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モブ顔女子高生、異世界で何とか生きていく  作者: ソメイヨシコ
三章 新婚、後輩、ドラゴン
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小話 昼間の悪戯

ドラゴンに乗って村を出てからここ2日ほど、全然ミオリに触れない。

宿はヤマトと同室だし、ミオリの部屋にはヴァルドがいる。

地図で進み具合を確認すると目的の国まであと4日はかかりそうだ。


ヴァルドわざとゆっくり飛んでないかな。

ドラゴンならもっと早く飛べると思うんだけど……。

ちょっと遠回りしてる感じもするけど指摘してじゃあお前だけ降りろと言われるのも困るので言えずにいる。

ヴァルドはミオリとヤマトがお気に入りみたいだから旅路を楽しんでいるんだろうな……。

このペースだと往復で考えると10日以上夫婦の触れ合いを我慢しないといけないことになる。

……結構辛い。


以前一緒にあちこち回っていた頃はどうやって我慢してたかな。

一度覚えた甘い味は中毒性が強いみたいで耐えていた頃をあまり思い出せない。


辛いなと思っている俺とは対照的にミオリはなんだか元気そうだ。

俺のせいで寝不足だったのが解消されたからかな……なんか切ない。


ヴァルドの上で前に座るミオリに手を回して抱えようとしたら怒られた。

ヴァルドは背中だしヤマトは振り返らなければ大丈夫なのに人前ということになるらしい……。


ミオリの後ろに乗ってみてわかったけど、結んでても長い髪が風に流れて時々当たる。

髪が遊んでいるかのように悪戯に頬や首を撫でて来る時もあった。

ヤマトにも当たってただろうなこれ。

当たってるよと言うだけでミオリは髪の結び方を変えると思うけどヤマトは言わなかった。

……ミオリの後ろにヤマトはダメだ。

今日の順を定番にして貰おうと思う。



◇◇


私の手を離れた小石は水面の上を5回跳ねて水に落ちた。


「やったー!私の勝ち!」


「……水切りやたら上手くない?」


ふっふっふ。河原で石投げさせたら私の右に出る者はいないのだよ。

ちなみにヤマトは3回だった。


旅の3日目。

昼の休憩を河原でした私達は水切りで勝負していた。

石投げて水の上を跳ねさせるアレね。

ヴァルドは離れた所で休んでいる。


「これ勝ったら何かいいことある?」


ルッカが石を選びながら言う。


「1番の勝者の言うこと負けた2人が一個聞くでどうかな?」


「じゃあ本気出す」


「私5回だからね」


ルッカは不敵な笑みを浮かべてから石を投げた。


1.2.3.4.5.6.7……あっさりと勝敗が決まった。


「じゃあ2人に命令するよ」


……何でも凄いって狡くない?


『……はい』


「ヤマトは肩叩くまであっち向いて耳塞いでて」


「……?」


不思議そうな顔をしながらヤマトが向こうを向いて耳を手で塞ぐ。


「ミオリは抵抗しないこと」


「……?」


どういうことかと聞こうとした瞬間、腰をがっちりホールドされて勢いよくキスされた。


「!?」


また人前でっ!と思ったけどヤマトはあっち向いてるしヴァルドもこっちを見ていない。


……いいのかな?いやでもヤマト近いしっ!

あんまり深いキスされると変な声が漏れそうになるから!

やましい気分になるから!!


「……んんっ!」


「負けたら言うこと聞くんでしょ?」


「そうだけどっ……」


好きなだけ貪るようなキスをして私の腰を砕けさせるとルッカは満足そうな笑顔になった。

私は足に力が入らなくなってその場にへたり込んだ。


「もういいよ」


ルッカがご機嫌にヤマトの肩を叩く。

そっとこっちを見たヤマトの顔が真っ赤になっている。

絶対これ聞こえてたじゃないか!


「……大丈夫?」


大丈夫じゃない!羞恥で死ねる!


「俺にはちょっと刺激が強いんだけど……」


言わないで下さい!そして変なもの聞かせてごめんなさい!!


「ごめん!お願い忘れてっ……!」


「いやミオリは悪くないから………」


私は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆った。



◇◇


絶対わざとだよなぁ……。


真っ赤になって顔を覆ったミオリにちょっと同情する。

俺にはミオリは自分のだって牽制して、ミオリには自分の欲望ぶつけたよな……俺やっぱりルッカさん怖いわ。

やらかした当の本人は悪びれた様子もなくミオリを支え起こして満足そうにしている。


手で耳塞いでも完璧な防音じゃないから聞こえるし。

そのくらい承知の上でやったよなぁ……。


ちょっとショックだったけど、ミオリの声が頭から離れなくなった。

自分が禁欲中でモヤってるのはわかるけど、だからって巻き込まないで欲しい。


……本気でやめて下さい。


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