2-3.いちゃこら話
夜になった。
……お腹空いて来たな。
いやご飯はしっかり食べたんだけどね。
何かこう、スナック菓子的なサクサクした物が食べたい。
それかアイスでもいい。
ギルドに行く前に寝てしまったせいで私は寝付けなくなっていた。
たぶんまだ深夜というほどの時間では無さそうなので食堂に行って甘い物でも飲もうかな。
隣の部屋のルッカを起こさないように出来るだけ静かに扉を開けて部屋を出た。
足音を立てないようにそっと歩く。
ジュースかココアどっちにしよう。
ポテトとか食べちゃおうかなー。
「ミオリ」
後ろから声が掛かってびくりと肩が跳ねる。
振り返るとルッカが部屋の扉を開けて立っていた。
「起きてたんだ」
「どこ行くの」
「寝付けないから食堂で何か飲んで来ようかと思って……」
何だろう。悪いことはしてないはずなのに、つまみ食いしようとしたのがバレたような気分だ。
「寝付けないなら話そう。おいで」
ルッカの部屋に入るの?
それはちょっと節度的にどうかなぁ。
「いいから入って」
有無を言わさないルッカの雰囲気に食堂には行けなくなったことを悟る。強制ダイエットか。
「明日の話ならもうご飯の時にしたと思うけど」
仕方なく寄って行くと手を掴んで中に招き入れられた。
「座って」
ルッカは扉の鍵を閉めるとベッドに私を座らせてその横にぴったりくっついて座る。
……これは何かマズい気がする!
やましい気持ちになるからやめてくれるかな!
部屋は小さなランプが一つあるだけなので薄暗い。
くっつかれると心臓に悪い。
「人前で触られるの嫌がるくせに部屋まで別にするから……俺いつミオリに触ったらいいの」
拗ねたようにそう言うと肩に、髪に、頬にと触れられて心臓が痛い。
「いろいろ我慢してるから触るくらいは許して」
熱い視線で私を見つめた後、抱き寄せて背中や腰にも触れる。
耳元に吐息を感じてぶわっと身体中が熱くなった。
うぎゃーーーっ!!
心臓が保たない!無理だっ!
それは18禁よ!まだルッカには早いわ!!
「……ミオリ?」
フリーズしたまま動かない私を覗き込む。
「うう……心臓が壊れそう……」
胸を抑えて何とかそれだけ伝えるとルッカが嬉しそうに微笑んだ。
私を抱えたままベッドに転がる。
「こんな風に過ごせるなら旅も悪くないね」
……私は召されそうですよ。
「やっぱり次から2人部屋にしようよ」
「それはちょっとどうかと」
やましさで私が毎日寝不足になるわ。
ギブミー安眠。
「……じゃ寝る前に俺の部屋来て」
「それは……」
「それが無理なら人前でも触る」
「……わかりました」
どんな脅し方なの。
寝転んだまま目が合うと可笑しくなって2人で笑い合う。
楽しくて幸せだな。
時々ならこんな風に一緒にごろごろするのも良いかも知れない。
いろんな話をしているうちに夜が更けて、いつの間にか2人で眠ってしまっていた。
……わざわざ部屋別にした意味!




