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4-8. フラグ反省会

「カロルとディオに大切なお話があります」


猿獅子とオーガとの戦闘後、外に出てから私は説教モードに入った。


「世の中にはお約束という不思議な力があって、今から戦うぞーって場面で調子こいた奴がいると大抵は想定より事態が悪くなるものなの」


「はぁ……」


「余裕じゃんとか言うと今回みたいなことになるので今後は思っても絶対言わないように!」


自ら死亡フラグを立てないように!


「はい」


「あと少し別パターンだけど、『この戦いが終わったら彼女にプロポーズするんだ』とか『この戦いが終わったら話したい事があるんだ』とかもダメです」


「……なんで?」


「これ言う奴は大抵その戦いで死にます」


「まじで!?」


「お約束の残酷なところよね」


「マジか怖ぇなお約束……」


呟くカロルの隣でディオが何か考えている。


「……でもさ、オーガが出るとか獣タイプが出るとか言ってたのミオリとヤマトじゃなかったか?」


……あの会話聞こえてたのか。


「あん時は何言ってんだって思ってたけど、お約束が本当なら今回のってミオリ達も悪いんじゃね?」


「気のせいよ」


「いや気のせいではないだろ」


ディオ達の視線を受けて私とヤマトは頭を下げた。


『すいませんでした』


以後戦い前の発言には気を付けます。


フラグを立てた4人が仲良く反省したところでサソリ班の人達と合流した。


「おーそっちはどうだった?」


「ゴブリンは全滅してたんですが、オーガと猿獅子がいました」


バティカさんが討伐の証に取った獅子の尾とオーガの牙を見せるとサソリ班の人達が驚いていた。


「そりゃよく怪我人も死人も出さなかったな……戦力の分配間違えてたな。悪かった」


「危ういところで彼らが来てくれたので」


ルッカとヴァルドにバティカさんが視線を移して言った。


「勘がいいのか急いでたもんなぁ」


「あいつの嫁さんってお前なの?」


サソリ班の名前を知らない男性が含み笑いをしながら私を見ている。

ニヤニヤと嘲るような表情が感じ悪いな。


「はい。そうですけど……」


何だよ。言いたいことは何となくわかるが失礼だぞ。


「あっちじゃないのが不思議だな」


「……そうですね」


まぁ見た目的にはヴァルドの方がバランスいいからね。


「失礼だろ。ミオリこんな奴相手にしなくていい」


今の会話を聞いていたヤマトが私を庇うような位置に立って相手を睨んだ。


「別にそんな怒る程のこと言ってねぇだろ」


「俺には凄い失礼なこと言ってるように聞こえたけど」


段々と空気が険悪になって来た。


「いいよヤマト」


「良くないだろ。こいつ凄い感じ悪いぞ」


「だな。お前が悪いぞ、謝っとけ」


更に近くにいた他の人からも言われて分が悪くなった男性が渋々という表情で私に向き直った。


「すまん……」


そんな嫌々謝られてもなぁ……。


「いえ、3日くらい枕を涙で濡らす程度なんで大丈夫です」


「……すげぇ気にしてるな」


「ってくらい相手が傷付く場合もあるのでああいうのやめましょうね」


「……おぅ。悪かった」


よろしい。私は心が広いのだよ。

私がにやりと笑うと相手が苦笑した。


「ミオリは凄いな」


ギルドへ戻る途中、ヤマトが言った。


「ああいう収め方が出来るところ、素直に尊敬するわ」


さっきの話かな?


「まぁ街出たらもう会う可能性も低い人だし……あと私の代わりに怒ってくれた友達いたし。ありがとね」


笑顔でお礼を言うとヤマトが黙り込んだ。


「どうかした?」


「……何もない」


何か言いたそうだけどな。

不思議に思って見ていると、真剣な目でヤマトが私を見た。


「俺……」


「ミオリ」


ヤマトが何か言い掛けた時、ルッカが私を呼んだ。


「ミオリにさっき意地悪したって奴、ちゃんとわからせといたから」


ルッカがいい笑顔で私に言う。


……姿が見えないけど何したの?

というか誰から聞いたの。


「……何したの?」


「締めといた。物理的に」


「物理的に!?」


「死んでないから大丈夫だよ」


「死んでなくても問題あるんじゃない!?」


せっかく穏便に終わらせたのに……。

ルッカの隣にヴァルドが並んだ。


「お前は狭量だな」


「……そんな余裕ないから」


口角を上げるヴァルドにルッカが不機嫌そうに言う。


「ヤマト?」


立ち止まったままのヤマトに声を掛けると苦い物を噛んだような表情をしていた。


「置いて行くよー?」


「行くよ!あぁもう!くそっ!」


どうしたんだ。


報酬を貰う時には戻って来ていた例の男性、私と目が合うと逃げるように走り去って行った。


……本当に何したの?

ルッカに尋ねても笑顔が返って来るだけだった。


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