脱走作戦?
『おはよう、イリーナ。』
あたしが起きてすぐにリンジーが眠そうに言った。
『おはよう。リンジーも今起きたとこ?』
『うん、、、ああ、眠い!』
リンジーはの近くにはやっぱり神崎さんのコートがあった。
『リンジー、それって、、、』
『そう、あいつのよ。』
リンジーは悔しそうだ。
『なんで?』
あたしは疑問だった。
『夜寒かったじゃない?』
そうかぁ~?記憶に無い。リンジーは寒がりなのかな?
『それで私がブルブル震えてたらあいつが来てコートの中からいろいろ取り出したあと、コート脱いで私にかけたの。でもそしたら私またあいつに貸しをすることになるじゃない?』
確かに。
『だからやめてって言ったの。構わないでって。でもあいつ女の子がブルブル震えてるのにほっておくわけにはいかないよだって!
なんであいつ変なとこ紳士的なわけ⁈本当腹立つ‼』
リンジーの怒り具合も笑えた。
『リンジー怒りすぎだよ~。寒いのがしのげたならいいんじゃない?』
あたしは笑いながら言った。
『あいつにお礼言うのが嫌っ‼』
リンジーはしかめっ面だ。
『いいんじゃない?言わなくて。』
『それは公平じゃないわ。』
ああそういうこと。なんかリンジーのことが少しだけわかってきた気がする。多分正義感が強いだろうな。でも笑っちゃう。だってリンジーずっとしかめっ面だ。でも全然怖くなくてむしろなんかかわいい。話題を変えたほうがいいかな。
『そういえばこの子と話したよ。夜に。』
あたしはうずくまって寝てるパトリックを見ながら言った。もしかしてまた寝たふり?
『本当?元気そうだった?』
リンジーはしかめっ面をやめて笑顔になった。
『うんすごく元気みたい。』
寝たふりをしてたことを言おうか迷ったけどやめた。人付き合いが苦手なら無理にさせる必要ないかなと思って。
『パトリックっていう名前だって。』
『へぇ~。あのさこの子、、、』
リンジーは何か言おうとして戸惑ってるみたい。
『どうしたの?』
『多分狼人間とのハーフなんじゃないかな。
ほら、この子が来たときに半人間だって言われてたじゃない?』
あたしはぼんやりと夜眠りにつく直前にパトリックが言ったことを思い出した。
『ああ、確かパトリックが自分は狼だって言ってたな。』
『そうなの?』
リンジーが少しびっくりしたように聞いた。
『うん。リンジーはなんでわかったの?』
『私は彼に薬塗った時にやけに体温が高いなって思っただけよ。』
『狼って体温たかいの?』
『うん、狼人間はだいたい40度ぐらい。でも彼はハーフだからそこまで高くないと思うけど。』
『ふーん。それじゃあさ、、、』
『おっはよーーー‼いやーよーく寝たー‼』
あたしの声はブラットのモーニングコールに邪魔された。
『あなた、その格好でよく寝れたわね!』
リンジーは呆れ笑いした。
『いやいや!首がぼきぼきだわ~』
ブラットは首を回しながら言った。首からはゴキゴキ音がした。
ショーンはまだスヤスヤ寝てる。
パトリックは、、、多分寝てない。
『、、、ねえ私達いつになったらここを出れるの?』
リンジーがつぶやいた。
『いつか出れんじゃね?』
ブラット、究極のお気楽だ。
『そりゃそうでしょ。』
あたしはつっこんだ。こんなこと言ってるあたしもそうかも
。
『ほら、私たち一夜ここで過ごしちゃったじゃない?もう一夜過ごすなんて嫌だわ。あいつのコートをまた借りることになったら、、、!』
あはは、、、リンジーはそれが1番嫌なんだね。
『ふぁ~。おはよ~。』
ショーンがむくりと起き上がった。
『あっショーン、おはよ~!』
リンジーが微笑む。
『、、、なあ、今チャンスじゃね?』
ブラットが言った。
『チャンス?』
あたしとリンジーがハモった。最近ハモってばっかり。
『今見張りいねーじゃんか。しかも朝だから市場とかがその辺にあればまぎれこめるんじゃね?』
まあ確かにブラットの言ってることは正しい。
『確かに私の町の周辺は市場がたくさんあるから、そんなに離れてなければ上手くいくかも、、、でもブラットのを縛り付けてるやつほどかなきゃ。』
リンジーはブラットを見ながら言った。
『でもよ。これ結び目がみつからねぇんだよな、、、』
ブラットは椅子をガタガタさせる。
『今は逃げないほうがいいよ。』
ブラットとショーンとリンジーは知らない人の声がしたから敵だと思ったらしい。三人とも身構えた。あたしはその声がパトリックだと分かったけど。
『僕らから見えないところに誰かいる。見張りかも。』
パトリックは起き上がりながら言った。
『ウソ、、、じゃあ今も聞いてた、、、⁈』
リンジーの声はどんどん小さくなった。
『ああ、聞いてただろうけど君たちはどういうふうに逃げるかははっきり言わなかったから大丈夫だ。』
パトリックは冷静。
でもリンジーは焦る。
『でも!でも私たちが市場に逃げるって、、、』
『多分アルセイデスだろ?君の言ってる町は。そんなに遠くないよ。市場なんて十個近くあるじゃないか。』
『でも、、、』
『大丈夫。上手くいくよ。』
パトリックは微笑んだ。
リンジーは上手くいくと思ってないみたいだけど。
『手錠はどうするの?』
ショーンは聞いた。
『手錠は外さなくても、なんとかなる。』
あたしは言った。
すると突然ショーンは自分の唇に自分の人差し指を持って来て『シー!』と言った。
ショーンはなにかをポケットから取り出した。
それはナイフだった。
そのナイフは昨日今はどこかに吹っ飛ばされた男がリンジーのくびに突きつけたナイフだ。あたしは奪ったあとすっかり存在を忘れてた。
『あんた天才‼‼』
あたしは口パクで言った。
ショーンはニヤリとしてブラットのところに近づき、縄(縄だけど青白くネオンのように光ってる。魔法の縄かもしれない)を切り始めた。
『きれる?』
あたしはリンジーに口パクで聞いた。
リンジーは大きく二回も頷いた。
『そういえばさ~あたしリンジーにあってここに捕まる前にね、男の人に助けてもらったわけ。』
あまりにも静かすぎると怪しまれる。リンジーとパトリックは意味をわかったみたい。
『そこの家は本当面白くって。今度絶対くるからって約束したんだ!』
『へえー。そうなんだ。その人の名前はなんて言うの?近所なら知ってるかも!』
リンジーは言った。話を続けさせようとしてるんだ。あたしも話を続けさせようと次の話題を考えながら答えた。
『うん、名前はね』
そのときだった。
バタンっ‼と乱暴に開ける音がした。
つかつかと人が入ってくる。2人の男がいた。その一人は、、、
『さて、人質たちを返してもらおうか。』
あたしはあんぐりした。
その人は"ウワサの主"だった。
オリオン再登場。
オリオンの正体は?




