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モブ顔女子高生、異世界で何とか生きていく  作者: ソメイヨシコ
三章 新婚、後輩、ドラゴン
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3-6.魔力なしの役目

「ミオリ、ちょっとこれ見て」


ある日の昼、ヤマトがそう言って何やら唱えた。

するとバスケットボールのような水の塊がその両手の中に浮かび上がる。


「俺の属性水なんだって。オリヴァーさんが退院したらもっと本格的に教えてくれるって」


嬉しそうに話しながら水の塊を手元から消す。

体力が回復して回復呪文を受けられるようになり、飛躍的に傷の治りが良くなって退院も目前らしい。

退院したら私の時と同じようにオリヴァーさんの家でお世話になる予定だ。


「ミオリは属性何なんだ?」


「……ズルい」


思わず小さく呟いた。


「なんて?」


私は魔法使えないのにヤマトはもう使えるなんて!

不公平!やっぱり不公平だわ!


「……私、魔法使えないんだ……」


「え、そうなのか?全く?」


驚いた顔のヤマトにこくりと頷く。

吹っ切れたと思ってたのに!やっぱり私も使いたかった!


「魔力がない可哀想な私に自慢するなんて!」


「いや知らなかったし自慢じゃねーよ!」


「ヤマトの馬鹿!もう知らない!」


「……それ◯ブリのネタだな?」


「サ◯キちゃんの台詞だよ」


森のオバケとコマに乗って空飛んだりするアレだよ。


「普通の会話に急にネタ挟むのやめろよ……」


「アニメネタわかってくれる人がいるの嬉しくて」


「俺お前と違ってオタクじゃないからな」


「魔法使えたら選べる仕事増えるだろうし良かったね」


「急に戻すのもやめろよ……」


ごめんねアニメの話出来る人がいるの楽しくて。

でもほんと羨ましいなぁ。

ヤマトは魔法使いになれるんだね。


「魔法と引き換えにイケメン捕まえたと思えばいいんじゃね?」


「そうか!あ、でもそれだとヤマトが可愛い子捕まえた時に納得いかない」


「そこは祝ってくれよ。会話スキル低いから当分無理だし安心して……言ってて悲しくなるわ」




その日の夜はブルーノさんに呼ばれてルッカの実家に行くことになった。


「調査団から報告が入ったんだ」


ここより森の奥に森の人の集落が2つあるのだけど、1番奥の集落から報告が入ったらしい。

魔素が異常に濃くなっている場所があり近寄れないそうだ。

近寄れないので原因は未だ不明だという。


「魔素が濃い場所って行けないんですか?」


「そうだよ。魔力を持つ者はみんな濃過ぎる魔素に体内の魔力を狂わされてしまうから。魔物もおかしくなったりするんだ」


……それってもしや魔力ない奴なら問題ない?


「私が行きます」


「駄目」


思わず右手を軽く上げてしまった。

それをルッカが即座に却下する。


「だって魔力が無い私ならその場所行けるよね?」


話を聞いた瞬間に私の役目だ、と思ってしまった。


「魔素が濃いなら異常な魔物がいる可能性が高いし、俺も他の人も行けない。ミオリだけそんな危険な所に行かせるわけにいかない」


「でも原因がわからないとみんな困るよね?」


最近村に魔物が襲来する頻度が上がっている。それにまた転移現象が起きてしまうかも知れない。


「父さんミオリがこう言うことわかってて話したでしょ」


ルッカがブルーノさんを睨んでいる。


「うん、ごめんね。オリヴァーさんと相談して話すことにした」


「俺が行けない場所にミオリを行かせようとしないで」


ルッカ怒ってるなぁ……でも仕方ないよねこれ?


「オリヴァーさんもブルーノさんも村の人を守る仕事があるんだから仕方ないよ」


「ミオリだってもう村の仲間だよ。そこは誤解しないでね。息子の大事なお嫁さんなんだから」


ブルーノさんが優しい目で言う。


「じゃあ益々行きたいです。みんなが安全に暮らせるように一役買わせて下さい」


「ミオリ!」


「大丈夫だよ。ちょっと行って来るだけだし」


「大丈夫じゃない!この辺の魔物でも怪我するのに」


「ヤバいと思ったらさっさと逃げるようにするから」


ルッカの顔が縋るような表情に変わる。


「……俺が行かないでって言っても行くの?」


うう、狡いなそれは……。


「い、行きたい……かな?」


「だいぶ弱くなったね」


ブルーノさんが困ったように笑う。

その表情ルッカと似てるなぁ。


「でも私が行って何かわかりますかね?」


「魔素を探知する道具があるんだ。それが一番反応した場所に何があったか教えてくれるだけでいいから」


「わかりました」


「行くの前提で話さないでよ……」


「ちょっと行って来るから待っててね。すぐ帰るから」


ルッカは溜め息をついた。


「……途中まで一緒に行くに決まってるでしょ。戻って来るまで森にいるから。危ないと思ったらすぐ引き返すこと」


「承知しました」


「全然俺の言うこと聞いてくれないし……この後帰ったら覚えててね」


「すいません。その辺のお怒りはブルーノさんにぶつけて貰えたら有り難いです」


「ダメ」


私だけが怒られるって理不尽じゃない?


「じゃ半分はブルーノさんで」


「どうしても巻き込もうとするのやめようか」


ブルーノさんが笑っている。

私は怒られるのを出来るだけ回避したいだけですよ。


「帰るよミオリ」


「レックやニナと会ってないしもうちょっといようよ」


「帰るよ」


「はい……」


目が笑ってないから怖い……。



帰るとお仕置き的な夫婦の営みが待っていた。

怒っているので手加減なしだった。

ぐったりしました。以上です。



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