最悪の年の始まり
、、、、、、、⁉
あたしは動けなかった。あまりにも衝撃的すぎて。
こいつはやめてくれない。むしろどんどん激しくなっていく。離してはまた唇を付けてきてまた離しては付けてきた。
あたしはこいつの腹に思いっきりパンチした。でも効かない。パンチされたことすら気がついてない。
やっと離してくれた。
『なっ何を、、、!』
今度は抱きしめてきた。
『離せ、、、!』
あたしはもがいた。ものすごい気持ち悪い。
『アリス、、、』
アリス?あたしはアリスじゃない!まさか誰かと間違えてる?
『やめろっ!あたしはアリスじゃない!』
そう言ったけどやめない。
『あたしはアリスじゃない‼‼』
あたしは叫んだ。やっと力が緩んだ。あたしはそのすきにあいつを押した。
『、、、誰だよ。アリスって。』
あたしはつぶやいた。
『イリーナ、、、』
こいつは口に手を抑える。
『イリーナ、ごめん。』
こいつはさっきより声を大きくして言った。
『ごめんで済まされるわけないでしょ⁈あん
たなにしたか分かってる⁈』
あたしは怒りで体を震わす。
『何をしたかは分かってる。本当にごめん。』
このやろー‼何がごめんよ⁈
あたしはこいつに背を向けて走った。
でも、急停止してあいつに言った。
『みんなに手だしたら承知しないから!』
まじ許さない。
『手出したりなんかしないよ!』
あいつが言い返した。
あたしはその言葉を無視してまた走り出した。
リンジーに会わないといいけど。
あたしは人ごみの中を早足で歩いた。
花火はクライマックスをむかえ夜空を明るくする。
あたしは本当は見たいけど、今はあいつから離れるのが先だ。
ケイトの歌は終わって知らない人の歌になっていた。
『イリーナ⁈』
誰かが呼んだ。
『パトリック⁈なんでここに?』
パトリックも金色のマスクをつけている。
『帰ろうとしたんだけど、、、ジョーカーの匂いがしたんだ。だから不安になって君たちを探してたんだ。』
パトリックは言った。
『そうなんだ。』
あたしはまだ収まらない衝撃が声に出ないようにした。
『イリーナは、あいつに会わなかった?』
『、、、会ったよ。まじ最悪。』
『大丈夫?何にもされなかった⁈』
パトリックは本気で心配してくれてる。
『うーん、何かされたっちゃ何かされたけど、、、』
あたしは唇に感じた冷たくて柔らかいものを思い出してしまった。
『ケガはしてない?』
パトリックはあたしをみつめてる。
『心にケガはした。それ以外は平気。』
あたしは普通をよそおった。
『そうか。分かった。』
パトリックはそれ以上は何も聞かなかった。それはすごくありがたかった。
『イリーナ!パトリック!』
ナターシャの声。
『ナターシャ!どうだった?』
あたしは気持ちを紛らわそうとナターシャに聞いた。
『彼本当にいい人だった!ダニエルって言うんだけど、、、あれ?リンジーは?』
『それがあたしが行ったときにはまだ来てなくて、、、』
あたしはリンジーに申し訳ない気持ちになった。リンジーがあいつに会ってなんかされたらどうしよう?
