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神崎さんの正体は、、、?

『まあ、ここで話すのは危険だから場所を変えよう。』


あたしはニコールに連れられて裏口を出た。

頭が真っ白だ。は?あたしのお母さんが魔女?じゃあ、あたしは半人間?は?は?は?



次の瞬間あたしの意識が戻った。


『あっ‼‼みんなは⁈無事⁈大丈夫⁈』


『大丈夫よ。あいつらはコテンパンにしたし、騒ぎも収まった。』


いわれてみると銃の音が止まってた。


『じゃあ、神崎さんのお店に行こうよ!そこなら、誰にも聞かれないし神崎さんにいろいろ言わなきゃ!』


『神崎さん?』


タケシが不思議そうに言う。


『うん、あたしを拾ってくれた人。すごくいい人なんだ!』


私は普通に言ったんだけど、三人の顔がさっきのあたしの頭の中のように真っ白になった。

『、、、その人と付き合い長いの?』


ニコールが言った。


『うん、結構長いよ。なんで?』


『あとで話すよ。でも、その神崎っていう人のところには行けない。』


ダニーは言った。

なんでと聞きたかったけど、多分今は教えてもらえないなと直感で思った。


気まずい空気が流れた。


『今どこに向かってるの?』


『魔法生物の居住地の入り口にあるカフェよ。』


はい。会話終了。



あたしは、お母さんのことを考えた。お母さん、今どこにいるのかな?あたしの事覚えてくれているかな。もしもあたしに会えたなら、喜んでくれるかな。



神崎さんにあたしの家族のことを聞いたとき、わからないと言われた。もしかしたら家族はもう死んでしまったかもれない。でも、どこかで私の帰りを待っているかもしれない。そんな思いを抱きながら毎日を過ごして来た。


どうか家族のこと何か分かりますように、、、

『着いたよ』


全員止まった。そういえば、神崎さんのことどうしたんだろう、、、?


『ねえ、ニコール。カフェなんかで話したら逆に他の人に聞かれない?』


『ふふふ、、、大丈夫よ~』


あたしたちはチリンチリンとベルを鳴らして入った。


『まあ、随分遅かったわね。』


中は随分明るかった。だからみんなの顔が分かった。


ダニーは優しそうな顔をしていて、髪の毛は短い。30才前後かな?


ニコールは、ピンクの髪の毛の中にいたずらっ子のような顔が隠れていた。多分三人の中じゃ1番年下だろうなと思った。


タケシは、黄色い肌をしていて顔にいくつか傷がついてた。


『あら、この子がイリーナちゃんね‼疲れたでしょう?』


あたしを呼んだひとの第一印象は"THEおかん"

肌は真っ黒で身長はわたしよりも低くて小太りだった。

あたしの想像どおりのおかんだった。


『こんなに夜遅いのに、大変だったわね~。』


時計をみると1時半を回りそうだった。

遅いかぁ?


『じゃあこちらにね、、、』


THEおかんさんは、なんかブツブツ壁に向かって言った。

すると白い壁から模様が浮き出できて扉の形を型取った。


本日二回目で口があんぐり。


ダニーはその扉をガチャリと開けてふつーに入った。あたしもあわててはいると、部屋は想像以上に広かった。照明やソファーやテーブルがすごくおしゃれだった。多分、THEおかんさんのセレクトだろう。


