメンバー何故か金持ちの中学生三人と高校生二人所属していて、残りの十八人の内十四人が高級取り。残りの四人の内一人は宝くじがあたった。一人は中の上レベルの稼ぎだからそこまで時間がかからなかった。残りの二たりはそもそもゲームの課金ように四桁万近く貯金してあった。そこに追加するだけですんだ為、ギルド長「エル」大元帥「アザゼル」副ギルド長「クラミー」が高校受験をしている間に終わってしまったのだ。そして今日が課金を行う日。全員が揃うのは実に一年ぶりだ。皆が皆楽しみにしていたようで集合時間より早めに着いてしまっている。それに明日から始まる新イベントも楽しみなのだ。なにせ、全プレイヤー参加型のギルド対抗イベント。十位以上の報酬がとにかくうまい。やらない手はないとネット上で湧き上がった。五周年前夜祭イベントの内容はまだ発表されておらず報酬のみ告知され後は当日発表という訳のわからない発表形式なのもより一層人気になった理由だろう。
ク「遅いわね。あと五分だっていうのに。」
ア「あ、見つけた。」
レ「どこで何してました?」
ア「ここから5km先の平原で最上位ドラゴンと戦ってる。2対1でもうすぐ死んじゃう。」
李「蘇生アイテムは持っているでしょうから早く向かいましょうか。全員で協力して倒しましょう。」
ヴ「久しぶりに本格的な狩りといきましょうか。」
デ「俺等を敵に回したことを後悔させてやるぜ。」
ア「違う、死ぬのはドラゴンの方。」
マ「なんですって。最上位ドラゴンは大規模ギルドが束になってようやく勝てる相手。我々も前衛二人の犠牲があり、なんとか勝てた相手ですわよ。それを簡単に二人で。」
ド「おいおい、しばらくやってなかったんじゃねーのかよ。」
メ「流石、規格外。」
サ「私達二人では上位ドラゴンが限界だもんね、お姉ちゃん。」
ハ「上位ドラゴンなら一人で勝てるかもしれねーな。」
カ「さすが内の大将だね。僕じゃ絶対ムリだもん。」
ク「とりあえずもう来そうだからある程度迎える準備だけしときましょうか。」
ブ「なに仕切ろうとしてんの。あんたも向こう側だよ。」
ク「それは、申し訳ないですわ。」
ブ「今は素直に甘えとけば良いの。」
ク「あの二人と一緒に祝われるなんて絶対嫌ですわ。」
ア「思いの外嫌われているようで私は非常に悲しいよ華蓮。」
ク「本名で呼ばないで下さいな。」
エ「相変わらず中がいいね君たち。アザゼル、クラミーに嫉妬しちゃうよ。」
ア「エル、そんな事言わないで。ごめんね。私はエル一筋だから。あんな女に嫉妬するのはやめて。」
ク「この、ガキ。」
ア「誰に向かって…
エ「まあまあ、落ち着いて。今日あったことならそれぞれ許し合ってたでしょう。生徒会室で。」
ア「私はゲームに私情を持ち込むなんてことしないから。でも君がそう言うなら矛を引くよ。会長。」
ク「ええ今日のところはここら辺にしておきましょうか。」
東「さっ切り替えていきましょう。」
エ「じゃあボクが纏めるって事でいいのかな?」
ク「ははっ、このギルドメンバー全員がまとめる事なんてお前以外にはできねーよ。」
エ「じゃあ、みんな久しぶりだね。ギルドメンバー全員が揃うのは1年ぶりくらいかな?この1年間でこのギルド「夜魔の集い」はランキングを落とし、今では下位の中でも下に位置するところまで落ちてしまった。理由として全員が1100万円集めるなんてものがあるけど、他者に言っても言い訳にしかならない。明日からの新イベ、今まで通り10位以内を狙っていこう。個人的にはアザゼルが一番好きな数字が3だから3位に入りたいと思ってる。方針はイベントの内容に変える予定だけど基本的に対抗戦やレイドバトルとかにならない限りは各自自由行動で暴れてもらう。観客の、全ギルドのみんなが一番ボク達の復活を目の当たりにすることが出来ると思うんだ。どうかな、アザゼル。」
ア「ギルド長なんだから大まかな方針は自分で決めちゃって良いんだよ。細かい作戦は私が立てるから。それでいいと思うよ。言ったろう、私は君の全てを応援すると。それにあわせて行動するよ。」
エ「じゃあこの方針で行くよ。まあ、その前に今日集まった理由は、みんなで多額の課金をすることなんだけど、別に絶対しないといけないわけじゃないからやめても良いんだよ。」
デ「誰も止めるはずないだろ。こんな面白そうなこと。」
エ「はは、そうみたいだね。運営にいくらはいるんだろう?」
ア「1100万✕23は、2億5300万かな?一日の売上とは思えない。」
エ「それじゃあ、課金するアイテムとかパックに指定はなかったから各々好きなものをたくさん買ってもらってパックが出てきたら買わずに待機、全員が終わるのを確認して一斉に購入する。この流れで行くよ。」
22「了解。」
クライン.李氏.ヒラリー.フェル.カイン.アマイモン.東.レントゲン.アルファ.ブルーローズ.紅蓮.ディアボロス.メタトロン【姉】.サンダルフォン【妹】.ハスター.ユージン.ドヴォルザーク.ヴァイオレット.アミ.クラミー.マスカレール.アザゼル【主人公1】.エル【主人公2】