Dazzling Light
初投稿です。作者のメンタルは豆腐なのであまり厳しい批判はおやめください。
応援、アドバイスはガンガン受け付けております。
通い始めてかれこれ数か月になる彼女の家のインターホンを鳴らし、玄関から家の中へと足を踏み入れた。
「あ、おはよう」
彼女は危なっかしい足取りで僕の元へと歩いてくる。
「あわわ」
案の上彼女は躓き、僕は何とか抱き留めることに成功した。
「ご、ごめんね?……お母さん、いってきます」
彼女の母はニヤニヤと笑みを浮かべ、僕たちを見送った。
「じゃあ、行こうか」
彼女に肯定の意を伝えるため一度、強く手を握ると彼女はふわりと笑い、僕の隣を歩きだす。
玄関を出ると、先程慣れたはずの光が眩しく見えた。
僕にとっては当たり前で、そしてやはりあなたたちにとっても当たり前のことなのだろう。
――――――突然だが、彼女と初めて言葉を交わしたのは夕焼けの教室でのことだった。
僕が転校して来た日の放課後、僕が職員室から教室に戻ると、一人の女子生徒が僕の窓際の席で外を眺めていた。いかにも明日は快晴という美しい夕焼けで、なるほど、一人黄昏たくなるのも頷ける。
しかし僕の席だ。どいてもらうため当たり障りのない会話から始めようと声をかけた。
「き、綺麗な夕焼けだね」
「……そうなの?」
僕は、絶句した。
「ねえ」
彼女はどうやら目が見えないらしい。
そんな彼女を放ってはおけず家まで送ると、彼女は僕にそう声をかけた。
「なに?」
「ありがとう」
彼女の眩しい笑顔に、僕は一目で恋に落ちた。
「うわっと」
車道に飛び出しかけた彼女を僕は慌てて歩道に押し込む。
「うわわ」
押し戻された彼女は僕とそっくりの台詞を発した。
「はは」
「えへへ」
二人声を合わせて笑う。
手を繋ぎ、額を合わせる。
きっと彼女にもみえている。
だって、こんなにも、眩しい、光――。