2つ目の独白 -正義に赤ペンを-
今回は、ずっと考えてきた「正義」について。自分の口調で書くと少し恥ずかしいから、変わりに「僕」に書いてもらった。
今日は正義について書こう。僕は正義の味方が嫌いだ。
世の中には正義の味方っていうものがある。正義の味方って強くてカッコよくて皆の憧れだ。じゃあ、結局正義ってなんだろう。
仮に「正義」を「人助け」「全てを救う」だと仮定する。そして正義の味方にインタビューするんだ。
「もし、自分の目の前で2つの交通事故が同時に起こりそうなとき貴方はどちらを助けますか。」
もちろんどちらもある程度離れていて、どちらかを助ければもう片方は助からないって場合だよ。
これで片方を助けたら、その人に対しては正義を貫いたかもしれない。カッコいいと思われたかもしれない。でも、助からなかった人から見れば「正義」なんてちっぽけで形だけの物に映るだろう。それに、この場合は人助けをした事にはなるが、全てを救えた訳ではない。
ということは「正義」=「人助け」ではない。
ならば、「正義」を「悪の根絶」だとする。ならば問おう。
「例えば貴方が全ての悪を根絶できたとして、その世界は幸せに満ちていると思いますか。」
悪とは、人間の二面性を表す上で必ず必要なものであり、悪がなければ嫉妬や怒りなどの感情は生まれない。つまり、悪を根絶するとは、人間らしさを奪う行為に他ならない。喧嘩をするだけで悪とされ、対抗心を燃やす事も許されない。こんな世界に人間は生きてゆけない。
ゆえに正義とは、不完全な人間が作り出した不完全な幻想である。幼いころは、まだその不完全さに気づけない。僕は正義の味方になろうとする人を見て願う。
「その不完全さにどうか取り込まれませんように。」
今回はちゃんと中身のある日記が書けたと思います。
僕の思いを受け取ってくれた方に感謝。