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Railroad Tutor  作者: 悠蓉
新米専務車掌編
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代行輸送

 大勢のお客さんはみんなそれぞれの目的地に移動していった。大きなトラブルもなくてひとまず良かった。そうすると今度はこれからのことが気になってくる。まだ火星駅で発生したトラブルが解決していないようであり、これからの列車、特に自分が乗務すべき列車、がどうなるかが一番の関心事である。


「先輩、これからどうするんでしょう?」

「とりあえずこの列車を車両基地まで連れて行くんじゃないかな」

 そう先輩は言ってユメの方を振り向く。

「私も、通れないのが火星駅だけなら、通過して一気に地球まで回送すると思います。アヤさんはどう思います?」

「私も同意見です。ただ、一気に全部の列車を入れることはできないので少しずつ入れていくことになるでしょうね」


 三人の予測の通り、その後地球まで回送となりようやく乗務が終わった。火星駅では設備の損傷がひどくて運転再開までしばらくかかるとのことになって、折り返し列車が運休となりそのまま地球に泊まることとなった。

 火星駅では運行に関わる機器がいくつも壊れてしまったらしい。ただ、幸いなことに火星駅を通過すればとりあえず運行はできるので次第に臨時列車として運転が再開されていった。乗務員のやりくりにいろいろあったようだが、自分たちはとりあえず翌朝のツクヨミ行きの臨時急行乗ることになった。


 そして、その臨時急行列車は火星駅からの代行輸送に接続する列車となった。地球をから月まで回送列車として走り、月とタイタンで代行輸送の宇宙船からお客さんを乗せ換えての発車と通告があった。



「お客さんが多すぎないか?」

「みんな乗り切れないんじゃないですか」

「私もこれは無理だと思いますよ」

「びっくりするほど混雑してますね……」


 そして月でもタイタンでもお客さんが多い。火星駅からの振り替えは月かタイタンからなのだがなぜかお客さんが大量で車掌も座敷わらしも異口同音にお客さんが多すぎると言うだけである。

 たった一日止まってしまっただけでたくさんのお客さんに影響があるのだということがよくわかる。車内も大混雑でずっと立ちっぱなしのお客さんもいそうだ。



 

「ご乗車ありがとうございました。臨時急行は間もなく終点ツクヨミに到着いたします。本日は列車が混雑いたしましてが大変ご迷惑をおかけしました。現在臨時ダイヤでの運行をしているため、お乗り換えにつきましては駅での放送をお聞きください。間もなく終点ツクヨミです」


 駅について足早に降りていくお客さんたち。皆疲れ切った顔をしている。

 本当ならもっと早くに行く、あるいは帰ることができたはずだったのにこうして一日遅れた上にひどく混雑して列車になってしまった。大事な用事や楽しい旅行が台無しになってしまったのではないだろうか。せめてこの後くらいは無事に目的地につくよう祈って見送った。

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