『じゃあ三人でリンジーを、、、』
パトリックが言いかけた。
『うぉーい!みんなー!』
ブラットとショーンだ。なんかいろいろ増えてる。
『あんたら買いすぎ!』
あたしは二人につっこんだ。
光るおもちゃの剣とか光る冠とかとりあえず光ってる。
『やっぱ魔法の世界ってすげーな!』
ブラットは興奮気味だ。
『まあ全員そろったし、リンジーのところに行きますか。』
パトリックが言った。
『まだリンジー来てないのか?もったいねぇな!』
ブラット、、、
でもまだあそこにはあいつがいるかも。
五人で歩きながら思った。
『待って!あたし先に見てみる!』
入り口についてからあたしはみんなに言った。
『なんでだよ?みんなで行けば、、、』
ブラットの言葉を無視してあたしは先に行った。あいつを探してみたけどいない。
『リンジー、まだ来てないの?さすがに遅くない?』
ナターシャがあたしの後ろにいた。
『また熱が悪くなったのか?』
ショーンは悲しそう。
『そしたら誰かがここに来て伝えてくれるはずだけど、、、』
パトリックが不思議そうに言った。
そのときアナウンスが聞こえた。
『皆さん!あと三十秒で年明けです!カウントしてください!』
みんなカウントし始めた。
『残念だなぁ、リンジー。』
ショーンがつぶやいた。
『何かあったのかしら?』
ナターシャは心配な顔をして言った。
『いや、ダンク祭のときに犯罪したらまずいからしないと思うけど、、、』
あたしは答えた。
『10、9、8、7、』
みんなの声が聞こえた。
『あたしたちもカウントしよう!』
『5、4、3、2、1』
花火がさっき以上に打ち上げられ、色とりどりのいろんな光があたしたちの周りを駆け抜けた。みんなが叫んでいろんな人とハグをしている
『イエーイ!年明けー!』
ブラットが叫んだ。
あたしたちも歓声を上げてみんなでハグをした。
ブラットとはしなかった。気まずい。
『これ、妖精だわっ‼』
ナターシャがあたしたちの周りを駆け抜けた光を指して言った。あたしはすぐ近くにある光を見た。光の中心に小さくてかわいらしい女の子がいる。
妖精は、自分のドレスをつまんであたしにお辞儀をした。あたしも同じようにお辞儀を返した。妖精は笑った。笑ったとき、鈴の音がした。
ナターシャも自分の近くの妖精にお辞儀をしていた。妖精たちは集まり、あたしたちに手を振りながら空に飛んで行った。
あたしたちは妖精が見えなくなるまで手を振り続けた。
『ほんと、、、ステキ、、、』
ナターシャはぼーっとした声。
『あたしもこんなに素敵な夜は今日が初めて!』
あたしはナターシャに言った。
『妖精はめったに見れないよ。』
パトリックが言うなら本当だ。
『かえりたくねぇ~!楽しすぎる!』
『あたしも!』
あたしは同意した。
『でも帰らなきゃ。おばさんに怒られる。』
パトリックは言った。
五人はお祭りの光を目に焼き付けながら家に向かって歩き出した。
『帰って来ちまったな。』
ブラットがマスクを取ってる。マスクはブラットには合わん。
『リンジー、結局会わなかったね。』
あたしが言った。
『会えなくて、先に帰ってきたとか?』
ナターシャは髪をほどき始めた。
あたしはまだあいつがリンジーに何かしたのではという不安がぬぐいきれなかった。
『フォー‼ただいまただい、、、』
ブラットが言葉を切った。
『どうした、、、』
ショーンも目の前の光景に目を奪われる。
あたしも信じられなかった。
カフェの椅子や机があらゆるところに吹っ飛んでる。
しかも基地への入り口が開きっぱなしだ。
あたしとブラットが入ろうとした。
『待て!!』
パトリックがあたしたちの前に立ちふさがった。
『まだ敵がいるかもしれない。僕が先に行って匂いをかぐ。それで大丈夫なら君たちも来い。』
ナターシャはあたしの腕をつかんだ。
パトリックは入り口に入って行った。
『大丈夫。敵はいない、、、』
パトリックの声が聞こえた。
四人で入っていった。
広々とした部屋にガラスや木片が散らばっている。ソファが引っくり返ってあるはずのない場所にある。
『イリーナ、、、!』
ナターシャはあたしの腕をつかんでる手の力を強めた。
『大丈夫。大丈夫だから、、、』
あたしはナターシャの肩に腕を回した。
『リンジー、、、』
ショーンがつぶやいた。
『リンジーの部屋、、、』
あたしはパトリックに主張した。
パトリックは黙ってうなづき階段を登り始めた。ショーンはそれについて行こうとした。
『ダメだショーン!』
ブラットがショーンを止めた。
『上に敵がいるかもしれねえっ!』
ブラットは腕の中で暴れるショーンに向かって言った。
『大丈夫だ。でも少し刺激が強いかもしれない、、、』
パトリックが上から言った。
上に上がった。
『俺たちの部屋のドアが、、、』
ブラットが言った。ブラットとショーンの部屋のドアがへこみ、外れて傾いてる。
『リンジーの部屋、、、!』
ナターシャが自分の口を手で抑えた。
リンジーの部屋が一番荒れてた。ドアは存在しなくて、代わりにそこらじゅうに木片が転がっていた。べっとにはドレスがおかれてた。ふとんに青い火がついてた。
壁には血痕があった。
パトリックは半分狼のため鼻がすごくききます。パトリックがジョーカーの匂いを感じたのはジョーカーが目に見えない速さでパトリックの横を通り抜けたからです。




