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ドモヴォーイと未来予知

『着いたよ。』

『家デカっ‼』

あたしが言った。白くてデカくてキレイ。一言でパトリックの家を表すならそんなかんじ。

『2人で住んでるのよね?』

リンジーが言った。

『ああ。』

パトリックは言った。

『10人いても余裕で住めるんじゃない?』

あたしが言った。

門が勝手に開いた。

『門は、家の住人が先頭にいないと入れないんだ。』

とパトリックが説明した。

『玄関に妖精がいるから踏まないようにね。』

玄関に妖精?

『玄関に妖精?』

リンジーがあたしと同じことを言った。

『ドモヴォーイだよ。』

どもゔぉーい。聞いたことない。

『どもゔぉーいって?』

ショーンが眠そうな声で言った。

『♪わ~しを、呼んだか~い?♪』

玄関から歌声が聞こえた。

と思ったら急に小人のおっさんが現れた。

毛深っ‼お城にいた妖精とは程遠かった。頭も髭もボーボー。本屋のおっさんと一緒。

『パトリック~!ひっさしぶりじゃねぇか!

最近会ってなかったもんな!ジェイミーにも最近会ってねぇな。そうだダンク祭からだ~れもいなかったんだよ!それによ~、、、』

おっさん、しゃべりすぎ。

『いろいろあって。中で話すよ。暖炉に来るかい?』

パトリックは優しく言った。

『あー!いくいく!外はさみぃもんな‼、、、おや⁈めずらしい‼友達かい⁈』

おっさんはあたしたちを見た。

『こいつぁ失礼した。おれぁ、ドモヴォーイだ。悪りぃ魔法から家を守るんだぜぇ!』

おっさんは拳で胸をどぉんと叩いた。

『おもしれえおっさん。』

ブラットが言った。

『おれぁおっさんじゃねぇぞ!誇り高き妖精だぁっ‼』

『入るぞ。』

ブラットが何かをいう前にパトリックが割り込んだ。止めなきゃキリがないと思ったんだろう。



部屋に入った瞬間、ショーンとおっさんは爆睡した。

『ドモヴォーイには悪かったな。夕食がなかっただろうに。』

暖炉の火を見つめながらパトリックが言った。

『夕食をあげなきゃいけないの?』

あたしはパトリックに聞いた。もう2人の中での気まずい空気はなくなった。

『ああ、夕食をいつもあげてるんだ。またいなくなるからスープ作ってあげなくちゃ。』

『へえー。おもしろい!』

あたしは言った。

『ジェイミーは彼がいるから基地に引っ越さなかったんだ。』

『彼も連れて行けば良かったのに。』

ナターシャが言った。

『彼はここを気に入ってるから移動したがらなかっただろうし、ドモヴォーイが住みついてる家に悪魔とかは侵入できないんだ。だからまあ安心して住めるんだけど。』

『バラリオのやつは?』

ナターシャが言った。

『うーん。本能的に彼の気に入らないやつなら。』

なんだそれ。

『ドモヴォーイは本来、人に見られちゃいけないんでしょ?なのに彼、自分の姿大公開じゃない。いいの?』

リンジーが寝てるおっさんを見る。

『ああ。あいつある日突然自分から"じゃっじゃ~ん!おれぁドモヴォーイだー‼"とか言って出てきたんだ。父さんと10日間くらい、マジでビビってたよ。でもなんにも起きなかったからね。』

パトリックは思い出し笑いをした。

『もしも見たらどうなるの?』

あたしが聞いた。

『その家にとてつもない不幸が起きる。』

あほか。おっさん。

気がついたらブラットとナターシャも寝てた。

『ふあ~。私も寝ようかな。』

リンジーは伸びをした。

『あたしも。』

どんどん意識が薄れていった。



『はい。しばらく帰ってこれないかもしれないから、スープ作っておいたよ。』

パトリックはおっさんの前に鍋をおいた。

あたしとブラットは盗んだベルトに5個くらい銃をいれてる。

『ああ、でもこんなにいらないよ!』

おっさんは当たり前のようにいった。

パトリックは複雑に笑った。

『それにお嬢ちゃん。女王様の時計を大切にな。あんたらを守ってくれる。』

えっ、、、なんで、、、?

