03.異世界転生?
ピピピピピィー
はっ!
どのくらい、呆然としていたか。小鳥?のかわいいさえずりでまた我に返った。
夢よ、冷めてくれ。私はスーパーに行くんだ。と思いながら、頬にあたる風の感触が、大地を踏みしめる足の裏の感触が、これは夢ではないと訴えかけている。
これは、あれではないか?
この1週間、私のごろごろに拍車をかけた悪の代物。
ネット小説の王道…異世界転生ではないか?そういうことにしよう。
次の展開は、なんだ?
騎士に扮した王子様が現れるか、はたまた師匠となる魔法使いが現れるか。赤ちゃんドラゴンを助けるという選択肢もある。
さあ、来い!
…
……
………
何も来なかった。
そりゃ、もしかしたら異世界転生かも?なんて、ちょっとかなりどきどきしたけれど、現実はそう上手くいかないよね。
これが夢ではないとしたら、日本の最先端技術は実はここまで来ていた!感触や匂いまで表現できる最新のVRゲーム誕生!という案はどうだろう?
暇を持て余した私は旅行には行かなかったんだから、とこの最新VRゲームを購入。さっそく家でプレイしているんだ。
とすると、これは何のゲームだ?私が好きなのは、クラフト系のRPGだ。冒険で素材を集めてアイテムを作成する。
それなら姿が違うことも納得できる。最初はポーションかな。さっそく薬草を探しに…
ガサガサッ
「王子か!?」
キュキュ
…
うさぎか。