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2-2.冒険者ギルド

冒険者ギルドは大通りから外れた少し見つけにくい場所にあった。

良く言うと風情があり、悪く言うとちょっと古びたレンガ造りの二階建ての建物だ。


入ったらごろつき風な奴に「見ない顔だな」って絡まれたりするのかな……しなかったね。


受付と大きな掲示板、テーブルと椅子のセットが4つ。その2つが今は武装した男性で埋まっており仕事の話し合いをしている。

受付の眼鏡を掛けた女性も人族で思ったよりファンタジー感の薄い普通の場所だ。



受付で新規登録を申し込み、登録料を払い簡単な書類に記入した。

ギルドの裏手で少し剣の講座を受けた後、冒険者の心得の説明を聞いた。

ルッカは魔法を見せてと言われて地面から氷柱が生える魔法を披露した。


「では剣士と魔法使いで登録します。お二人はパーティーでよろしいですか?」


「はい」


登録作業は淡々と進む。

特筆するような出来事が何もない。


「では最初は皆様Fランクからのスタートです。今後のご活躍を期待しております」


冒険者カードを受け取った。


……うん、思ってたのと違う。


なんかこう、もっとイベントっぽいドキドキ感が欲しかった。

市役所で住民票取って来たみたいな、ただの事務処理だった。


「どうだった?憧れのギルド」


「……普通過ぎて感想が出て来ないよ」


こんなもんなのね。なんか寂しい。


「どんな依頼があるかだけ見てく?」


「そうだね」


流石にまだ文章は読めないのでルッカが説明してくれる。


「これが荷物運び、こっちは薬草採取。護衛とか魔物討伐もあるけどFランクで受けられるのは簡単で報酬も低めだね」


今はまだ貯金で余裕があるけれどそのうち路銀を稼ぐ必要が出て来るだろう。


「早めにランクアップ出来ないかな?」


「何か方法ないか聞いてみようか」


再び受付まで行って声を掛ける。


「すいません、早くランクアップしたい場合は何か方法はありますか?」


「昇級試験を受けて貰う必要があります。普段は月の初めに無料で行われていますが、銀貨1枚でいつでも受けられます」


「昇級試験って具体的には何するんですか?」


「ランクに合わせた幻獣と戦って頂きます」


そこまで聞いて、どうする?とルッカに視線をやると自信あり気な笑みが返ってくる。


やるよね!

イベントっぽくなって嬉しい。

私が求めてたのはこういうやつだ。



さっきも行ったギルドの裏手で試験は始まった。


「ではまずEランクの魔物から」


女性が呪文を唱えると、私の5メートル程先に獣が現れる。


黒い猪だった。


……何だろう。可愛い。


車みたいな熊とか、馬みたいな鹿とか、大型バイクみたいな狼とか見て来た後だと普通サイズの猪が可愛い。

だって世話してた羊より小さい。

可愛くて切るの躊躇うけど幻獣ってことは本物じゃないよね。


「では始めっ!」


突撃を躱して切った。


「次お願いします」


「銀貨1枚加算されますが」


……そっちが厳しいな。

でも行けるところまで行っておこう。



結果として私はDランク、ルッカはBランクになった。

合計銀貨7枚取られた。

落ちても受かっても取られる料金形態がシビア。

ルッカでBならAの人ってもう化け物みたいな強さなんだろうな。

……グレゴさんならいけそうな気がする。



「ごめんCまで行きたかったんだけど」


私のせいで2人一緒だとDまでの依頼しか受けられない。

やっぱり魔力石がないと私はあまり強くない。

試験は剣のみ使用可とのことだったので得意の投石なしで戦った。赤目熊の攻撃がかすって負けとみなされてしまった。

幻獣だから怪我はしてないけど。


Cランクの適正で赤目熊が出て来た時は帰ったらやっぱりグレゴさんを訴えたいなと思った。


「別に気にしなくていいよ。路銀稼ぐ為なんだから、そんな難しい依頼受ける必要ないし」


「でもちょっと悔しかったなー」


負けて無駄になったお金が特に。

唸る私の背中をルッカがぽんぽんと叩く。


「機嫌直してご飯行こう」


そう言って笑顔を向けられるだけで嬉しくなるのだから私の頭は単純だった。






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