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ゴ「随分と気前がいいじゃねぇか。持続回復に50%で不死化だと。」
カ「うちの子も何やら色々バフをもらったようですし。」
グ「何かに気付いたので?」
ア「うん。蠱毒とはちょっと違うけど似たようなものだね。倒せば倒すだけあの虫の大将が強くなる、もしくは、あれと似たような強さを持つ個体が生まれるかどっちか。」
エ「詳しく説明してくれるかな?」
ア「あいはい。古代中国に起源を持つ、毒虫や小動物などを壺に閉じ込めて共食いさせ、最後に生き残った一匹を呪術に用いる、人を呪い殺すための最凶の邪法です。人を病ませ、苦しみから死に至らしめる呪殺の手段で、「蠱道」「蠱術」「巫蠱」とも呼ばれ、中国の歴史や伝承、現代のフィクション作品にも登場している。ここら辺が一般的な話。さらに虫だけでなく、猫、鬼など、様々な生物が関与することがある、みたいな話もある。要するに、あいつ虫以外にも魔獣とかも呼んでいただろ。それ全部殺させて死んだ虫や魔獣達の怨念の残った魂を回収して自身の力か何かにするんだろうな。じゃなきゃ我々を相手にしている間に仲間の間で殺し合いなんかさせる必要がないから。奥の方を見てみな。」
目の届きにくい後方で魔獣や虫が殺し合いを繰り広げていた。鋭い爪で切り裂いたり強靭な顎を使って直接噛みついたりそれぞれ独自の方法で殺し合っている。
ウ「じゃああまり敵が固まって行動しなかったり一定数しか進行してこなかったのは⋯
ア「ああ、それはね私が威圧してたからであまり関係ないかな?」
エ「それで、どうするの?確実に仕留めるのであればここから虫は倒さずに、いやその方針で行く予定かな。」
ア「そっちの方が恐らく安全策。ただ、何が起こるかはわからない。月光姫神ひとまず弓を撃ってみようか。だめだったら近接で前衛を務めて。七色の騎士団からクロノスさんは前衛をお願いします。ウンディーネさんはこっちのサポートに回って。ゴギンさんを中心として精霊の国と七色の騎士団で防衛機構の構築をして下さい。サンダルフォンとメタトロンそれとアルファは防衛機構崩壊と各自が判断したタイミングで支援に回れ。私は完全遊撃かつ総指揮。エルは私がやられた時の為にスタンバってて。最後ルベリオンだけど一番大切かもしれないからよろしく頼むんだけど他ギルドが来ないか監視していてほしい。万が一来たときは問答無用で追い払え。来なかった場合はメタトロンたちが出たあとで完全に崩壊しちゃう、もうこれ無理だってって思ったら一秒でも長く稼ぐために出撃して下さい。誰ひとり欠けることのないように。それじゃあ各員行動開始。」
エ「アザゼル負けないでよね。」
ア「さぁどうだろう。奥の手を切るくらいなら死ぬだろうね。」
エ「監視されてるからかい?」
ア「当然。【ロイヤルエアガード】はパッシブ型で常に発動してるはずなんだけど、まぁ幅広い文脆弱性が目立つからね。特化型には遅れを取る。」
エ「うーん。君のそれは納得いくけど僕の監視対策を突破できた理由にはならない。【不可視の一撃】と【不可避の一撃】を使ってないからここらへん辺り一帯は僕の権能下だ。監視者からは完全に無害でなにもないように細工できてるはずなんだが。」
ア「それでも見られるてるよな。」
エ「完全に監視覗き見特化型を誰か作ったのかな。だとしたら戦闘能力において圧倒的に劣るだろうに。まぁ監視系統のカウンターを貼れるのは李氏とクラミーだけ。そこがちょっと問題かもな。まぁ見られて困るものがない限り手に入れる必要のないスキル、職業だから能力を圧迫させないためには手に入れないのが正解だからね。」
ア「じゃあ演技でもしますか?」
エ「する必要は無いだろう。」
ア「だよね。だから今まで通り行きますか。」
エ「じゃあ応援してるから。」
ア「月光姫神、最大火力で行ってみよう。」
月「わかりました。3つ目の月の瞳.月の耳飾り.新月の首飾り解放。月涙」
月光姫神が自身が身に着けている装飾品の能力を解放し、上空から狙いを定めて引き絞って射つ。真っ白で大きな光の魔力矢が虫メイドに落ちる。光の魔力矢が霧散して消える。地面には大穴とその中心で傷を負いながらも平然と立っている虫メイドがいた。先ほどと姿は異なり、、より一層邪悪さを増していた。
月「ちっ、化物が。」
ア「なにこれ。小学生が考えた最強の昆虫王かなんかかよ。」
ク「はてさて我々だけであれに勝てるのか。」
ア「なんとかなるよ。君の【次元斬】期待してるから。」
月「どうします?真正面から斬りかかりますか?」
ア「どうしようか。今の君の攻撃は私のバフが入った上での攻撃。かすり傷と表面を少し焦がしただけなのは信じがたい。ただ、今の攻撃は相当危険だと思われたみたいだね。実際姿が変わった上に明らかに周囲を警戒している。君を一番注意してるから下手に動かないほうがいいかもね。また矢を放とうものなら全力で妨害をしてくるだろうし、一時待機。ただしすぐ動けるようにしておいて。クロノス、後方支援は任せてね。全力でぶつかってみよう。」
