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別視点 ルッカ3


静かな寝息をたてて眠り始めたミオリに安心する。

昨夜は苦しそうであまり眠れていないようだったから、眠れるだけマシになっているんだろう。

念の為に呼んだ医者は身体に赤い発疹が出ていて子供がかかる病気だと言っていた。

稀に大人もかかることがあり、大人の方が症状が重くなるらしい。

数日で回復するから安静に、と言って帰って行った。


ミオリが熱を出すのはこの夏だけで2度目だ。

一度かかると2、3日は熱が下がらない。

旅で疲れているのかも知れないけど頻度が少し気になる。


まだ2度目だからわからないけどミオリが育ったのは異世界だから、もしかするとこの世界の病気に弱いのかも知れない。

だとしたら旅を続けるのは危険だと思う。

抵抗力の弱い小さな子供があちこちの病気にかかりに行くようなものじゃないか。


森に帰ろうと言いたくなるけどまだ仮説の段階だし、楽しそうにしているのを見ると気が引ける。

今やめさせると不満が残るだろうし、下手すると1人で行ってしまうかも知れない。


そもそも最初に旅に行くと言い出した時はお別れのような決意をして言われたのだ。

思い出すと少し腹が立つ。

普段は態度や言葉で好きだと伝えて来るのにいざという時は頼らないし執着もしないらしい。


捕まえていると思っていたらそうでもなかったのを思い知らされたみたいで歯痒さにイライラした。

だからちょっと締めてしまった。


もっと溺れて欲しいし執着されたいと思うのは恋心としてはちょっと重いと自分でも理解しているけど。

重さを感じさせないように今は色々と我慢して土台を作っている途中だ。


ミオリは自己評価が低いし鈍いところがある。

綺麗な黒髪にも優しそうな笑顔にも魅力があるのに全然わかっていない。

宿やギルドで何度かミオリに好意のある視線を送る男と遭遇したことがあるけど本人は全く気付いていなかった。

だから平気で夜中の食堂に1人で行こうとしたりする。

そういう対象として見られる筈がないと思い込んでいるようだ。

危ないから自覚して欲しいと思う気持ちとそんなもの気付かなくていいと思う気持ちで複雑だ。

村に来ていた赤毛だって少しミオリに好意があったのにそれも知らないままだ。

知らなくていいけど。


頭の悪い奴に忘れそうな顔と言われてミオリは少し凹んでいたけどそういう奴には忘れて貰って大いに結構だと思っている。

派手な薔薇が好きな奴に野花の可愛さはわからないだろうから。



俺のだから覚えられても困るし。



窓の外はまだ雨が降り続いている。

早く良くなりますようにとミオリの額にそっとキスをした。




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