博士の野望
とある山奥の研究施設で、博士は画面から顔を上げた。
「やっと成功です。これで、私の研究が正しかったと奴らに思い知らせられる」
「よかったじゃねぇか、博士」
「おー! やっと出来たのですね!」
博士が感極まっていると、ネイとレオがやって来た。
「あぁ、長かったよ。何度も実験を続けた甲斐がありました」
博士の目の前には、巨大な生物が静かに座っていた。
「本当に長かった……君たちにも手伝ってもらうよ」
「あぁ、それは構わないぜ。なぁ、レオ」
「そうですよ。あなたの喜びは私たちの喜びです!」
「ありがとう……」
イグとレンは山奥の研究施設に来ていた。
「ここが、博士のいる施設か」
「油断するなよ。何があるかわからないからな」
二人は高い窓から中を見た。
「まだ博士たちは中にいるようだな」
「おや? どうやらネズミが二匹ほど紛れこんでいるみたいですね」
博士が巨大生物から目を離さずに、レンたちのいる窓の方を指さした。
「なら、私が始末して参りましょう」
そう言うと、レオの姿が消えていった。
「おい、イグ。あの奥にいる生物は何だ?」
「それよりも、博士の近くにもう一人アニマがいなかったか?」
レンとイグが顔を見合わせていると、二人がはじき飛ばされた。
「ぐっ! やはりもう一人いたか!」
レンとイグが体制を整えていると、レオが姿を現した。
「その通り。私はカメレオンのレオ。あの方の邪魔はさせませんよ?」
「イグ! 一度戻った方がよさそうだ」
「わかった。シューティングアロー!」
イグは、自身の羽を無数に出して矢を作り、レオに向かって放った。
「ちっ!」
レオが矢を防いでいると、イグとレンは遠くに飛び立っていた。
「……逃がしてしまいましたか」
イグとレンはなんとかハルたちの所に戻っていた。
「二人とも、大丈夫だった?」
「あぁ、なんとかな。しかし、また博士は何か良からぬことを企んでいるらしい」
「良からぬこと?」
ハルの問いかけにレンが頷いた。
「少ししか見えなかったが、巨大生物がいたよ」
「え! じゃぁ、また大型アニマが!」
「それはわからない。だが、博士はそれにまたアニマを利用するみたいだ」
「そんな……」
ハルは力なく椅子に腰かけた。それをユミが優しく肩を抱く。
「大丈夫ですよ、ハルさん。二度とあんなことはさせないようにすればいいのですから」
「ユミちゃん……」
ハルが少しほっとしていると、イグが口を開いた。
「もう一度あの研究所に行くが、今度は全員で行こうと思う」
「なら私も連れて行って下さい!」
皆が声のする方を見るとアキナが立っていた。
「アキナちゃん、もう体は大丈夫なの?」
「あまり大丈夫ではないですが、父の所に行くのであれば、私もついていきます!」
アキナの言葉に、マサが口を開いた。
「あんたは、あの博士の娘だろ? 一緒に行って裏切らないとも限らない」
「マサ殿! アキナ殿も被害者ですぞ!」
「だからって保証はない」
マサとユキが睨みあっていると、ハルが割って入った。
「今はケンカしてる場合じゃないよ。皆で力を合わせなきゃ!」
「そうですよ! アキナさんも一緒に行きましょう」
ユミがアキナの手を握り全員の所に連れて行った。
「出発は明日の朝だ。早くしないと博士たちがまた移動するかもしれないからな」
「わかりました」
レンの言葉にハルは頷いた。
「よし! じゃぁアキナちゃんのお父さんの研究をやめさせに行くぞー!」
「おー!」
ハルがそう言うと、全員が拳を上げた。
(なんか青春ドラマみたい……)
アキナだけが、少し恥ずかしそうにしていた。




