ミアーナの部屋で、、、
『本当にパジャマでいいのかしら、、、?』
ナターシャは小声で言った。
アリスとみんなが会う場所はミアーナの部屋だった。最初リンジー、ナターシャ、パトリックは断ってたんだけど、ミアーナは三人を半分脅してあたしたちを自分の部屋に来させることに成功した。
『まあ、大丈夫だろ!』
ブラットが言った。
あたしとブラット2人でミアーナの部屋に向かってたところにナターシャと合流した。
『まあミアーナがパジャマで来いって言ったんだし。』
“女王の命令“を利用して、ミアーナはみんなにパジャマで来るように言った。パジャマパーティーやりたいんだって。わざわざ女王の命令使わなくてもいいのに。
『いよーす‼入るぜ~‼』
ブラットが陽気にミアーナの部屋に入って行った。次にあたしが入って、最後に恐る恐るナターシャが入って行った。
『いらっしゃい!今お茶を用意するわ!』
ミアーナは満面の笑みであたしたちを迎えた。
あたしの見た中で1番広い部屋だ。ベッドなんて2、3人余裕で入ると思う。てか寝る部屋でお茶用意できるってどういうこっちゃ。
リンジーとショーンが部屋に入ってきた。ショーンが1人じゃお城の廊下のトイレに入れなかったんだとリンジーが小声で教えてくれた。
最後にパトリックとオリオンが入って来た。オリオンはあたしの髪の毛をぐしゃぐしゃにしながら、あたしの隣に座った。
『これで全員か?』
オリオンは散々あたしの髪の毛で遊んでから言った。
『ええ。それじゃあアリスさんを呼びましょうか。』
ミアーナはみんなにお茶を配った後、窓に向かってぶつぶつ唱え始めた。
アリスはふわりと現れた。この場でアリスが見えるのはあたし、リンジー、オリオン、ミアーナだ。でも、、、
『おっ!誰かいる!』
『おいらも見える!』
『私も!』
『、、、』
パトリックのみ無反応。
『こんばんは。皆さん、私のわがままに付き合ってくださりありがとうございます。』
アリスはみんなにおじぎした。
『なんか、ダンク祭のときのイリーナに似てるわね。』
リンジーがつぶやいた。
『ええ、私もそう思います。彼もダンク祭のとき、イリーナと私を錯覚してましたから。』
アリスはあたしをいわくありげに見ながら言った。そのときあたしは、ダンク祭のときにあいつがあたしに口づけした理由がこれではっきりした。まああいつがアリスとつぶやいてた時点で大体分かってたけど。勘違いしたんだ。あたしとアリスを。
『確かに2人は似てるな。』
オリオンはまだあたしの髪の毛で遊んでる。
『なにかご質問はありますか?答えられる範囲なら答えます。』
アリスは言った。みんなしばらく黙った。
『あなたの死の原因にあいつは関わってますか?』
パトリックは超ストレートにアリスに聞いてリンジーに背中を叩かれてた。
『ええ。あります。ですが現時点ではここまでしかお答えできません。彼はあなたたちが自分の過去を探り始めているのではと疑ってますから。』
やばい、、、あたしが寝言でアレキサンダーって言っちゃったからだ。
『なんかまずいのか?』
ブラットは寝っころがりながら言った。
『彼はあなたたちに自分の過去を知られるのはかなり嫌なことなんです。あなたたちが彼の過去を知ったとき、どんな行動に出るか分かりませんから。』
『殺すとか?』
ナターシャは声に恐怖がにじんでる。
『いいえ。それはありえません。彼、あなたたちをすごく気に入ってるんです。だからするとしたら記憶を消すとかでしょう。まあ、記憶を消すのもかなりの身体的なダメージがありますが。』
アリスはそう断言した。
『特に、孤児院にいた三人はあなたたちが成長することで精神的に助けられた面もありますから。』
アリスは続けて言った。
『でもよ、あいつ俺らが迷惑って言ってたじゃねーか!』
ブラットは怒りながら言った。アリスは首を振った。
『彼は自分の立場がよく分かっています。あなたたちは純粋な子ども、自分は汚れたバケモノで殺し屋。彼は自分をそう思ってるんです。住む世界が違うし、自分があなたたちといたら危険だと思ってるんです。だからあなたたちを自分から突き放そうと、、、』
『あたしの前にはしょっちゅう現れるんだけど。』
あたしは食事したときのことを思い出しながら言った。
『私のところにも。』
リンジーが言った。
『そうなの⁈』
あたしは驚いた。てっきりあたしだけかと。
『最後に会ったのは私とナターシャがケンカして、ナターシャが先に帰ったときよ。そのときはショーンもいたわ。ねっ?』
ショーンは頷いた。
『たまにあなたたちと話したいときがあるみたいよ。そのときは我慢できなくて、話しに行くのよ。』
アリスは半分呆れながら言った。
『彼、ストーカー癖があって。』
アリスがそう言った瞬間、みんな固まった。
そうだ。みんな知らなかったんだった。
『えっ、、、じゃあ、私たちも、、、』
『つけられてるわ。彼の暇さえあれば。』
みんな唖然としてる。
『でも、これで変なタイミングであいつが現れるわけが分かった。』
あたしが言った。
『つけられない方法とかねぇの?』
ショーンがオリオンに言った。
『あるにはあるんだが、それはすごく高価なもので俺たちもめったに使わない。』
オリオンは自分のひげを撫でてる。
『まあ、君らに変な危害は加えないはずだ。』
オリオンの言葉にみんながっかりした。
『これから遊びに行くときに注意しなきゃ!ほら、ヴァンパイアって耳がかなりいいからアージュドールの話とかも聞かれるかも。』
リンジーは言った。
『まあ聞かれても、あいつはジョーカーだから漏らす確率は低いけどな。』
パトリックが言った。
『でも、なんか嫌だわ。話を盗み聞きされるの。』
ナターシャは顔をしかめながら言った。アリスはあいつの嫌われ様に苦笑いしてた。ナターシャは大してあいつを嫌ってないけど。
『ごめんなさい。そろそろ魔法の効力が切れちゃうかもしれないわ。』
ミアーナは言った。あたしにはよくわからないけど。
『薄くなってる、、、』
ナターシャはつぶやいた。
『それじゃあ、また次の機会に。』
アリスはそう言って微笑んだあと、スゥーと消えた。
『今何時?』
『11時45分。』
ナターシャの質問にパトリックがあくびしながら言った。ミアーナの目がキラリと光った。
『今、仮に帰ったとして見つかったらひどく怒られない?』
ミアーナの次の言葉が分かった。
『泊まりましょう‼ここに‼』
提案なのになぜかミアーナは“断れませんオーラ“を発散させてた。
『マジか!やったー!』
ブラットとあたしはお互いの拳をぶつけた。
リンジーとナターシャの顔は雪みたいに真っ白だけど。
『じゃあ、決定ね!今お布団を用意するわ!』
『すまないが、俺は仕事が、、、』
オリオンはそう言って逃げようとした。
『いいじゃない!仕事なんて!』
ミアーナは引き止めた。オリオンはあたしたちに助けの目を向けたけど、誰も助けなかった。
オリオンはまたあたしの髪の毛をぐしゃぐしゃにした。
こんなにリッチな布団なんて生まれて初めて。みんな女王の部屋で寝るのは抵抗があったみたいだけど、全員爆睡してる。
『またあたしは、あんたの記憶をみるんだよね?』
あたしは小声でアリスに言った。
『ええ。あなたからするとまた少し甘ったるいかもね。』
あたしはうなだれた。