ク「わかりました。ではまず会話から言ってみます。」
ア「お好きにどうぞ。」(無声操作浮遊剣起動)
ク「我が名は七色の騎士団:蒼騎士団筆頭クロノス。そちらの名を教えてもらいたい。」
虫メイドは月光姫神へと集中させていた視線(複眼)をすべてクロノスに向けた。そして危険と認識し即座に動いた。高レベルのNPCで知能が高いうえ、属性相性に敏感のため、〘自身が劣勢属性と認識した相手から真っ先に倒そうとするように回路が組まれている〙、それが全員の共通認識だった。それを愚かと笑うように虫メイドは後方に飛び距離を取って自身の周囲に眷属を召喚し守りを固めた。それもクロノスが劣勢属性になる虫達だ。レベルにして84の硬い甲羅を持つ巨大なダンゴムシのような生物だ。攻めより守りに向いているこれが10匹。そしてその後ろ非常に凶悪な遠距離に特化し毒や気絶などを付与する鱗粉を振りまく蝶のような虫(レベル95)が5匹。そしてレベルにして150、蟲召喚系統最強のオオクロアリだ。オオクロアリや一部の蜘蛛などは、レベルに上限がない。さらにレベルに伴って大きさも大きくなり体が固くなったり力が強くなる。そしてブレスなどの特殊攻撃を覚える連中も出てくる。こうなるともう手に負えないがこれを召喚するとその日は何も召喚できなくなってしまう。
エ「アザゼルッ。」
ア「いや、問題ない。私が出る。最強の支援魔法を見せてやろう。名前を聞いても答えてくれないようだしこっちが勝手につけちゃう?それもそれで問題だな。ただ、種族はさっき分かったよ。蟲王・絶。何でも一個前の姿が蟲王・始って言うらしい。そしてあと2回変身を残しているんだってね。すべての虫の頂点に立つものよ刮目するといい。」
アザゼルは空に浮かんで超巨大な球状の魔法陣を展開した。その魔法陣は様々な色が混ざり合い、消え、生み出されていた。そして虹色の光を帯びてアザゼルに収束し、手の上に小さな玉として落ちる。
ア「アルブスルミノ」
アザゼルがそう唱えた瞬間玉が再び宙に浮かび上がりより一層強く光、輝いた。アザゼルが、全プレイヤーが使える支援魔法の中で最強。強すぎるが故に取得条件が非常に厳しいものとなっている。その取得条件とは、支援系統に完全に特化し特定の職業、スキルを手に入れること。[薬屋][バッファー][デバッファー][ヒーラー]を手に入れ出現する限定クエスト《万能支援者への道》をクリアすることで得られる[万能支援者]や最弱とはいえレイドボスである不死王単独討伐で得られる『腐敗』『腐朽』『腐爛』のどれかを手にれるなど条件が厳しいものも存在する。因みに職業補助スキルによる効果で発動できるようになったものだから封印されることがない。そしてその効果は、味方全体のデバフ効果及び敵のバフ効果を一定時間反転、敵の召喚獣(虫、妖精、精霊など含む)をレベルが高い順に5匹消滅。戦闘地に全てのプレイヤー及びNPCを対象に転移成功率上昇、会心・貫通・協心発動率100%上昇、会心・貫通・協心耐性150%上昇、会心・貫通・協心攻撃力100%上昇、攻撃力75%上昇、防御力75%上昇、回復持続効果、魔力自動回復促進、奥義活性化、状態異常耐性、全耐性能力75%上昇、全ステータス75%上昇、物理攻撃力75%上昇、魔法攻撃力75%上昇、魔法効果75%上昇、物理攻撃ダメージ威力75%上昇、魔法攻撃ダメージ威力75%上昇、移動速度75%上昇、一部被ダメージ(落下、物理、魔法)75%減少、戦闘地への干渉無効及び自動反撃味方全体のバフ効果を上昇、という恐るべき効果を持っている。ただし発動にやや時間がかかったり、発動時無防備になってしまう。また、発動効果外に出たり、出られると効果が完全になくなってしまう。発動時間に関しては課金アイテムによって魔力と置き換えて補うことができる。実際アザゼルはそれを使った。一度使えば1週間使えなくなってしまうが、アザゼルが奥の手を使えばクールタイム期間中に2回使うことができる(クールタイムに影響はない)(短縮することも今現在はできない)。これが廃課金勢の本気である。しかし、当然穴はある。仕様として説明されていないためバフか仕様か分かってない大穴が存在する。即死系統に対して極端に弱くなり、蘇生ができなくなるという大穴が。底をつかれれば一気に崩壊する諸刃の剣ともいえる魔法。汎用性は非常に高いが穴を突かれれば崩壊というバランスが取れているのか取れているのかよくわからない魔法。それが、アルブスルミノだ。
ア「さて、どうするんだい虫の王よ。」
ここで切ります。まだまだ続くよ対虫は。あと2〜3話かかるかも。次蟲王が変身しきってその次討伐、最後面倒事とリザルトって感じかな?というか予定しています。お楽しみに。