『女王様の時計ってなんのこと?』

リンジーがあたしに聞いた。まだみんなにも言ってないのに。

『、、、前日にミアーナにもらったの。なんで知ってるの⁈』

あたしはおっさんに聞いたけど、おっさんはドヤ顔するだけ。

『あと牛に気をつけて。襲ってくる。男の誘いにはのれ。助けてくれる。金髪の女が救うから悲しむな。』

おっさんが何を言ってるのか分からなかった。

『、、、分かった。』

パトリックは頷いた。

『じゃあね。ここから15分。そのあと45分だ。』

おっさんが笑いながら手を振った。

『バイバイ!、、、どもゔぉーい‼』

あたしがそういうとおっさんはニコニコしたまま、透明になった。

『さっきの意味が全然わからねぇんだけど?』

ブラットが言った。

『、、、ドモヴォーイは未来を予知する能力があるんだ。だから僕らに何かを伝えようとしたんだ。』

未来を予知する能力。

『まあ今のところの未来だけど。ほら、未来は状況によって変わるから。』

パトリックは言った。

『ここから15分ってなんのことかしら。』

リンジーは考え込んだ。

『15分になったら教えるよ。』

あたしが時計を見ながら言った。

『そういえば昨日の朝、女王様に会った瞬間女王様が"いい?今から私をミアーナって呼びなさい!イリーナもそう呼んでるから‼"

って言われてびっくりしたわ!もちろんそんなこと無理だけど!』

ナターシャが笑いながら言った。

『でもあなたがさっき、女王様のことを呼び捨てに呼んでたのはびっくりした!』

リンジーも笑い出した。

『そうかな~?普通じゃない?』

あたしは言った。

2人につられて男どもも笑い出す。

『なによ~?みんなして!』

あたしも笑ってしまった。




『あっ15分。』

あたしは言った。みんな止まった。

『なーんかあるかー?』

ブラットはうろうろした。

ナターシャがはっと口を抑えた。

『あれ、、、』

みんなでナターシャの指さす方向をみた。

牛、、、、

『牛に気をつけて、、、』

あたしはおっさんの言葉を繰り返した。

牛が描かれた酒場の看板があった。

『、、、どうする?』

リンジーがささやいた。

『屋根。』

ブラットが即答した。


少し離れたところで屋根に登りあまり音を立てないように歩いた。

やっぱりナターシャは危なっかしいので、今度はパトリックにおぶってもらった。

ブラット、リンジー、ショーン、パトリックとナターシャ、あたしの順番。

牛の看板の店の屋根まで来た。そこまでは何もなかった。

看板のある位置を通ったあとだった。

息を飲んだ。店と店の間の細い通路にごつい男がびっしりとあたしたちを待ち構えていた。

これだけの男を地上で相手できない。男を見上げなから思った。

『うあっ‼』

とショーンが言ったと同時にバダンっ‼とショーンは転んだ。

敵が来る。

『いたぞー‼‼』

奴らは大通りに出て来てあたしたちを銃で狙った。

『走れっ‼』

ブラットが言った。

あたしは素早く銃を両手に持ち、上から奴らに乱射した。毒針の銃だ。

『ぎゃっ‼』

敵は倒れていく。ブラットも前で同じことをしてる。

あたしの後ろから敵が2人に屋根に登って来た。

『ブラット‼頼むよ‼』

『任せとけ‼お前らは先いけ‼』

ブラットは四人に叫んだ。

あたしは2人に銃を向けた。

『それ以上来ると撃つよ。豚。』

『へっへっへ、、、お嬢ちゃん、そういう言葉は良くないよ、、、』

また1人登って来た。

三人はあたしに寄ってくる。あたしは下がりつつ、奴らの足に撃った。

『ぎぁぁぁぁぁぁ‼』

見事に三人の足に命中した。

ガタガタと屋根を登ってくる音がした。

あたしは通路に駆け寄り、登ってくる奴らを五人くらい撃った。

ポケットから爆弾を取り出して投げ、そこに背を向けて走り出した。

バァァァァァァン‼とものすごい音が後ろからした。

『うしっ‼おわりっ‼』

ブラットが反対側の屋根から登ってきた男にづつきして言った。

『みんな無事?』

あたしは叫んだ。

『無事だっ!』

パトリックの声だ。

『もう下にいるな。』

ブラットがあたしに言った。


下に降りると男が三人転がってた。

『誰が倒したんだ⁈』

ブラットが言った。

『1人は私よ‼』

リンジーが満面の笑みを浮かべて言った。

『すごい‼銃を⁈』

あたしは言った。

『そうよ‼』

リンジー、すごい。

『残りの2人はパトリック、、、とショーン。』

ナターシャが少し笑いながら言った。

なんかショーンは一応付けたって感じ。

まあショーンは得意げだ。

『でも、すごいね。ドモヴォーイの言った通りだ。』

ショーンが言った。

『次は45分。』

ナターシャがつぶやいた。

次は再びジョーカーが話を引っ掻き回す⁈

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