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会議とダンク祭と夕食

あたしたちは耳をすました。誰も物音も立てない。

ジェイミーの声がする。


『今回私たちが救出に向かったとき、みんなびっくりするぐらい無傷だった。リンジーが言うにはパトリックとイリーナが怪我をしたがどっちも特効薬で治せる程度だったらしい。』


でも痛いわ。


『しかも全員あいつがジョーカーだと知ってた上でだ。ジョーカーは、自分の正体を知った者は仲間であっても容赦なく殺す。なのに殺さなかった。』


ジェイミーはそこで言葉を切った。


『確かにあいつになんにもされなかったね。』


リンジーがささやいた。


『相当あの子たちを気に入ってたようだな。』

オリオンが言った。


『迷惑。』


ブラットがボソッと言った。


『あとあの子達を連れ去った主犯格はアイリーンだった。』


またオリオンの声。


『誰アイリーンって。』


あたしがリンジーに聞いた。


『ジャック以下の手下のリーダーよ。アイリーンってのは偽名らしいわ。あいつがアイリーンね!今度あったらただじゃおかないわ!』


リンジーは決意したみたい。


『まあみんな無事で良かったわ。』


ニコールの声だ。


『それに、ジョーカーの一人はあいつで確定したでしょ?』


ニコールはワクワクした声で言った。


『ああ、あいつはヴァンパイアだ。今多分俺の血のにおいをかいで俺を探してるんじゃないか?』


『やばいじゃん。』


あたしはつぶやいた。


『あなた、いい加減ここに住みなさい!』


おばちゃんの声だ。


『メンバーなのか?おばさん?』


ショーンが言った。


『ああ、そうだよ。直接な活動担当ではないけど。』


パトリックが答えた。


『情報集め担当。』


リンジー、なぜか少し嫌そう。


『だから、それは難しい、、、』


オリオンは言いかけたけど、、、


『なーにが一体難しいのよ⁈あなたが資金に頼りたくないって言う理由でしょ⁈こんな状況でもまだあそこに住むつもり⁈』


おばちゃんのお叱りにオリオンもタジタジだ。


『、、、考えとくよ。』


『そう!それなら会議は終わり!今日はみんないるんだからお祝いよ!そろそろダンク祭の飾り付けもしなきゃ!』


アージュドールのリーダーはおばちゃんだと思った。この雰囲気だともっとなんか話しそうだったけど。


『ああもう!ママったら!余計なことしないでよね!』


リンジーはプリプリ怒りながら、"耳"を机にしまった。


『この様子だと会議は深夜に持ち込みだな。』


パトリックが耳をリンジーに返す。


『ダンク祭って何?』


ショーンが聞いた。


『ああ、年末のお祭りよ。』


『年末になんでお祭りするんだよ。』


ショーンとブラットが言った。


『あたしたちには年を越すっていう習慣がなくって。』


あたしが説明した。


『そうなの?このお祭りは一年間幸せに暮らせてありがとうって精霊に感謝するお祭りなの。ほら、私たちの町の名前って精霊の名前がついてるのよ。』


へー。


『それでね、毎年女の人も男の人もおしゃれして踊ったり歌ったりして年越しするの。この日だけはどんなに遅く帰っても怒られないんだ!』


あっリンジーの嬉しいとこはそこなんだ。


『女の人はきれいなドレスを着るのよ!イリーナも今年は一緒に行きましょうよ!』


『楽しそうだけど、あたしドレスないから、、、』


『あたしの貸すわ!お化粧はママがしてくれるだろし!』


『、、、本当?』


『もちろんよ!』


リンジーはにっこりした。


『おいらも行きたいな~』


ショーンはつぶやいた。


『男は正直いってマスクすれば入れる。』


パトリックが冷静に言った。


『マスクってどういうマスク?』


あたしはパトリックに聞いた。


『目だけにするんだよ。派手なやつをね。』


『パトリックは行くの?』


リンジーが聞いた。


『人混みが嫌いだから行かない。』


パトリックはどこからか本を取り出しながら答えた。


『あっ思い出した!イリーナ、これ!』


リンジーがあたしに渡したのは、いつかに小人のおじさんのお店で買った本だった。


『忘れてた!ありがとう!』


あたしはパラパラと本をめくった。かなり絵が多いからこれならまだ読めるかも。


『ご飯ですよー!』


下からおばちゃんの声がした。


『降りよっか。』


リンジーは言った。



ご飯はおどろくほど美味しかった。ブラットとショーンはおばちゃんのご飯を食べた瞬間顔を見合わせ、無言で食べ続けた。



落ち着いたら2人はあたしの想像通りオリオンと気が合ったみたいだ。三人で騒いでた。ノーラン、ニコール、タケシ、ダニーは用事があって帰った。リンジーとジェイミーは何やら話し込んでた。



あたしはお腹いっぱいになったところで騒がしいところから少し離れて本を読み始めた。

と言っても絵をみるだけなんだけど。

そこにパトリックが本を持ってやって来た。


『まあ騒がしいね。』


あたしはパトリックに言った。

パトリックは呆れ笑いをしていた。


『ねえパトリック、なんでパトリックはジェイミーにけいごなの?』


あたしはそこがかなり気になってた。


『ああ、、、僕は本当の子どもじゃないんだ。あの人の。』


『孤児院から引き取られたってこと?』


あたしはちょっとパトリックに近い感じを覚えた。


『ああ、まあそんな感じだよ。』


パトリックは言った。



なんかこれ以上聞いてはいけない気がした。

ブラットとショーンとオリオンの笑い声が聞こえた。


『ダンク祭ってどういう飾りをするの?』


あたしは話題を変えた。


『花だよ。ダンク祭が近くなると花だらけになる。』


パトリックはちょっと顔をしかめて言った。


『あと運が良ければ、精霊に会えるかもね。』


パトリックは思い出したように言った。


『へぇー。精霊ねえ、、、』


あたしは精霊を想像した。



パトリックは本を読み始めた。なんかパトリックっていい人だと思うけど人と必要以上に付き合わないようにしてるみたい。だから性格が読めないなとあたしは思った。

あたしもまた本を読み始めた。

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