迷惑な夢
あぁ、夢だ。すぐに分かった。だってあたしがワンピースはいてるんだよ?夢に決まってる。歩いてるとワンピースが足にまとわりついてくる。
おまけに髪の毛の結び方が違う。ダンク祭のときの髪型だ。
"あたし"は見たこともない町を歩いてる。かごをもってて、そのかごには本が何冊か入ってる。"あたし"は小さくてかわいい建物の中に入っていった。
『やあ!アリスちゃん!新しい本が入ってるよ!』
ひょろっとした男の人が言った。
『ありがとう!』
"あたし"から出た声はあたしの声じゃない。
このおっさんしらないんですけど。なのに"あたし"は顔見知りみたいだ。
ここは本屋みたいで、本がたくさんあった。
"あたし"は探してる本があるみたいだ。
自分の身長よりも高いところにその本があった。
"あたし"は背伸びした。もう少しで届く。
『あっ、、、』
バランスを崩して倒れてしまった。
『いっ、、たぁっ、、、』
お尻がいたい。
『大丈夫ですか?』
若い男の人が手を出してくれた。"あたし"は彼の手を借りて立ち上がった。
『あっ、、、ありがとうございます。』
"あたし"は彼にお礼を言った。
『はいっ。これでしょ?』
彼は"あたし"に本を渡した。彼は身長が高くて色白で、プラチナブロンドですごくハンサムだと"あたし"は思った。
『あっ、、ありがとうございます。』
"あたし"は彼から本を受け取った。
『好きなんだ。魔法歴史。』
彼は笑いながら、本棚にもたれかかった。
『えっ、ええ、、、』
『魔女さん?』
この人なんで"あたし"にこんなに質問するんだろう。
『いいえ、、、普通の人間です。』
"あたし"は闇の中に沈んでいくような気分になった。"あたし"は家のことを思い出した。
帰りたくたい。今日は"あの人"がいませんように、、、
あたしはここで理解した。これ夢じゃなくて、誰かの"記憶"なのかもしれないと。
『名前はなんていうの?』
彼は話題を変えた。不穏な空気を感じたのかもしれない。
『、、、アリスよ。』
『アリスか。いい名前だね。』
この人一体なに?
『あなたは、、、?』
『アレキサンダー。覚えなくていいよ。』
覚えなくていいって、、、
『アレキサンダーね。覚えておきます。』
"あたし"はわざとそう言った。絶対忘れないから。
ガバッと起き上がった。
目の前に広がるのはいつもの部屋。
理解するまでに時間がかかった。あいつはアレキサンダーっていうんだ。
ジョーカー、、、
『、、、つまり、あなたはアリスって人の記憶に入ったわけね。』
ナターシャが言った。
あたしは庭で昨日の夢を話した。いつもの六人に加えて、今日はなぜかミアーナがいた。
『幽霊さんが消えてからそれが始まったとなると、その最近までイリーナの近くにいた幽霊さんと関係ありそうね。』
ミアーナが自分の顎に手をおきながら言った。
『私もよくあるわ。魔女の中でも霊感が強いから。』
ミアーナは言った。
『あたしがアリスだったの。だからアリスの気持ちもすごく分かって、しかもアリスも自分のことを"あたし"って呼んでたの。だからますます混乱した。夢でこんなに混乱したことない!』
あたしは言った。
『それにあいつが出てきたのも気になる。』
パトリックはつぶやいた。
『ジョーカーね。アレキサンダーっていう名前だったんだ、、、』
リンジーは腕組みをした。
『本当にアレキサンダーかな?だって神崎ってのも、ウソなんだろ?』
ショーンが言った。
確かにあれがいつの時代なのか分からないけど、あのときに既にバラリオにいた確率もある。
『アリスさんがあなたに何かを伝えたいのは確かね。しかもあなたにっていうのがポイントだと思うわ、イリーナ。』
ミアーナはあたしに言った。
『幽霊さんが私の夢に入るときって大体何かの事件の真実とか、変えてほしいものがあるからなのよ。それにアリスさんがあなたと直接話したがらないのもなぜかしら。人の夢に入るのって幽霊さんたちにとってはかなりパワーを使うらしいから。』
やっぱり女王のいうことは違うわ。あたしはしみじみ思った。
『そろそろお仕事サボってるってダンストにばれそうだから行くわ!またお話聞かせて!
』
ミアーナはお辞儀して出て行った。
『あの人、、、すごい人なのに、なんか、、、気さくよね。』
リンジーがつぶやいた。
『女王になる人っていろいろ大変だからな。仕事以外で外に出るのも禁止だから。』
パトリックはまた本を開いた。
『うっへ~‼つまんねえな‼』
ブラットが言った。
『あたし、もう一回寝ようかな。昨日その夢のせいで寝れてなくて、、、』
『お前パトリックみたいだな!』
ショーンが言った。パトリックはこっそりショーンに近づき、くすぐった。
『あっはっはっは~やめろ~!』
ショーンは騒いでる。
『今はいないんでしょ?幽霊。』
ナターシャが聞いた。
『うん。いないよ。やっぱりあの幽霊の記憶なのかな?これって。』
『それが1番可能性が高いわね。』
リンジーが言った。
あたしが昼寝を始めた瞬間またあたしはアリスになってた。
"あたし"は歩いてた。すごく悲しい。あの人が帰ってきてた。慣れてるけど、、、
"あたし"の頭には昨夜の記憶がよみがえった。恐ろしい記憶。夜がきて欲しくない。
『アリス。』
後ろから声が聞こえた。
『、、、アレキサンダーさん。』
『いいよ。さん付けしなくて。』
またこの人は笑った。
『どこいくの?』
『、、、特には決めてません。』
『じゃあ俺とお茶しない?おごるからさ。』
『、、、私、人と話すのは、、、』
そう言ってるのに、彼は"あたし"を引っ張った。
『ちょっ、、、!』
『こうでもしなきゃ、君は俺の誘いに乗らないだろ?』
、、、、、、、、
はっと目が覚めた。
『お目覚め?』
さっき夢の中で聞いた、、、いや”話してた”声が聞こえた。
『、、、アリス?』
『ええ。そうよ。』
彼女は微笑んだ。あたしは一発目に考えたことをいうことにした。
『あんたさ、なんでこんなことするの?』
『ごめんなさいね。今は言えないわ。あなたはしばらく眠れない日々が続くかもしれないけど、私にとってはそのほうがいいのよ。あなたもきっとそう思うわ。』
アリスはそう言って消えた。
お気づきの方もいると思いますが、”あたし”と書かれているところはイリーナが夢の中でアリスになっているところです。アリスの一人称は”私”です。




