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2-8.いちゃこら話その2


……どうしよう。


私は今、ルッカの部屋の前で固まっている。


寝る前に部屋に来てって言われたからお風呂や着替えを済ませて後は本当に寝るだけになってから来たのだけど……。


これって、いちゃいちゃしに来ましたよってことだよね!?

まだノックもしてないのに既に顔から火が出そう!

ほんとに来たんだって思われても憤死ものじゃないか!

ノックするべきか、忘れてたことにして部屋に戻るか!?


……という気分でさっきから動けないでいる。


すぅっと息を吸って吐く。

よし、叩くぞ。


「いつまでそこにいるの。入って」


ようやく決意して扉を叩こうと思った時、ルッカが扉を開けた。

来てたのバレてたんだね……。


「足音で来たなって思ってたらなかなかノックしないし。ドアの前で何してたの?」


……1人で恥ずかしがっておりました。


「ちょっと心の準備を……」


言いながら自分の顔がどんどん赤くなるのがわかる。

私に釣られてかルッカも顔が少し赤くなる。

緊張してるのが私だけじゃなくて良かった。


「はい、おいで」


ベッドに腰掛けて隣をぽんとルッカが叩く。

前もだったけど、座る場所がベッドってのがまた照れるんだよね。

なかなか座らない私に困ったように笑う。


「優しくするから」


その言い方はどうかと思うよ!誤解を招くわ!


でもルッカはいつも優しいよね。


「……たまには優しくなくてもいいよ」


私が小さく言うとルッカの顔がぶわりと赤くなった。

あれ?なんか言い方間違えたかな?


「暴走しそうになるからやめて」


ルッカが座ったまま両手を開いたのでその中に入る。

首に手を回してくっつくと抱き締められて心臓がまた早くなった。


お互いの体温を感じていると頭がふわふわするような幸福感が押し寄せる。

お酒は飲んだことないけど酔うとこんな感じかな。

恥ずかしいし緊張してるけど、離れがたくて心地良くて。

普段あんまり言えないけど今は雰囲気で言えそうだ。


「好きだよ」


私がそっと言うと抱き締める力が強くなった。

………締め上げるのはやめてね。


「俺も好きだよ」


その言葉でまた胸がぎゅっとなる。


私、今死んでもいいかも。

いや生きたいけど。

そのくらい幸せだな。



私がルッカを好きになる理由っていっぱいあるよね。

まずかっこいい。存在が尊い。

淡い金髪に青紫の目。造形が美の女神に愛されてると思う。

楽しい時も落ち込んでる時もいつも一緒にいてくれる。

優しいけど強いし男らしいところもあって、私を女の子扱いしてくれる。

これで好きにならない方がおかしいわ。



……逆にルッカは私のどこが好きなんだろう?



自分で言うのは悲しいけど私にはパッとしたところが無い。

特別悪いと思ったこともないけど、見た目も中身もザ・平均点という感じが私だと思う。

……頭に関してはちょっと残念な方かも知れない。


「ルッカは……」


言いかけて口を閉じた。

私のどこが好きなの?とかウザくないかな!?

危なっ!いらんこと言うとこだった。


「どうしたの?」


「ううん、何でもない」


「ミオリが何でもないって言う時は大抵なんか隠してる時でしょ。言って」


体を少し離してルッカが私を見る。


「言って」


うう……隠し事も出来ないポンコツな自分がイヤだ。


「ルッカは……」


「うん」


「私のどこが好きなのかと思って……」


意外なことを言われたかのように驚いた顔をする。

うわぁ恥ずかしい……。


「俺は可愛いと思ってるよ」


そう言ってルッカは微笑む。


「黒い髪も目も綺麗だと思うし」


そうかなぁ……。


「考えてることがわかりやすくて面白いし」


……うん。


「凹凸が浅い顔も可愛いと思うし」


……うん?


「俺のこと凄い好きなのも伝わって来るし」


「うう、なんか恥ずかしくなって来た……もういいよ」


「そういうの含めて全部好きだよ」


そう言って優しく頬に触れる。

途中なんだか微妙なのが混ざってた気はするけど、私はちゃんと好かれているらしい。


「わかった?」


「うん」


嬉しさから笑みがこぼれる。

笑い合ってそのまま2人でベッドに寝転んだ。


……


……


……自分の部屋に帰るタイミングっていつ?


いつまでも抱き合っていられそうだけど、このままだとまた寝ちゃって朝までコースになりそうだよね。


「どうしたの?」


「そろそろ自分の部屋に戻ろうかなって……」


「……早くない?まだ駄目」


私を抱え込んだまま一向に離す気配がない。


「だってまた寝てしまいそうで」


「寝たらいいよ」


「それはちょっと……」


「それで2人部屋にしないこと後悔したらいいよ」


「これは罠!?」


そんなやり取りをしながら、甘い夜が更けていった。



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