王道のラブコメ主人公の親友が主人公の邪道ラブコメ

#5 複雑な理由

レン目線

『何で電話に出ないんだよカネマル〜』

まだ22時だぞ寝てんのか！

普段なら深夜まだ起きてるアイツが何でこんな時に限って出ないんだよ。

時間がさかのぼり今日の放課後。

『じゃあ帰る、くれぐれもシミズさん変な事すんなよ』

何故か今日はすぐに帰ろうとするカネマル。

『変な事ってなんだよ！何で逃げんだよ！』

何で逃げる様に帰るんだよ！

今日はおかしい朝起きたら知らない女の子が裸で脱衣場にいるは。

幼馴染に見られるはそして放課後その幼馴染は下ネタ言ったり何か変だわ。

カネマルは何故か逃げるわ。

小野沢(ユイちゃん)とは話せないわ。

何だって俺ばっかり。

『俺も帰るか』

普段なら俺とカネマルは放課後残り他の男連中と最終下校まで話したりふざけたりしている。

『ではそうしましょうか』

当たり前の様にシミズさんとやらは隣で言ってきた。

そして帰り道何も話さず気まずいまま過ぎ家につく。

気まずい登校の時は一緒ですらないのに、今日初めて話した子と一緒帰るとか何？

正直俺は女慣れしてない普段一緒にいるタマだって幼馴染だからにすぎないし女ってよりは親しい男友達の1人だ。

何で今日は一緒に帰ってくれないんだよタマ！

こういう居て欲しい時に限って居ないんだよ。

俺がカネマルみたいに女慣れしてたらシミズとも話せただろうに。

オノザワとも話せるんだけどな。

俺はシミズと何も話せずにずっと考え込んでいた。

早く姉ちゃん帰って来ないかな？

タマでも呼んで来ようかな？いや今日のアイツは変だったからやめておこう。うん。

で、どうしよう流石に俺一人部屋に行っても可哀想だしかといって気まずいし。

あれ？そういえばアイツは？

当たりを見渡してもシミズの姿は無い。

家の中で迷子？

すると廊下の方からシミズの姿が。

『何してたの？』放課後になってから俺が話しかけた第一声がこれ？

『手洗いうがいを』無表情のまま答える。

偉い小学生みたいだと思ったが俺もすることに。

俺が手洗いうがいをして来て戻ってくるとシミズはテレビをつけソファーに座ってる。

居なくなった俺も悪いけど勝手にテレビをつけるものか？一言位い何かあってもいんじゃないんですか？

『すみませんアイさんの方から『自分の家の様にくつろいで良い』と言われたので勝手にテレビを』

まぁ確かにずっと人の家として居られても困るし。

てか何でそもそもウチに住むの？それを聞いてなかった

『何でウチに住むの？帰ったら教えてくれるって』

『アイさんが説明してくださる様です』彼女はコチラを1度も見ずにそう呟いた。

少しは俺と会話を仕様としてくれ気まずくてしょうが無い。

時間は少し早いが俺は晩飯を作ることにした。

普段は料理何て好きじゃないが今日は気まずいのが嫌で自分から進んで料理をする。

普段は弁当を買ったりタマに頼んだり食べに行ったりするがタマは今日変だし、客は居るしで作るしかない。

『どうせなら時間をかけカレーでも作るかな』

カレーなら嫌いな人は少なく気まずくてもずっと煮込んでいられる。

俺は冷蔵庫を見ると材料が揃ってる。

足りない分は買ってこようかと思ったがちょうどあるラッキーだ。

流石に知らない人を1人家にいさせたくなかったので買いに行くなら一緒かタマを呼ぶ所だった。

すると姉ちゃんからLINEが来て19には帰ると来た。

後2時間か〜

『今帰ったぞー』姉ちゃんが帰ってきた。

やっとだ俺はとっくに煮終わっていたがカレーの前にずっと立っていた。

これでカレーとのにらめっことも終わりだ。

『おかえり姉ちゃん今カレーが出来たとこだよ』

そうにらめっこをして完成だ。

『まぁ〜感謝しろよカレーの材料昨日の内に買っといてやったんだから』

もしかして全部計算して。

ありがとう。ん？だったら前もってシミズの事言っといて欲しかったと思ったが言わないでおく。

『シズカただいま』

『おかえりなさい』

