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君はいつも優しいのにどうして少しだけ怖いと思ってしまうの?

 「綾子様の髪はとても美しいですね。」


  鏡越しに見た彼の顔は、どこか悲しげで切なそうだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 恋なんておとぎ話の中だけのものだと思っていた。


 私は音楽学校でヴァイオリンを学んでいた。 

 私の家は華族で幼いころからクラシック音楽に触れる機会が多かった。その影響か次第に音楽に熱中するようになり、渋る両親を説得しなんとか音楽学校に通わせてもらっている。


 オーケストラの授業に出たり、大好きな音楽の勉強をして楽しく日々を過ごしていたが、目つきが少し悪いせいか、友達は一人もいないと言ってもよかった。

 これが私、二階堂綾子だ。

 

 ところが、私は学校に向かうのがそれほど嫌ではなかった。婚約者の医師の伊集院湊様いじゅういんみなとと放課後待ち合わせをしていたからだ。

 湊様は私の理想の男性そのものだった。

 伊集院家は町で一番大きなお屋敷に住んでおり、代々町の病院や学校を建て運営するなど地域の発展に貢献しており、町中の人々から尊敬されていた。その伊集院家の跡取りである湊様は、幼いころからなぜかよく一緒に遊んでくれた。たまに花やや髪飾りなどを贈ってくれたりして、優しい頼りになるお兄ちゃんと思っていた。

 それが、私が音楽学校にに入るとすぐに両親から、湊様から婚約の申し込みがあった事を告げられ、両親からの強い勧めもあり、特に断る理由もないと思いすぐに同意した。


 伊集院様は私に「綾子は私の理想の女性そのものだよ」とよく言ってくれた。

 

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