『座って。』


ダニーはあたしをソファーに座らせた。


『ダニーもうすぐ2時になりそうなんだから、話は早めにね。』


THEおかんさんが言った。今度名前聞かなきゃ。


『ああ、手短に済ませるよ。』


気がついたら、扉は消えてた。


『さて、話さなきゃな、、、』


ダニーは真剣な表情をした。


『まず言わなきゃならないのは、、、

君のお父さんとお母さんは亡くなっているのは知って、、、』


ダニーは言葉を止めた。


あたしの中で世界が停止した。今この瞬間、あたしの夢がはかなく消えたんだ。まあ、どうしようもない。仕方が無い、、、


『イリーナちゃん、、、大丈夫かい?』


ニコールがあたしの隣にきて、あたしの背中に手を置いた。


『イリーナ、、、』


『大丈夫。続けて。』


ダニーは、不安そうにあたしの顔をのぞきこんだ。


『大丈夫かい?この先の話はもっと刺激が強い。いいかな、、、?』


『大丈夫よ。話して。』


それを言った直後、あたしはこの話の先が読めた。どうか当りませんようにと願った。


『、、、君のご両親を殺したのは、その神崎というやつだ。』


予想が的中してしまった。でもやっぱりショッキングだった。


『う、、、そ、、、』


神崎さんはそんな人じゃない。その言葉しか出てこなかった。


神崎さんはあんなに優しいじゃない。どんなに行儀が悪くてもマナーを優しく教えてくれた。何より、神崎さんはあたしの憧れだった。

なのに、、、


『気持ちは分かる。信じられないだろう。』


ダニーがそんなことを言った気がした。


『どうして?そう思うの?』


『君のご両親が、、、殺されたとき、』


また、あたしの胸が痛んだ。


『2人の一人娘が殺人者に連れ去られたと言われたんだ。調べたんだけど、君は見つからなかったんだ。そいつはヴァンパイアだから噛まれてしまったと思ったんだけど』


『えっ、神崎さんってヴァンパイアなの?』


『そうだよ。でも、証拠がなかった。だから、君は行方不明だったんだ。でも最近になって君の存在が分かった。そもそも、イリーナっていうのは本名じゃないね?』


あたしはうなずいた。

あたしのいる孤児院は、本名じゃないことが当たり前だった。みんな名前なんて重要じゃないから、勝手にすきなように変えてた。



ブラットもショーンも本名か分からなかった。あたしの場合は、新聞にイリーナと書いてあって響きが気にいったから自分をイリーナと名乗るようになった。


『君はかなり母親似らしいよ。だから君の母親にそっくりの子がいるっていう情報があって、たどったら君だったって訳だ。名前が違えば情報が出てこないのも当然だ。』


タケシがいった。


『、、、ごめん。情報が多すぎて、、、また明日聞きに来るね。』


『聞きに来るって?』


ニコールが不思議そうな顔でいった。


『えっだって、あたしは帰らなくちゃいけないし、、、』


『まさか、女の子を1人夜道で帰らせるわけにはいかないわよ!それにもう遅いし。』


『じゃあ、どうするの?』


『ここで寝るのよ!』


THEおかんさんが言った。


『もう話はよろしいかしら⁈こんなに遅いと体によくありませんからね‼‼』


『ああ、ひとまず大丈夫だ。』


ダニーは言った。


『はいはい!さあイリーナちゃん!ベッドに行きますよ!』


THEおかんさんはあたしをひっぱった。





『まあまあ、あの人たちもよくこんな女の子をよる遅くまでおこしておけますこと!ブツブツブツブツ、、、』


THEおかんさんはいろいろいってたけど、あたしの耳には入ってこなかった。やっぱりいろいろショックはでかい。


『さあさあ、ここがあなたの部屋ですよ!』


そこには、棚とめちゃくちゃでかい棚とがあった。


『、、、えっと、、。』


『部屋はすきなように模様替えしてどうぞ!しばらくここにいると思うから。』


『えっ帰れないの?!』


『うーん、そうね~まだ連中がうろついてるし、帰るとまた危険じゃないかしら。』


『、、、友達に会いたい。』



毎日、顔を合わせてずっと一緒にいたからわからなかったけどいなくなるとすごくさみしくて心がシクシクしていた。

それより今この状況を聞いて欲しかった。神崎さんがあたしの親を殺したんだって、って言ったら2人はなんていうだろう。たぶんブラットはそんなことを言ったのはどいつだ、殴ってやるとかいってショーンとあたしで止めることになるだろう。ショーンは泣くかもしれない。そんなことをしないよ神崎さんは、とか言って。




それに、もう二度と親に会うことはないんだ。父親に抱きつくことも、母親の手料理を食べることもない。


『ずいぶんと疲れたでしょう、今夜は。ベッドに湯たんぽをいれておきましたからね。』


べっと。聞いたことがある。確か木でできた棚みたいなやつにふとんのっけて寝るんだ。もしかしてこのめちゃくちゃでかい棚のことかな。


ユタンポってなんだろう。


『、、、ありがとう。優しくしてくれて。』


THEおかんさんは本当のお母さんみたい。


『いいのよ!このくらい!明日娘があなたのところに来るかもしれないわ。不思議な子だけれど仲良く仲良くしてもらえると嬉しいわ。』


『うん。分かった。、、、あっそうだ。名前は?』


『私は、呼び方はなんでもいいわ。おばちゃんとかで!』


『じゃあおばちゃんって呼ぶね。おやすみ、おばちゃん。』


『おやすみなさい。』


THEおかんさん改めおばちゃんは、あたしににっこり微笑んだ。


おばちゃんが部屋を出ると、あたしはおそるおそるべっどに入った。ふかふかしてる!気持ちいい‼

ああ、これがべっどなんだ‼もうあそこのごわごわタオルの上じゃ寝れないな~

ふとんのなかに体が全部入る!あたしは頭までふとんをかぶった。



背中の下に何か温かくて柔らかいものが当たった。取り出すと丸く膨らんだものが出てきた。抱いてみると安心した。これがユタンポか‼あと部屋にただよっている匂いがさらに眠気を誘った。

たくさんの衝撃もあったけど、べっととユタンポと匂いがイリーナを安心させた。

時刻は"まだ"3時を回るところだった。


ちょい情報

イリーナやブラット、ショーンが住んでいる孤児院は教育というものはしていません。

だから、規則正しい生活なんてもんはされていないため時間に対する感覚はおかしいです。だからイリーナはおばちゃんに時間が遅いと言われたときにピンときてませんでした。

そして、ここは夏だろうが冬だろうが寝るときはタオル一枚です。さむ~‼

あっイリーナの部屋の香りはラベンダーです。


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