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4.出逢い

 こんにちは、葵枝燕です。こちらでは、梅雨らしくない、ジメジメとした暑い日が続いております。

 さて、連載『(から)梅雨(つゆ)()く』、第四話です!

 前話に引き続き、更新が遅くなってしまいました。お待たせしましたです。

 さて、主人公のフミちゃん、まだフルネームが出ません! ほんと、出す機会がないのですよ……。

 今回の最後の方に、新キャラが出ます! この子を早く出したかったので、やっとお披露目できました!

 それでは、どうぞご覧ください!

 (はい)()作業をしつつ、伯母に言いつけられる仕事もしていきながら、午前の三時間はあっという間に過ぎた。こういうと、排架する本が多かったように聞こえるが、実際は伯母に言いつけられる仕事の方がはるかに多かった。

 市立図書室に来る人は普段から少なかったし、加えて今日は平日だし、朝から本を読んだり借りたり返したりする人はほとんどいなかったのだ。おかげで誰に気兼ねすることもなく本棚――伯母は“(しょ)()”と呼んでいたが――の配置を知るために、図書室内を見て回ることができた。それでも、人のほとんどいない図書室は見ていて少し寂しいというか悲しいというか、そんな気持ちになってしまう。


 昼休みを公民館の一階ロビーにある休憩スペース――長ベンチが二台と、直径一メートルくらいの円卓が一台あるだけの、小さな空間だ――で過ごして、二階の図書室に戻った。一歩踏み入る前に、カウンターにいる伯母と目が合う。

「おかえり、フミちゃん。少しは午前中の疲れも取れたかしら?」

 人がいないのをいいことに、伯母はあまり声量を落とさずに言った。元々の声が大きいから、多少抑えたところでそこまで差がないのだ。

「ただいまっす」

 もう少し声のヴォリュームを落とせ――とは言えなかった。言ったところで、伯母は華麗に(かわ)してみせるだろうし、改善されるとも思えなかったからだ。まあ、この元気でお節介な伯母が利用者からも親しまれていることは午前中だけでも感じ取れたので、大人しくなられると伯母らしくないかもしれない。

「あんまり排架する本もないけど、行ってきてくれる? 特別頼みたい仕事は、今ないから」

「了解」

 短く答えて、返却処理をされた本を五冊抱える。小説や詩などの文学を扱う九類が二冊と、絵本が三冊。午後の初仕事は、それらを元の場所に戻すことだ。

 ふと、図書室内の奥に目がいく。大きな窓に面したそこは、この図書室で一番日当たりのいい場所だ。人にとってはどうだか知らないが、本にとってはあまりいい空間ともいえないそこに、一人の少女が座っていた。

 少女が身に着けているのは、白を基調とした赤いスカーフのセーラー服だ。それは(かさ)(もと)市で唯一の中高一貫校である(はな)()()(がく)(えん)の高等部の制服だった。

 室内で一際明るいその場所に、漆黒の髪の少女が座って本を読んでいるその光景は、まるで一枚の美しい絵画のように、俺の目に飛び込んできた。


 これが、俺と()(むら)(きらり)の出逢いだった。

 第四話のご高覧ありがとうございました!

 下書き段階では「紫陽花のような」だったサブタイトルが、どうやらしっくりこなかったようで、今のサブタイトルに落ち着きました。

 さて、行間についての意見には応えられませんが、感想などいただけると嬉しいです! 気になる点は、何とぞお手柔らかにお願いいたします。

 それでは、第五話で! 早く掲載できるように、がんばります! そしてできれば、週に二話くらい更新したいと思います。

 葵枝燕でした。

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