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ミアーナ女王

『あとさ、リンジーのドレスボロボロになっちゃったんだ。ごめんね。』


あたしは青いドレスのすそを見る。黒くなってたり、穴があいてたりしてる。


『気にしないで!仕方が無いわ。お祭りはどうだった?』


リンジーは話題を変えた。いろいろ気を紛らわすためだと思う。


『最初と最後は良かった‼でも間が最悪だったの。』


『どうして?』


『まず、あたしとナターシャが買い物してたの。そしたらナターシャは男の人に誘われたの。ねっ!ナターシャ!』


ナターシャの頬がピンク色になった。


『へー‼良かったわねナターシャ‼』


リンジーは自分の事のように喜んだ。

男どもは興味がなさそうだった。パトリックなんかあくびしてる。


『で、ぶらぶらしてたらアリソンどもに絡まれちゃったの。』


リンジーはかなり嫌そうな顔をした。その場にいたらもっと酷い顔してただろうな。


『誰アリソンって?』


ナターシャは聞いた。


『世界で1番いじわるでおバカな女の子。』


あたしは上を見る。あの憎たらしい顔が浮かぶ。


『でさ、絡まれてるときにあいつに会っちゃって。』


『あいつってジョーカーか?』


興味がなさそうだったブラットが話に入ってきた。


『そう。それでアリソンから助けてはくれたんだけど、あたしを逃げられないようにしてアイスを食べさせられた。、、まあアイスは美味しかったけど。』


あのアイスまた食べれるかな?


『どうして逃げられなかったんだ?』


パトリックも話に入ってきた。


『腰に手を回されてて。身動きが取れなかったの。』


パトリックは今まであたしが見たことないくらい嫌そうな顔をした。なんでかは分からないけど。


『それで、、、』


あたしは言いかけてやめた。唇に感じたものを伝えるとまたあいつの唇があたしの中で蘇ってきそう。


『、、、逃げたの。あいつから。』


あたしは言葉を切った。


『それでパトリックに会って、、、』


あたしはパトリックを見た。パトリックはあたしをじっとみてる。なんか見透かされてる気がして怖かった。


『あいつ何がしてぇんだよ?意味わかんねぇな!』


ブラットは空中を蹴る。



確かに何がしたいのか分からない。


あんなに残酷なことして、あたしたちの存在が迷惑だとか言っといてあたしやリンジーを助けてるんだ。

しかもアリスって誰?まさかあいつの恋人?

でもそしたらなんであたしにあんなことを、、、


『皆様、大変だったでしょう?』


知らない女の人がいた。



髪は白に近いブロンドで白のキラキラしたドレスを着ている。ブロンドの髪の上には冠が乗ってる。


『女王様?』


あたしは聞いた。


『ええそうよ。ミアーナです。ごめんなさい。私たちはあなた方の状況が全く把握できてなかったの。黒いコートの男性が、、、リンジーちゃんだったかしら?彼女を私の側近のところに連れて来るまで。彼は何者なのかも分からないけど。』


女王様の声はまるでガラスが割れるように上品な声だった。


『あいつはジョーカーだ。』


ブラットが女王様に歩みよった。


『女王様になんと無礼な口を‼』


女王様の後ろから女王様とは対照的な低い声が聞こえた。しかも馬が威嚇するみたいな声まで聞こえた。


『ダンスト、よしてよ。この子達は疲れているのよ。』


女王様が後ろを向く。


『ジョーカー、、、つまりバラリオだということね。なぜあなたを助けたの?』


女王様はあたしたちに向き直り、リンジーを見て言った。


『、、、分かりません。多分あの人の気まぐれではないでしょうか、、、』


リンジー、緊張してる。


『そう。分かったわ。あなた方にはお部屋を用意してあるわ。そこでゆっくり休んで。』


女王様は微笑んだ。どんな宝石もかすんで見えてしまうほどの笑顔だ。


『あとさ、女王様。あたしとブラットとショーンはけいご使えないんだけどいい?悪気はないの。』


あたしは一応許可をとることにした。


『ええ、どうぞ。』


女王様はまた微笑んだ。


『あっ!オリオンたちは無事なの?みんなは、、、、』


女王様は人差し指をあたしの唇にそえた。


『あなた方は疲れています。明日、わかるところまでなら話します。』


多分今は聞いちゃいけないんだとあたしは思った。

どうかみんな無事でありますように。

心の中で祈った。




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