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パトリック~ジョーカー視点~

あんなことを言わなきゃ良かった。あの子達が迷惑だなんて一度も思ったことなんてなかった。むしろいつも楽しみにしてた。あの子達がいることで俺はすごく救われたのに。ブラット君は俺を軽蔑した目をしていた。でもあのくらい言わなきゃあの子達はあの人に殺されるだろう。


『うわっ‼』


イリーナ?どうしたんだ?俺は影から少しのぞいた。イリーナはキョロキョロしてる。


リンジーちゃんにかけてある俺のコートを不思議に見つめていた。あの子あんなに嫌がってたくせに気持ち良さそうに眠ってるよ。


『悪夢だ。まさしく。』


イリーナは突然言った。俺は笑いをこらえた。いきなりなんだよ?


『ふっ何が悪夢なの?』


パトリック、、、あいつは確か半人間だ。狼人間の。

『ああっ、治ったんだね!良かった!』


『ありがとう。君さ、昼にお店でスピーチしてた子でしょ?』


いたんだ。あいつ。


『なんで知ってるの⁈』


『あの場にいたんだ。あのバカなアリソンと"ゆかいな仲間たち"にいじめられてたよね。そのときに君がああいう事言ったから感動したよ。』


『あ、、、ありがとう。』


俺は腹が立った。なんだよ?あいつに言われるのはいいのかよ⁈俺が褒めたときは怒ったくせに。

かなり怒ってイリーナとあいつがいろいろ話してたけど耳に入って来なかった。

元々狼人間の半人間は嫌いだ。半人間ではあるけどバケモノじゃない。ちゃんとした人間だ。寒いときに人を温めることができる。血に惑わされたりすることもない。

ヴァンパイアは人を凍えさせ、注意しなければ本能で人間を襲う。今までイリーナたちが生きられたのも奇跡に等しいんだ。最近だとショーンくんの匂いに何回惑わされたことか!


そんなことを考えてるとイリーナの声がした。


『親はどちらもジョーカーに殺されたんだ。』


やっぱりいうんじゃなかった。もっとイリーナに俺のことを好きでいて欲しかった。


『そうか。辛かっただろうに。』


『ううん、まあ最近知ったからそれなりにショックではあったけど。、、、』


"それなりに"?どういうことだ?親が殺されたというのに。強がってるのか?それとも俺は彼女にとってそれほど大きな存在ではなかったのか、、、?だから俺が彼女の親を殺しても大きなショックを受けなかったのか?


『ちょっと後悔してる事があって。ジョーカーにはっきりとあたしの親を殺したって言われた時に、あたしジョーカーにお礼を言ったの。』


これが1番不可解だった。理由を言われたってわからなかった。

もっと俺に怒ってほしかった。俺を殴り泣いてわめいて欲しかった。なんで親を殺したのかと叫んで欲しかった。

それを聞く事で俺は傷付き、彼女の親を殺した罰を受けるつもりだった。でもあの子はお礼をした。


『なんで?』


『もしも親が殺されなかったらあたしは、今の友達に会えなかったと思うの。ブラットとショーンはずっと一緒に成長したし最近だとリンジーにも会えた。あたし、今幸せなの。

多分あたしの周りにはあたしが幸せになるものしかないんだなって思うんだ。でも、、、』


"あたしの周りにはあたしが幸せになるものしかない"

なんか納得するようなしないような感じだ。

イリーナらしい。そうやって全ての不都合を割り切ってきたんだ、きっと。

そういうところが本当にアリスにそっくりだ。

アリス、、、


『でも?』


『それじゃあ親に失礼だったなって。あたしのお父さんはもしかしたらあたしの成長を知りたかったかもしれない。お母さんは毎日あたしに料理を作りたかったかもしれない。それなのに、あたしは自分の幸せしか考えないであんなことを言っちゃったの。』


そうかもしれない。母親ならきっとそれを望んだだろう。


『僕は君のご両親がどんな人かはわからないけど、2人は君の人生を幸せに歩んでほしいと思うよ。、、、普通の事しか言ってないね。ごめん。』


その事を本人に言えるだけいいじゃないか。


『大丈夫。あたしこそごめん。初めて会ったのにこんなこと話しちゃって。ありがとう。気が楽になった!』


『本気?良かった!』


何嬉しそうにしてんだよ。腹立つ。



このパトリックってやつ嫌いだ。なんなんだよ。


『眠いの?』


『うん、、、多分、、、』


イリーナは小さい子みたいな声をだした。


『多分って。』


『あなたは眠くないの?』


イリーナはもう眠りに落ちて行く。


『ああ平気だよ。僕は"狼"なんだよ。』


パトリックはそう言った。


『盗み聞きは良くないんじゃないか?』


パトリックの声が聞こえた。

俺に言ってるのは分かったけど、無視した。




お待たせしました!やっと書きました!

ジョーカーはパトリックに嫉妬してますね(笑)

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