武器庫
『待って!俺も行く!』
『おいらも!』
ブラットとショーンが名乗りを上げた。
『大きいのはいいだろう。ただし小さいのはダメだ。』
ショーンはふくれっ面をした。小さいのって言うのも気に入らなかったんだろう。
『そもそもなんでそこまで武器庫に行きたい?』
やばい。なんか理由。
『ほら、やっぱり国を守るためのものがたくさんあるわけでしょ?だから見てみたいな~って、、、』
ダンストは納得したみたいだ。
『他に行きたい者は?』
他の三人は全くもって意味分からないという顔をした。
『いいえ、、、結構です、、、』
リンジーが答えた。
『そうか。それでは2人は行こう。』
あたしとブラットはダンストについて行った。
『ずいぶん遠かったな。』
ブラットがささやいた。
ものすごい頑丈そうな扉。ダンストは鍵穴に爪をつっこんだ。
ガチャリと音がして、扉が開いた。
『今どうやったの?』
あたしはダンストに聞いた。
『、、、ケンタウルスの爪であれば開く。』
けんたうるす、、、多分ダンストのような生物の名前かな。
明かりがついた。
おびただしい数の武器があった。
銃や弓矢、爆弾のようなものなど、、、
あたしは自分でも扱えそうなものを探した。
『やっぱり銃も普通のとは違うのか?』
ブラットが言った。
『当たり前だろう。普通の人間が使うヤワな銃なんぞ使ったら国を守れん。』
ダンスト、少し得意げに腕を組む。
『どういうふうに違うの?』
あたしは無邪気に聞く"ふり"をした。
『例えばだな、、、主流なのは毒針が出るものかな。入口のすぐそばにあったものだ。
まあ毒と言っても相手を麻痺させる程度のものだが。あとは、鉛の腕が出てくるもの。』
『鉛の、、、えっ?』
あたしは耳を疑った。
『鉛の腕だ。見かけは普通のデカめの銃だが発砲したときに腕のような形に変形する。相手を捕らえるときのためだ。』
『そんな銃見かけなかったぞ。』
『言っただろう。見かけは普通だ。』
『どこにあるの?』
『1番奥だ。』
それだけ手がかりがあれば十分。でももっと聞かなきゃ。
『手榴弾もたくさんあるんだね。』
あたしは聞こえるように"つぶやいた"。
『ああ、まあ逃げるとき用だが。ヴァンパイア用のものが主だ。』
『ヴァンパイアってそんなにいねぇだろ。』
『なにを言ってる。普通の人間として暮らしてる人の四分の一はヴァンパイアだぞ。』
ウソ、、、
『そんなに?』
ブラットは算数ができないからわかってない。
『ああ。ヴァンパイアに襲われたらひとたまりもないからな。あとは、幻覚弾とかだろうか。その煙を吸ったものは激しい幻覚をみる。その間に逃げるんだ。』
『へぇー。』
壁の前にきた。
『ここまでだな。君らに見せられるのは。』
壁の向こうにもあるんだ。
『分かった。ありがとう。』
あたしはブラットと意味ありげにニヤついた。
『あなた、なにを考えてたの?』
あたしの部屋には全員集合していた。帰ってきて早々にリンジーに聞かれた。
『逃げるときに武器が必要でしょ?』
三人は意味が分かってないみたいだった。
『逃げるって、、、?』
『おいおいよく考えようぜ。ここはデカイ城。みんなが知ってる。つまり襲われる危険も高い。しかもジョーカーが侵入に成功してるんだぜ⁈完璧に安全なわけねーだろ?』
ブラットは1+1=2だと説明するようだった。
『侵入っていっても、普通にビービー警報はなってたのよ?それなのにあいつは普通にいただけの話よ。』
リンジーはブラットの言い方にむっとしたみたいだ。
『それにもしかしたら、城内にもバラリオのメンバーがいないとも限らないし。』
三人は固まった。
『え、、、?』
あたしは続けた。
『だって今回だってどうやってアージュドールの基地に侵入したわけ?壁の呪文を知らないのに入って来れるわけないわ。そうなら考えられることは二つ。情報が何かしらの方法で流れたか、、、誰かが裏切ったか。』
『私、誰も裏切ったなんて思いたくないわ‼』
リンジーが声を震わせる。
『あたしも思いたくない。あの中の誰かが裏切るなんて思えないし。呪文でない?人の頭を読める呪文とか。そっちの可能性が高いと思う。あたしは。』
もう大人に裏切られたくない。
『、、、分からないわ。私白魔法しか知らないから。』
リンジーは下唇を噛んだ。
『まあ、そういうことに備えるということよ。』
あたしはこの話は終わりというようにピシャリと言った。
でもあたしは、武器を持ち自らみんなを助けに行くという選択肢を捨てたわけでは無かった。




