城を脱走せよ!
決行のときだ。
自分から計画しておいてだがすべてのものがあたしたちのすることをあざ笑ってるみたいだ。月も星も花も。
『よし、計画通りいくぞ。』
ブラットが言った。
武器を取りに行くのはあたしとブラットだ。
『あのさ、武器庫に忘れ物しちゃったんだけど入っていい?』
あたしは武器庫に2人いるケンタウルスの1人に話しかけた。
『なんだ。こんな遅くに。ダメに決まってるだろうが。』
だよね~。
来い、リンジーとナターシャ‼
『ちょっと!助けて!妖精が、、、‼』
リンジーとナターシャが急かすようにもう1人いる見張りに話しかけた。
『どうした?』
『お願い!来て!早くしないと、、、』
ナターシャがケンタウルスを引っ張った。
『ちょっといってくる。』
ケンタウルスの1人がそう言いリンジーとナターシャについて行った。
うまくいった。
『で、、、君は、、、何を忘れたんだ?』
『宝物。言えないんだけど、、、』
あれっ?まさか、、、?
『仕方ないな。いいだろう。ダンスト様には内緒だぞ。』
やめてっ‼優しくしないでよぉっ‼
『ありがとう!』
あたしは演技した。
『ほら、開いたぞ。』
この人優しすぎだよぉっ‼
『分かった。探してくるね!』
あたしは中に入っていった。
『おい‼あいつ優しすぎじゃねぇか⁉俺が後ろから殴る計画だったのによ!あれじゃあ殴れねえ!』
ブラットが言った。
本来ならあの人ブラットが後ろからあの人を殴って気絶させ、気絶させたまま扉を開けるという計画だった。
『ホントよ!なんであの人あたしたちに優しくするわけ?』
あたしとブラットは銃を盗みはじめた。ついでに銃を入れるための穴がついたベルトも見つけたのでそれも頂いた。
『みんなにはこれでいいよね?』
あたしは小型の銃をガサッと袋に入れた。
袋っていうのは見かけは小さいきんちゃくなんだけどリンジーが魔法で内側がめちゃくちゃ広くなってる。
『おい、ここ交換の弾ねぇぞ‼』
ブラットが言った。
『うそ、、、他の部屋なのかな?』
『仕方がねぇ‼こんだけ銃盗めばなんとかなるだろう!』
ブラットがそのへんの爆弾をひっつかみながら言った。
『これヴァンパイアのやつだよな⁈』
『うん!行こう!』
あたしとブラットは冷静をよそおって外に出た。
『ありがとう。見つかったよ!あんたって優しいね!』
あたしはケンタウルスにお礼を言った。いろんな意味で。
ケンタウルスは笑いかけた。
マジごめんなさい~‼
『イリーナ!うまくいった?』
四人と合流した。
『うまくいった以上だよ!あたしたちが気絶させる前に扉開けてくれたんだから‼』
あたしは言った。
『あたしもうまくいったわ!気絶した人も隠したし!』
リンジーは言った。こっちは、リンジーとナターシャが連れ出したあとパトリックが殴った。
『それにしてもここまで完璧にうまくいってるなんて‼』
ナターシャが本当に信じられないという顔をした。
『まあ、油断は禁物だ。』
パトリックが言った。
『さあ、行こっか。』
あたしたちパトリックの部屋に入った。
『それじゃあ、リンジー。』
パトリックに言われてリンジーは頷いた。
『&@¥-!?』
リンジーは意味が分からない言葉を並べた。
これは周辺の時間を遅くする呪文でリンジーたちが基地に行くときにも使ったらしい。
『よし、ショーン。あんたの出番だよ!』
あたしは言った。
ショーンは窓からぴょーんと飛び出した。
呪文のおかげでゆらゆらとおちていく。
『いじょうなーし‼』
ショーンは得意げに言った。
ショーンのできる役目はこれしかなかった。というかそもそもなくてもいいんだけど、ショーンがおいらもなんかすると言って聞かなかったので、急遽ショーンにはこの仕事が設けられた。
全員で窓から飛び出した。
ゆらゆらと落ちて行って着地。
『あっ、、、成功?』
ナターシャが言った。
『だな。』
ブラットが泥を払いながら言った。
『早く柵を登らなきゃ完全な成功とは言わないよ。』
あたしは言った。
ここの柵は悪いことしようと思って登ると柵にかかった呪文で石にされるらしい。でもあたしたち悪いことするわけじゃないから、かからないらしい。はっきりとは分からない。でも前回リンジーたちが登ったときはなんにもなかったから多分いける。
『じゃあ順番で。』
パトリックがそう言ってまるで慣れてるみたいに先に登った。
何も起こらない。いける!
次に下にいるナターシャはブラットの肩を借りて登り、上にいるパトリックに助けてもらいながら外に出た。同じようにリンジー、ショーン、あたしの順番で登った。
最後にブラットが助走をつけて1人で登った。念のためパトリックもいたけど、必要なかった。
ブラットが降りたあと上にいるパトリックが降りた。
『成功だ。』
パトリックはそう言ってみんなに笑いかけた。
『良かった~!』
リンジーが言った。
『ここからが地味なんだけどな。』
ブラットが言った。
『確かに。』
あたしは同意した。
『よし、黒い馬車を探すぞ。』
"黒い馬車"って言うのは、バラリオが連れ去った人を運んでる馬車だ。小さめらしい。
ただこの国、、、リンジーが名前言ってたけど忘れた。この国はバラリオの取り締まりが厳しいからここは通らないんだって。
だからあたしたちはこの国のはずれ、、、あたしたちの住んでる町を通って、普通の人間が住んでる町に行って、、、めちゃくちゃ時間かかるわけですよ。はい。
基地まで1時間半かかったわけでしょ?基地から孤児院だって時間かかったし、孤児院の場所から一般の人が住んでるところだって時間かかる。まあそこで"黒い馬車"が見つかればいいんだけど。
まあまだマシなのはあたしたちの町の中にあるパトリックの家に行って休憩できるってこと。
結構危険だけどまあ少し休むならいいかなってことで。
『そうだ。リンジー、ナターシャ。これ非常用ね!』
あたしはきんちゃくから小さい銃を二つ取り出した。
2人は恐る恐る受け取った。
『大丈夫‼まだふたとってないから!あっあとさ、交換の弾が見つからなかったんだけど。』
『大丈夫よ。この世界の銃は弾切れなんてないから。魔法がかけられててね。』
リンジーはおびえなから言った。
あたしは銃扱うの慣れてるからな。みんな銃とか使わないのかな?
『ほいよ、ブラット。一つだけ渡しておく。』
あたしはブラットに銃を投げた。
『さんきゅー。』
ブラットは受け取り、早々とふたをとった。
このやりとりをリンジーとナターシャは唖然として見てた。
『はい。パトリックも。』
あたしはパトリックの手に銃を置いた。
『あ、、、ありがとう、、、』
パトリックは少し困った顔をした。
『おいらの‼』
ショーンがお菓子ねだるみたいな手をした。
『はいはい。』
あたしはショーンに渡した。
『他のはパトリックの家でね。』
数日前に同じ時刻に同じ道を歩いてた。
誰もいないし、あたしたちの歩く音しかしない。
そして一時間くらい、パトリックの家に着くまで誰も話さなかった。
次回からまた戦闘が出てきます!




