出会い
あるコンビニで働く女性がいた。彼女の名前はハル。
「いらっしゃいませ。390円になります」
客がお金を出す。
「ちょうどですね。ありがとうございました」
ところかわって、あるビルの屋外。とある人物が三人組に追われていた。
「待ちやがれ!」
「逃げられると思うなよ!」
一人が攻撃をしかける。人物はかろうじて避ける。
「くっ・・・」
逃げながらハルがいるコンビニの近くまで来た。中では、ハルがせっせと帰り支度をしていた。
「お疲れ様でした」
ハルが外に出ると、上から先ほどの人物が降りてきた。
「わぁっ! びっくりした! 一体何事なの? なんかの撮影?」
「早くここから逃げろ!」
怒鳴った人物は、猫耳としっぽが生えた青年だった。ハルがぽかんとしていると、青年はもう一度声を発しようとしたがそれは遮られた。
「やっと追いついたぜ」
「ここで、くたばっちまいな!」
三人組の一人が手を前に突き出す。
「炎よ、目の前の敵を焼き払え!」
「きゃぁ! なんなのこれ!」
「ちっ」
青年は炎を避けながら、ハルを抱えて空へ飛びあがった。
「ひーっ、飛んでる!」
「少し静かにしてくれ。集中できないだろ」
「そんなこと言われても困るんだけど!」
青年は少しむすっとしてハルを睨んだ。
「このまま落としてもいいんだぞ」
「ごめんなさい。静かにしてます」
「ふんっ。最初からそうしてればいいんだ」
それから二人の間に気まずい空気が流れていたが、あるビルの屋上で青年はハルをおろした。
「や、やっと地上だよ」
ハルはふらふらしながらへたりこんだ。
「大げさだな。そんなに飛ばしてないだろ」
「普通の人は空なんて飛ばないの! あなた一体何者なの。あの人たちとどういう関係?」
「あんたには関係ないだろ」
「あるよ! 巻きこまれたんだから。これって撮影とかじゃないの?」
「あんた、まだ状況が飲めてないんだな。俺はマサ。猫のアニマだ」
(猫? アニマ?)
ハルがぽかんとしていると、マサがポケットから指輪を取り出した。
「さっきの奴らはこれを取り戻そうとしてたんだ。まぁ、返す気はないがな」
「その指輪は何?」
「これは俺たちアニマとの契約の指輪。これをつければ、そのアニマの力を十分に出せるんだ」
マサは指輪をぎゅっと握りしめた。ハルがその手を包む。
「それは人間の私でも出来るの?」
「・・・これは人間しかはめられない。あんた正気か?」
「もちろん、ちょっと怖いけど・・・それをしなきゃ、あなたが危ないんでしょ?」
「……変わった奴だな」
マサがハルの薬指に指輪をはめる。そして指輪にキスをした。
すると、二人の周りが光りだした。その時、先ほどの三人組が追いついた。
「しまった! 間に合わなかった」
光が収まり、マサが三人に向き直る。
「さっきはよくもやってくれたな。覚悟しろよ」
三人は顔をひきつらせながら、後ろに下がった。
「敵をなぎはらえ! ライジングショット!」
「ぎゃぁぁぁー」
三人は爆発とともに、遠くへ吹き飛ばされた。
「す、すごーい。こんなことできるんだ」
「助かったぜ、ありがとな。あんた名前は?」
「あ、私はハル。よろしくね」
「いや、あまりよろしくしたくねぇな」
「えぇー! なんでよ。助かったんだからいいじゃない」
そう言って、二人は笑いあった。
「これが私とマサの出会いでした。まさかあんなことになるなんてね」
「おい、誰と話してるんだ」
「ううん。なんでもないよ。それよりお腹空いた」
マサが台所からお菓子を持ってきた。
「ほらよ。あせって食べるなよ」
「はーい」
契約したハルとマサ。二人のこれからはどうなっていくのか、二人はまだ知らない。