何が『おかえりなさい』だずっとテレビばっか見やがって風呂入れたりしろ！……俺が何も言わないのが行けないんだけど。

俺は風呂を入れに行ったり。

『『『いただき』』』

『レンの料理は正直上手くないけどカレーは誰が作ってもそんな変わんないからじゃんじゃん食えよ』

もっと他に言い方ないのか！

『確かに辛口にして味を誤魔化してますが気になりません』

何コイツむかつく。

『2人共黙って食えないのかよ。んっ！』

辛い辛すぎた。

確かに水分が多すぎたから辛口を増やして誤魔化したけど。

『確かに辛いお前満足にカレーも作れないのか？どうするんだシズカが辛いの苦手だったら』

『辛いのはいけますので平気です』

『ほらみろ知ってたから辛くしたんだよ』

良かった辛いの平気で良かった。

『まぁシズカが辛いの好きって知ってたけどな』

コイツどこまで計算してるんだ数学教師！

そして皆食べ終わった

『そろそろ話して良いか？それとも話さなくても良いか？』

『いや話せよ！』

姉ちゃんはいつもやる気が無い。

流石にこういう事は話してもらわなきゃ困る。

『昨日からシズカはこの家に住むことになったから』

『何で!?そこを話せよ！馬鹿なの？』

『シズカの親が海外に転勤になったからウチで引き取る事に生活費はもらってるから心配するな』

それは仕方ないかもしれないけど。

『何でウチなんだよ！誰だよコイツ』

『シズカ風呂入っりな』姉ちゃんは俺を無視しながらシミズに話しかける。

『おい！聞けって！』

『黙ってお前は洗い物してろ私はテレビが見たいんだシズカ、チャンネルかせ』

姉ちゃんの目は怖い、元ヤンてのもあるが何か怒っている？

『『はい』』俺とシミズはおびえながら姉ちゃんに与えられた指示にしたがう。

『レンちょっとそこ座んな』

シミズが居なくなってから姉ちゃんが少し小声で話してかせてきた。

俺は食器を洗うのを一旦やめ言われた通り椅子に座る。

『ウチと同じだ』

姉ちゃんはいつもとは違く真剣な話だと目で言ってきた。

『シズカの親はもう居ないんだ』

俺達の親は5年前に他界した。

『けど何でウチなんだよ』

ウチと同じということは多分親戚も居ないんだと思う。

けど親が死んだんならさっきの生活費ってのも嘘になるウチにそんな金は無い。

『どうやらおじいちゃんの隠し子の子供らしくてな唯一の親戚がウチなんだよ』

何それ？

『シズカは私達よりも複雑なんだよ』

姉ちゃんはなるべく聞かないでくれオーラを出す。

が関係ない。

『けどウチに金がある訳じゃないし、高校だって私立だぜ』

シミズには悪いがウチも精一杯なんだ。

あれ？何で私立に入れてんの？金は？

俺は自分で言っておきながら混乱してきた。

『ウチも複雑なんだよ』

それ以上聞くなオーラがすごい。

『何で？』

姉ちゃんは俺が混乱してきた事に気付いたのか諦めたかの様に話し始めた。

『ウチはウチで複雑だからウチなんだよ』

ウチウチ言い過ぎてなのかよく分からない。

姉ちゃんも混乱してきたのか？

『本当はまだ言いたくは無かったがな』

『『ゴクリ』』俺と姉ちゃんは唾を飲む。

『お前に許嫁がいるからなんだよ』

許嫁？

『いやいやいや昔じゃあるまいし理由にもなって無いし』

『私があの学校で就職出来てるのもお前とシズカがあの学校に通えてるのも』

『だから意味が分からない』

『理事長の娘とお前が許嫁なんだよ！だからコネで3人仲良く入れたんだよ』

ウチの理事長の娘？理事長の苗字何だっけ？私立箱庭学園ていう名前の高校だから箱庭さん？

その娘さん年いくつよ？いやいや違う。

『俺許嫁何か勝手に決めんなよ結婚なんかしねーからな！』

『お前学校に何一つ知られるなよ！私の就職先が無くなるしお前ら退学になるぞ』

『いやいやそんな無理でしょ』

『無理なもんか私はコネ入社お前らは学費払わずに通ってるんだ』

そんな。

そして今。

カネマルなんで出てくれない親友。

理事長の娘お前なら分かるだろ！